1
/
5

【早来学園の魅力に迫る!後編】できたての新校舎に潜入。見どころを徹底レポート

安平町のことを知って、もっと好きになってほしい。そんな思いから始まった「まち紹介」。第二弾は「早来学園の魅力に迫る」です。

前編では、早来学園ができるまでの軌跡を紹介しました。
▼詳しくはこちら
【早来学園の魅力に迫る!前編】震災から新校舎完成までの軌跡

後編では、完成した校舎に潜入し、子どもの探究心を育む学習環境や、まちの公共施設の機能を備えた地域開放エリアなど、早来学園の見どころを徹底レポートします。

復興のシンボル、早来学園に潜入!

早来学園は、早来中学校と、早来小学校、安平小学校、遠浅小学校が2023年4月に統合される小中一貫の義務教育学校です。平成30年の北海道胆振東部地震で被害を受け、仮設校舎での学びを余儀なくされた早来中学校の再建にともない、まちの復興のシンボルとして建設されました。

今回やってきたのは、令和4年10月に完成した新校舎。今ここで、これまでの常識を覆す新しい教育が始まろうとしています。

本当に学校なの!? 洗練された新校舎

学校とは思えない建築美が特徴の早来学園。このような学校が完成した理由は、幅広い人が建設に関わっているからなんです。

教育環境計画を株式会社教育環境研究所、建築設計を株式会社アトリエブンク、ICT環境設計をチームラボ株式会社が担当。さらには、町民の意見を集める場として発足した「新しい学校を考える会」を加え、専門家、町民、教育委員会が一体となった学校づくりが行われました。

実際にどのような教育が行われるのか、さっそく中を覗いてみましょう!

▲早来小学校・中学校の児童生徒は、2023年1月から登校が始まっています

興味をとことん探求!9年間の学舎

早来学園の9年間の義務教育は、子どもの成長にあわせた学習環境が魅力です。

例えば教室。1年生は幼稚園・保育園から上がったばかりなので、教室の中に遊び場があったり、ベランダから外へ遊びにいけるようになっていたりと、遊びと学びが融合した設計となっています。ギャングエイジと呼ばれ、子どもだけの集団を作りたい傾向がある3・4年生は、2階の奥に教室が配置されています。

また、教室の前後にはホワイトボードを設置。机と椅子の椅子の位置は固定されていません。教室を区切って2クラスが授業をしたり、円になってグループワークをしたり、どんなシーンにも対応できるようなつくりになっています。

▲教室以外での授業も盛んに実施されています

アトリエ室、キッチン、木工室、実験室、社会科室、外国語室など、子どもたちの興味に合わせた学習ができるよう、かなり細かく専門教室が分かれています。「自分が”世界”と出会う場所」というコンセプトの通り、自らが探求したいと思う”世界”を見つけられる環境が整ってるんですね。

その他、近くの小川でビオトークができたり、昔ながらの農家の建物をモチーフにした木工室があったりと、安平町ならではの学びも。

▲英語だけではなく、世界中のさまざまな言語に触れられる外国語室

学校で過ごす「全ての時間」が学びに

天井を見上げると、廊下は鉄骨や木造の資材が剥き出しになっています。あえて建物の構造が見えるデザインなのは、建築構造に興味をもってもらうための一つとして、子どもたちの好奇心を駆り立てる空間づくりにも余念がありません。

各教室の壁には、オレンジ、青、緑など、安平町の空や大地、菜の花の色が彩られています。また、トイレには、安平町と緯度が同じ国の国旗の色が塗られているんだそう。教室での学習はもちろん、学校で過ごす全ての時間が学びになるというから驚きです。

▲開放的な吹き抜けが特徴の廊下。本棚やソファーがあり、思い思いの時間を過ごす子どもたち

学校を“まち”に。子どもと大人がつながる仕組み

広々とした図書室には、アーチ型の棚にずらりと本が並べられています。奥へと誘導させる工夫があり、たまたま手に取る本との出会いを大切にしてほしいという思いが込められています。

図書室の一角にある「まちのリビング」は、ソファやキッチン、薪ストーブを備えたリラックス空間です。コンセントもあり、コーヒーを片手にくつろげば、カフェのように活用できる空間になると思います。

▲4月から地域に開放予定の図書室

まちの図書館の機能を担い、令和5年4月からは、地域の人にも開放される予定です。その他、アリーナやキッチン、アトリエ室、会議室なども予約をすれば利用可能。利用者にとっては、公共施設が一箇所に集まっているのもうれしいポイントですね。

学校が”まち”の機能を兼ねているのは、「大人と子どもの接点を増やしたい」という狙いがあります。学校とまち(公共施設)の境界線をなくすことで、地域の人に見守られながら子どもが安心して学べる環境をつくったんだそう。

早来学園を公教育のロールモデルに

建設に従事した永桶教育次長はこれまでの学校建設を振り返り、次のようにコメントしました。

「日本の教育が主体的で対話的な学習へシフトしています。そんな中、早来学園が先駆けて公教育のロールモデルとなり、全国に誇れる場所になったらうれしいです」

▲安平町教育委員会の永桶憲義教育次長


以上、早来学園の魅力をレポートしました。新しい学校の建設をきっかけに、ファミリー層を中心とした移住希望者からの問い合わせも増えているんだとか。

これからますます早来学園が注目される予感!子どもと大人が交わる空間として、安平町にどのような変化をもたらすのか、新しい学校の今後に期待が集まります。

安平町役場では一緒に働く仲間を募集しています
6 いいね!
6 いいね!
今週のランキング