インタビュー職員プロフィール
小林 由之さん。
羽生市商工会職員。羽生市商工会にて経営指導員として活躍中。
Q. 小林さん!早速ですが、羽生市商工会入職までのお話を教えてください。
はい。現職の前は、地元である埼玉県内の金融機関に勤めていました。
新卒で入社してから7年間勤務して、羽生市商工会に転職したのが昨年の8月のことです。
―転職を考え始めたきっかけは、何だったのですか?
前職に不満があったわけではないんです。
ただ、民間企業であれば当然、利益を重視せざるを得ません。
新規顧客開拓の担当となり、数字を負う必要に一層迫られるようになったことで、「お客様のために頑張った結果として利益がついてくるという形でないと、自分の性格上難しい」と、はっきりと気づかされました。
利益を上げること自体を目標にする働き方への違和感を解消できず、このままでは会社に貢献できないと感じ、転職を考え始めました。
Q. 商工会については、以前からご存知だったのでしょうか?
はい。仕事柄、融資の関係で訪問することも少なくありませんでしたので。
それ以外でも、地域の最新情報を収集するために、ちょこちょこ足を運ぶようにもしていました。
事業をしている人でもないと、まず縁がないですよね。
私も、金融の仕事をしていなければ、きっと商工会を知らずにいたと思います。
商工会を知っていて、「ここでなら、自分の希望している働き方ができるのではないか」と思い至れたのは幸運でした。
Q. どういった点が決め手となって、羽生市商工会への転職を決めたのですか?
会員である小規模事業者や、中小企業経営者の皆さまの力となることが最優先される仕事だったことです。
また、資金繰りの相談なども受けるので、金融勤めの経験を活かせるという点も大きかったですね。
そして、埼玉県内で働けるというのもポイントでした。
実は、新卒で県内の金融機関に就職したのも、地元で働きたいという気持ちをベースにして就職活動した結果だったんです。親の転勤がない環境で育ったのが影響したのだと思います。
たまたま商工会に親しくしている人がいて、その人から業務内容などについての話を聞き、タイミング良く募集もあり、心が定まりました。
Q. 現在、羽生市商工会でどういったお仕事をなさっているのでしょうか?
地元の商工業の活性化のために、小規模事業者や中小企業を応援しています。
具体的には、補助金申請のお手伝いをしたり、融資や小規模企業共済について情報提供をしたり、各種相談に乗ったりといったことです。
県内の他地域の商工会と連携して事業を行うこともありますし、私個人としては45歳以下の経営者・後継者の集まりである青年部の担当をしています。
また、財源確保のための受託業務もあります。法人会から委託される事務ですとか。
事前に知人からおおよその業務内容は聞いていてもなお、入職してみて「こんなに幅広い業務に携わるのか!」と驚きました。
―職場の雰囲気や就業環境はどういった感じですか?
アットホームな職場で、リラックスして業務に臨むことができます。
上司や同僚とは、家族よりも長い時間を一緒に過ごすことになります。
ましてや埼玉県商工会では転勤も原則ありませんから、付き合いは長くなる。
それだけに、こうした職場の良好な人間関係はありがたいですね。
仕事についても、スケジューリングを自分で考えて進められるので、プライベートも大切にできます。
私自身、前職に比べ家族との時間が増えました。
Q. これまでお仕事されてきた中で、特に記憶に残っているエピソードなどがあればお聞かせください。
印象深かったエピソードとしては、私が入職して間もない時に、行った会員支援です。
「経営革新計画承認制度」への申請で、その制度は「経営の向上を目指し“新たな取り組み”」を行う事業計画書を会員さんと策定するといったもの。事業計画を作ること自体に経営上の意義はありますが、計画が承認されると経営上有利な様々な公的な支援策を受けることができます。
中小企業診断士の先生にも手伝ってもらいながら半年かけ策定し。承認された時に会員さんより「手伝ってくれてありがとう」とお言葉をいただきました。仕事ながらも嬉しい気持ちになりました。こう言った経験も商工会ならではの魅力だと思います。
逆に、苦しい思いをすることもあります。
会員様から退会の受付をする際「うまく商工会を利用していただき、少しでもメリットを感じてもらえる提案ができていれば…」と苦しくなります。
会費をいただいている以上、会員様には「商工会に入っていてよかった」と思っていただきたいという気持ちが常にあります。
Q. 今後どういったお仕事をなさっていきたいですか?ビジョンをお持ちでしたら教えてください。
商工会の業務はとにかく幅広いです。
今はまだ全業務をマスターできていない状況ですので、どんどん知識をつけていきたいですね。
将来的には、他地域の商工会に2年間出向できる交流制度を利用して見識を広め、学んだことを羽生市に持ち帰れたらと思っています。ゆくゆくはマネジメントに関われたらとも考えています。
―埼玉県商工会にはどういった人が向いていると思われますか?
地域に貢献したいという想いのある人でしょうか。
あとは、相談を受けることも多いので、人と話すことが苦にならない人。他商工会との連携事業もあるので、チームでの協業ができる人。
単独では無理でも、各地域の商工会が集まれば実現できる事業もあり、さまざまな挑戦もできる環境ですので、「こういうことをしたい!」というアイデアやチャレンジ精神があればなお良いと思います。
Q. 最後に、求職者へのメッセージをお願いします。
商工会職員は公務員ではありませんが、商工会自体は公的機関という位置づけで、実際にそのイメージ通り、安定していて働きやすい環境です。
でも、それだけではなく、普通ではなかなか接点のない経営者の方々とお話しする機会をたくさん持てたり、国の制度や税金などについて詳しくなれたりと、自分自身の勉強にもなり、成長できる仕事でもあります。
「商工会って何?」と思われる方も多いと思います。まずはぜひ一度お訪ねください。
研修制度は整っていますので、知識は働き始めてから身につければ大丈夫です。
埼玉を盛り上げたい、人の役に立ちたいという想いをお持ちの方をお待ちしています!