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日本の開発現場に“アジャイル文化”を根付かせる。技術力と熱意で推し進める、クライアント改革

レッドハットは、世界をリードするオープンソース・ソリューション・プロバイダー。アメリカに本社を構え、40カ国以上でRed Hat Enterprise Linux、ハイブリッドクラウド・インフラストラクチャ、ミドルウェア、アジャイル・インテグレーション、クラウドネイティブ・アプリケーション開発、運用管理および自動化などのソリューションを提供してきました。

そんな同社の日本法人で2018年から新たにスタートしたのが、「Open Innovation Labs」。クライアントにアジャイル開発やDevOpsのノウハウを共有・導入するコンサルティングサービスです。レッドハットのコンサルティングチームがクライアントの開発現場に入り込み、新時代の開発スタイルを直接指導することで、生産性向上やイノベーションの創出を支援しています。

今回は、Open Innovation Labsにてアジャイルデベロップメントコーチとして活躍するMasatoshi.Tさんにインタビューを実施。レッドハットに入社したきっかけや、具体的な職務内容、職場環境などについて詳しく語ってもらいました。

<プロフィール>
Masatoshi.T
アーキテクト - エンジニアリング & アーキテクティングリード

2017年に大手総合電機メーカーへ新卒入社。ソフトウェアエンジニアとして、IoTシステムやコンシューマー向けモバイルアプリケーションなどの開発に従事。その後、2022年にレッドハットへジョイン。現在はクライアントにテクニカル面のコーチングを行うアジャイルデベロップメントコーチとして活躍中。

アジャイルデベロップメントコーチは、開発現場を1番近くで支えるノウハウ伝達者

──Open Innovation Labsの概要を教えてください。

Open Innovation Labsは、レッドハットが手がけるコンサルティングサービスです。具体的には、クライアントと一緒に開発プロジェクトを進めながら、当社が持つアジャイル開発やDevOpsのノウハウを共有・導入していくという取り組みになっています。

クライアントが抱える「自社で出たアイデアを素早く価値化してリリースするにはどうすればいいか?」「どうすればイノベーションが起こせるのか?」といった悩みを、文化・マインドセットの構築やエンジニアリングのプロセス変革などを通して、解決していきます。

──Open Innovation Labsの中で、アジャイルデベロップメントコーチはどんな役割を担うのですか?

大きく分けて2つの役割があります。まず1つは、私たちが慣習として持っているエンジニアリング領域のノウハウ、たとえばTDD(テスト駆動開発)や素早くデプロイする方法などのプラクティスを、開発現場に伝達することです。そしてもう1つは、開発プロセスを俯瞰して、見えてきた課題を解決へと導くことです。

クライアントの業界や規模はさまざまで、中には従業員1000名規模の企業もいらっしゃいます。私たちはその企業の開発現場の方々と、リモートではありますが日々一緒に業務を行います。クライアント側で開発の進め方について疑問や困りごとが出てきたら、チャットやWeb会議で相談を受けたり、解決方法を考えたりしていく、といったイメージです。

担当する案件数は1人あたり2案件ほど。現在15名ほどが活躍していますが、まだまだ人材が足りていないのが現状です。

──クライアントはどんな課題を抱えていることが多いのでしょうか?

私も驚いているのですが、「そもそも開発環境が全然整っていない」というクライアントが多いですね。開発プロセスが重厚すぎて無駄なレビューが多発していたり、設計者・開発者・リリース者が分断されているために、過剰に重厚な設計書を作らないといけない体制になっていたり…など。「開発したシステム画面を見るのに半日かかる」なんてこともあるほど、開発のスピード感に課題があるクライアントが多い印象です。

開発現場ではそれが当たり前になっていて課題視されていない場合もあるので、第三者視点で見ることのできる私たちが中に入り込み、プロセス改革を促していきます。

──レッドハット内において、アジャイルデベロップメントコーチならではの役割や独自性があれば教えてください。

やはり「開発現場に1番近いロールである」という点が何よりの特徴だと思います。現場のエンジニアと膝を突き合わせて、直面している問題や課題を発見・解決していく立ち位置です。実際のコードベースまで見るほど、現場に入り込むんです。

競合他社と比べても、現場との距離感は当社が最も近いのではないかと思います。実際にクライアントから「ここまで入り込んで見てくれて嬉しい」といった評価をいただいたこともありますね。

課題発見・解決の面白さに魅了され、開発者からコーチへ転身

──Masatoshi.Tさんの、これまでのキャリアについて聞かせてください。

私は新卒で大手総合電機メーカーに入社して、ソフトウェアエンジニアとして5年ほど従事しました。当時はIoTシステムやBtoCのモバイルアプリケーションなどの開発が私のミッションでしたね。

転職を考えはじめたのは、前職で他部署の開発現場について話を聞くようになった頃でした。そこで「ここに課題があるのでは?」「ここの開発はこう進めればよいのでは?」と自分なりに課題点や解決方法を考えるのが楽しくて、これを仕事にしてみたいと思うようになったんです。これをきっかけに、エンジニアではなくコンサルティングの仕事に興味を持ち始めました。

──なぜレッドハットに入社したのですか?

コンサルティングの仕事に興味はあるものの、当時の私は社会人経験が5年しかないために「自分にコンサルタントが務まるのか?」という不安を抱えていました。そんなときに、レッドハットがとあるSNSプラットフォームから声をかけてくれたんです。若手採用に力を入れていることや、手厚くサポートしてくれる体制であることが分かり、入社を決めました。また「開発者と近い距離で働ける」というのも魅力に感じました。

──実際に入社してみて、現在どんな点にやりがいを感じていますか?

入社前に思い描いていたとおりの仕事ができているので嬉しいです。やりがいを感じるのは、やはりクライアントの開発環境がいい方向に変わったときです。現場を間近で見ているので、自分の提案によって開発プロセスがどんどん短縮していくのが目に見えて分かるんですよ。「こうした方が絶対にクライアントのためになる」という信念をもって働いているため、その変化を実感してもらえたときは大きな手応えや達成感が味わえます。

クライアントに忖度せず、本質的な課題解決ができる社風

──入社して驚いたことや、前職との違いを感じた部分はありますか?

チャットがかなりアクティブに動くことですかね。みなさん気軽にコミュニケーションを取り合っているので、仕事の質問や相談がしやすいです。ミーティングもかなりカジュアルにセットできます。会議は「お伺いを立ててから設定するもの」だと思っていたので、その柔軟さに驚きましたね。

──レッドハットは「自由」「勇気」「義務」「責任」を理念に、顧客に忖度せず提言するというスタンスをとっていますよね。実際に、その社風を感じることはありますか?

そうですね。私たちはクライアントに全くと言っていいほど忖度しません。時々「これはさすがに言わない方がいいのでは…」と弱気になることもあるのですが、社内の仲間と背中を叩き合って、言うべきことはきちんと伝えるようにしています。ゴールさえぶらさずに話し合っていれば、基本的には大きな提言をしても反発されることはないですね。

たとえば最近だと「エンジニアが多すぎるので人を減らしてほしい」「これ以上は業務委託パートナーを採用しないでほしい」という意見を伝えました。勇気が必要な提言ではありますが、それが正しいのであれば、言わずにいるのは価値を提供していないのと同じこと。率直な意見を伝えることがレッドハットのカルチャーでもあるので、臆さず伝えるようにしています。

「事業のトップは変革を求めているものの、開発現場はアジャイル開発に懐疑的でなかなか合意してくれない」というクライアントを担当したときのことも印象に残っています。

現場の開発者は今までのやり方を変えたくなかったようで、「重厚なプロセスがあるからバグが起こらないんだ」「効率化したら品質が下がる」と主張されてしまったんです。普通ならそこでクライアントの意見を尊重してしまいそうですが、我々は品質を下げないノウハウを持っていますし、「ここで折れたらクライアントのためにならない」という思いもありました。そのため粘り強く何度もアジャイルの価値を説き続けて、最終的には事業のトップも巻き込んで話し合いを行いました。

最終的には納得してもらえて、プロジェクトが円滑に進む環境を作ることができました。このように、クライアントからの評価や顔色ではなく「課題解決」という本質を重視する風土が、レッドハットにはあると思います。

日本企業に蔓延る問題を解決するのは、熱意ある挑戦者

──アジャイルデベロップメントコーチには、どんなバックグラウンドを持つ方が多いですか?

バックボーンは人によりさまざまです。私のように製造業出身の人もいれば、SIer出身の人や、事業会社でプロダクトを開発していた人もいます。経験年数や性別も特に問いません。現在は30代中盤くらいまでの若手社員が中心です。共通しているのは、エクストリームプログラミングにおけるプラクティスを実践した経験があるという点ですね。CI/CDを使っていた、息をするようにリファクタリングしていた、といった方であれば活躍できる環境だと思います。

──最後に、これからアジャイルデベロップメントコーチとしてどんな方と一緒に働きたいか、教えてください。

アジャイルデベロップメントコーチには技術力だけでなく、強いパッションが必要だと考えています。冒頭で話しましたが、当社では課題の多さに頭を抱えてしまうようなクライアントもよく担当します。「1つの課題を倒すのにも、何人ものステークホルダーとコミュニケーションを取らないといけない」といった場面では、地道な活動を強いられることもあります。そこに立ち向かっていく熱意がある方を、当社は求めています。

もちろんその分、得られるものも多いです。当社のクライアントは日本を代表する企業がほとんど。しかしそんな企業であっても初歩的な課題を抱えていることは少なくありません。そもそも、日本全体がアジャイル開発で遅れをとっているのが現状です。それを自らで解決していけるので、社会貢献度の高さは相当なもの。「日本の開発環境を変えていく」という壮大なミッションに挑戦できる、かなり刺激的な環境だと思いますよ。

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