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清掃業界をアップデートする。顧客、社員、自社の三方良しを追求し、清掃業界をクリーンにする挑戦。

水島 啓佑(みずしま けいすけ)株式会社Plesis 代表取締役

株式会社新日本空調に新卒入社。東日本大震災の当時、福島第一原子力発電所、女川原子力発電所を担当。その当時経験がきっかけとなり株式会社Plesisを設立。業界の変革を目指し清掃事業を推進する。新型コロナウイルスの影響を受けながらも事業・組織を再構築。2022年3月期決算では売上高3億を見込む。

いつまでも変わらぬ日常があるとは限らない。それが起業のきっかけ。

――まず、これまでの経歴と起業のきっかけについて教えてください

水島 もともとは空調設備の設計や工事を行う企業にて勤務をしていました。そして23歳の震災直後に株式会社Plesisを創業しています。創業のきっかけについてはまさに2011年の東日本大震災です。当時福島で勤務をしていて、これまで当たり前だったものが急になくなる瞬間を目の当たりし、いつまでも変わらぬ日常があるとは限らない、だったら今やりたいと思うことをやっておこうと思い立ち創業を決意しました。

――創業当時から清掃業を軸とすることを決めていたのでしょうか?

水島 正直その当時清掃業を選んだのは明確な意志があってのことではありません。ある民泊のオーナーとご縁を頂き、当時増えてきていた民泊事業の清掃や管理面を相談されていたことが清掃業から事業が始まっている理由です。ただそこで得た清掃技術が今の清掃事業の基盤になっています。ですので、初めから未来が線で見えていたわけではないですが、目の前の顧客のために全力を尽くしている中で点と点が線でつながってきたところです。

ハウスクリーニングを皆のものにしたい

――現在はハウスクリーニング事業に軸足を移していますがその理由は?

水島 そうですね、きっかけは民泊そのものがコロナ禍で急速に縮小してしまっているということです。もしコロナによる環境変化がなければ事業規模として現在は数億の規模に成長している見込みでしたが、その見込みは大きく崩れ弊社の売上も1/5くらいまで減少してしまいました。そんな状況でしたが悲観していても仕方がなく、目を向けたのがハウスクリーニング事業になります。

――もともとハウスクリーニングも手掛けている中で感じていたことがあったのでしょうか?

水島 はい、ハウスクリーニング事業も清掃事業の中で民泊同様に手がけていました。その中で顧客と社員、また自社のビジネスとしてみた時に「このままじゃいけない」というものを感じていました。まず顧客の視点で見てみるとその価格の高さです。今、ハウスクリーニングという本来誰にでも必要なサービスを受けられるのが、その価格の高さゆえに一部の生活者のみに限られてしまっています。それに気がついたのは発注時期が年末等に偏っていることです。ハウスクリーニングは年末のみ必要になるわけではない、にもかかわらず年末に集中する。それは自分へのご褒美として特別なタイミングで依頼をしているからなんです。確かにキッチンやお風呂という水回りだけで一般的な価格は3~5万ほどかかります。これを常時依頼できるのは感覚ですが2割くらいの方に限られてしまうでしょう。

清掃業をアップデートし、働き手としても魅力のある業界にする必要がある

――社員の目線での課題というのは?

水島 単刀直入に言うとその待遇の安さです。検索して求人を見てもらうとわかりますが、若手のスタッフレベルだと月収が20万強です。中堅のいわゆる管理職レイヤーでも月収40万くらいがアッパーとなっている業界です。これでは挑戦したいと魅力を感じないのも当然です。ですので弊社では新卒入社でも25万円、半年後には30万円まで待遇を引き上げたいと思っています。誤解していただきたくないのですが、給与という待遇が全てと言っているわけではありません。あくまでも待遇は魅力の必要条件であるということです。その必要条件である待遇が得られていないと、いくら成長できる環境や魅力的な仲間がいてもそれは健全とは言えないと思うのです。

――顧客からすると高いにも関わらず、社員の給与が低い。一見すると矛盾を感じます

水島 はい、まさにそこにこの問題の原因が表れています。一言でいうと「多重の下請け構造」が問題の本質です。お客様から発注を受けた企業が、数割の手数料を抜き下請けに依頼する。その下請けがまた手数料を抜き下請けに依頼する。この連鎖で顧客からすると高い、社員からすると安いという問題が起こります。我々はそこを解決し、清掃業界をアップデートしようとしています。

――具体的にいうとどういうことでしょう?

水島 まず低価格の実現です。その低価格を実現するために一切の無駄を省きます。下請けへの依頼、スタッフの移動距離、車で移動する際の駐車料金。このあたりの直接サービスとは関係のないコストは最終的にお客様からいただく価格に上乗せされます。それを各エリアに拠点を設けることで最短でいけるようにする、車ではなく専用の台車をつくり移動する。このオペレーション部分を最適化することが価格優位性を生み、お客様への価値につながります。

――よくわかりました。最後に今後のビジョンを教えてください。

水島 お客様や業界の観点ではこれまでお話してきたとおりですが、その結果というところに目を向けると自社の売上規模も1億→3億→10億と伸ばしていきたい。もちろんこれまで語ってきたところは理想としてこれから追求していくことも多いですが、それを実現できれば売上はついてくると思っています。

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