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なにをやっているのか

100年以上続く水神の回遊式庭園。中興の祖である四代目は北から南まで日本各地を行脚していたことからも会社の理念を“Life is Voyage(人生は後悔である)”とし、世界に日本文化の豊かさを伝える企業に。
2012年からの海外展開を機にリブランディングした新旧が混在する商品群はGOOD DESIGN賞受賞。2015年からインバウンドの受け入れを開始し、アウトバウンドとインバウンドの双方を行う蔵に。
ヤマモ味噌醤油醸造元は、慶応3(1867)年から続く味噌醤油醸造元です。弊社が位置する岩崎地域では平安末期からこの地を守る鹿島様が存在し、岩崎城十四代から語り継がれる水にまつわる悲話、秋田三大伝説の能恵姫伝説が残る水資源豊かな大地です。弊社は幕末の江戸末期、創業者・高橋茂助がその伝説ある皆瀬川の伏流水の恵みから醸造業を興し、この地で七代に渡り150余年醸造を続けております。 世界の食文化と和の調味料が融合し、進化していくことを理念“Life is Voyage”とし、2012年に貿易のアウトバウンドを開始。翌年にはGOOD DESIGN賞受賞。蔵元に残るレガシーを捉え、工場に隣接するファクトリーストア、水神の回遊式庭園、ガーデンカフェ、I.L.A. GALLERYを整え、その土地ならではの蔵元固有の総合体験をご提供し、産業にアートとインバウンドツアーを実装しました。10年に渡る試験醸造から果実香と旨味を醸成する特許出願微生物Viamver酵母を発見し、味噌醤油製品のみならずカフェメニューや肉魚の加工品、ワインや飲料に応用し、新たな発酵の世界を追求しています。私たちは、伝統を創造性と美意識によって再構築することを試みています。

なぜやるのか

年月の経過により現代では合わなくなった課題を改築や外部チームの組成を通じて解決する。これはローカル全体の課題でもあると捉え、地域に拡張し、コミュニティの再構築や遊休不動産の利活用など地域開発も行う。
カフェやアートギャラリーをオープンし、蔵元に眠る課題を解決しながらコンテンツを整え、それらを積層させることによって魅力を備え、インバウンドツアーとアートを実装し、地域の活性化を誘発する。
七代目・高橋茂助の高橋泰がヤマモのビジョンを申し上げます。現代に於ける多くの伝統産業がそうであるよう、私自身も決して家業を継ぎたいと思った人間ではありませんでした。両親が私に別の道を許し、気ままに学んだ建築家の道で、自分には造りたい新しい建物はなく、例えて言うなら「前川國男邸」のような歴史的建造物の中に新しい文化・芸術の風を入れたものと人生を共にしたいと考えるようになりました。それから家業を継ぐことを決めました。 弊社の立ち位置を確認すべく、世界に歩みを進めますと、これこそが七代目の私自身がやるべきことと思いました。先進国と称される国々が、経済活動だけでは見ることのできなかった景色。それを勃興するこれからの国々へ提唱すること。次に残る豊かさとは価値ある経済活動と捉え、伝統産業に従事する私は、これらを揺るぎない価値として伝えるべきだと思いました。 新しい道をつくるには余地余白が必要です。長く続く産業も例外ではなく、削ぎ落とす部分に痛みを伴います。それには様々な文化的側面から、その部分を見極める必要があります。数世代も続く伝統産業は、まさしくこれらの賜物であります。故に安定もし、矛盾する危うさを持ち合わせています。一方で、歴史あるものは一世代では生み出すことのできない慈しみと美しさがあります。この価値観こそ、時代を超えて紡ぐ必要があると考えています。

どうやっているのか

10年に渡る試験醸造により、蔵付き酵母から発見した微生物Viamver酵母を特許出願し、菌のブランディングと味噌醤油のみならず他領域に応用した製品開発を行う。カフェではこの菌によるコース料理を提供。
2020年コペンハーゲンのSPACE10でのプレゼンテーションではViamverを用いた料理を提供。日本の発酵技術やその背景にある生活文化や精神性を海外に伝え、世界の人々を健康にし、伝統産業の使命を果たすことを行う。
伝統産業は担い手の問題から、事業承継に成功することが鍵となります。七代目の私が家業を継いだというレベルではなく、組織としての代替わりが必要だと感じています。弊社は未来へと向かうため、新しい伝統産業の在り方を模索しております。伝統産業という既成概念に捕われず、新しい価値観で時代を創ることのできる組織を構築している最中です。人口減少により文化の承継が難しいとされる地方の秋田だからこそ、その発信と成功をもたらす必要があると考えています。