「モダンな環境で開発したい。」
「上流工程に挑戦したい。」
「もっと単価の高い案件に入りたい。」
SESで働いていると、誰もが一度はそう考えます。
一方で、
「営業がいい案件を持ってきてくれない。」
「また保守案件を紹介された。」
「結局、希望なんて聞いてもらえない。」
そんな不満を口にするエンジニアも少なくありません。
もちろん、営業側の力不足や会社が保有している案件の質が原因になることもあります。
しかし、実際に営業と話をしていると、「同じタイミングで複数の候補者がいる場合、誰を優先して提案するか」という判断が行われる場面は少なくありません。
そのとき、営業は何を基準に考えているのでしょうか?多くの人は、「技術力が一番高い人が選ばれる」と思っています。
ですが、現実はもう少し複雑です。
優良案件ほど「紹介する相手」を慎重に選ぶ
営業のもとには、さまざまな案件が届きます。
その中には、
- 単価が高い
- モダンな技術スタックを採用している
- フルリモートで働ける
- キャリアアップにつながる経験が積める
そんな人気案件が入ってくることもあります。
しかし、こうした案件は募集人数が限られていることがほとんどです。営業としても、「誰を提案してもいい」というわけではありません。もし紹介したエンジニアが期待に応えられなければ、お客様との信頼関係にも影響します。
だからこそ営業は、「この人なら安心して紹介できる。」そう思えるエンジニアを選びます。
ここで重要なのは、「安心」とは必ずしも技術力だけを意味しないということです。
営業が紹介しやすいエンジニアとは
営業が「この人を提案したい」と感じるエンジニアには、ある共通点があります。
それは、営業が提案しやすい状態を一緒につくってくれる人です。
例えば、
- スキルシートを言われる前に最新の状態へ更新している
- 新しく身につけた技術や担当業務を自分から共有している
- 希望条件を具体的に伝えてくれる
- 面談の日程調整などにもスムーズに協力してくれる
- 普段からレスポンスが早く、連絡が取りやすい
こうした積み重ねがあると、営業は自信を持って企業へ提案できます。
反対に、
「スキルシートが半年更新されていない。」
「連絡がなかなか返ってこない。」
「希望条件が曖昧。」
という状態では、せっかく良い案件があっても紹介まで進めにくくなってしまいます。
これは好き嫌いではありません。
営業にとっても、お客様へ提案する以上、「成功する確率」が高い人を選ぶのは自然な判断なのです。
営業はあなたのキャリアを売る仕事
営業の仕事は、案件を持ってくるだけではありません。企業へあなたの魅力を伝え、条件交渉を行い、より良い環境を勝ち取ることも重要な役割です。そのためには、営業が使える武器が必要になります。
例えば、
「現場で設計も担当するようになりました。」
「最近はDockerやAWSも業務で触っています。」
「リーダーとして新人教育も担当しています。」
こうした情報があれば、営業は企業へ、
「以前より対応できる業務の幅が広がっています。」
「この経験を踏まえて単価アップをご相談できればと思います。」
と、自信を持って提案できます。
反対に、営業が知らないままでは、その成長は企業へ伝わりません。どれだけスキルアップしていても、伝わらなければ評価にはつながらないのです。
だからこそ、
「今の現場で〇〇の技術を使うようになりました。」
「この経験は次の案件でもアピールしたいです。」
そんな一言を営業へ共有するだけで、あなたの可能性は大きく広がります。
「ありがとう」の一言が信頼をつくる
営業は、普段あまり感謝される仕事ではありません。案件探し、企業との調整、面談の日程変更、契約書の手続き、単価交渉、トラブル対応。表には見えないところで、多くの仕事を抱えています。
だからこそ、
「今日は面談ありがとうございました。」
「調整していただいて助かりました。」
そんな一言があるだけで、お互いのコミュニケーションはぐっと円滑になります。
もちろん、お礼を言ったから優遇されるという単純な話ではありません。ですが、日頃から信頼関係が築けているエンジニアは、営業も相談しやすくなります。
「こういう案件があるけど興味ありますか。」
「正式公開前だけど、一度話を聞いてみますか。」
そんなやり取りが生まれることもあります。
結果として、チャンスに触れる機会が増えるのです。
営業を敵ではなく、味方にする
SESでは、「営業は案件を持ってくる人。」そんなイメージを持たれがちです。
しかし、本来の営業は、あなたのキャリアを企業へ提案し、より良い条件を一緒につくっていくパートナーです。
もちろん、営業任せにするのでも、営業へ不満をぶつけるだけでもありません。エンジニアも営業も、それぞれが情報を持ち寄り、一緒にキャリアを考える。その関係ができている人ほど、長期的に見ると良い案件に出会いやすくなります。
スキルシートを最新にしておく。
新しい経験を共有する。
面談後に一言お礼を伝える。
単価交渉につながる材料を営業へ渡す。
どれも今日から始められることばかりです。
営業を「案件を持ってくるだけの存在」と考える人と、「自分のキャリアを共につくるパートナー」と考える人。
数年後、その二人が携わる案件やキャリアの幅には、少しずつ、しかし確かな差が生まれていくはずです。
優良案件は、ただ待っていれば巡ってくるものではありません。
営業との信頼関係もまた、自分の市場価値を高めるための、大切なキャリア戦略の一つなのです。