こんにちは。株式会社LADで執行役員兼ITコンサルタントとして働いている寛座です。
今回は、エンジニアとしてキャリアをスタートした私が、なぜITコンサルタントを目指すようになったのか。そして、「技術力だけではプロジェクトを成功させられない」と気づくまでの経験についてお話しします。
技術力を高めることが、成長だと思っていた
新卒で大手SIerに入社し、ビジネスチャットサービスをはじめ、クラウドを活用したシステム開発に携わりました。バックエンド、フロントエンド、モバイルアプリの開発から、テスト、運用、カスタマーサポートまで、Webサービスを提供するための業務を幅広く経験しました。
当時の私は、新しい言語やクラウド技術を学び、難しい技術課題を解決できるようになることが、エンジニアとしての成長だと考えていました。実際に、テスト自動化ツールの導入を進め、商用環境で発生するバグを4分の1まで減らせたときには、技術によって大きな価値を生み出せたと感じました。
「もっと技術力を高めれば、より大きな価値を提供できる」
当時は、そう信じていました。
テックリードになって見えた、技術以外の壁
その後、テックリードとして、技術選定やメンバーの成果物の確認、プロジェクト全体の技術的な方向性を示す役割を任せてもらうようになりました。
プロジェクトの中心に立つ中で気づいたのは、技術的に正しいものをつくるだけでは、プロジェクトは成功しないということです。優れた技術を採用しても、お客様が実現したいこととずれていれば意味がありません。品質の高いシステムをつくっても、予算やスケジュールを大幅に超えてしまえば、成功とは言えません。
また、メンバーの技術力が高くても、目指す方向や役割への認識がそろっていなければ、チームとして十分な力を発揮できません。技術だけでなく、お客様やチームと認識をそろえ、意思決定を前に進める力が必要だと感じるようになりました。
正しい答えを出すだけでは、人は動かない
テックリードとして要件整理やスケジュール、コストの管理に関わる中で、技術者として正しい答えを出すことと、プロジェクトを前進させることは、必ずしも同じではないと学びました。
自分では最適だと思う技術や進め方でも、お客様の予算や組織の事情によっては採用できません。一方で、お客様の要望をそのまま受け入れるだけでは、品質や開発メンバーの負担に問題が生じることもあります。
大切なのは、自分の正しさを主張することではなく、お客様が実現したいことや要望の背景、開発チームの制約を理解し、プロジェクト全体として納得できる着地点をつくることでした。この頃から、私の関心は、システムを「どうつくるか」から、プロジェクトを「どう成功させるか」へと広がっていきました。
エンジニアからコンサルタントへ
より上流からお客様の課題解決に関わりたいと考え、私はコンサルティングファームへ転職しました。転職後はスマートシティに関するプロジェクトに携わり、自治体への提案からシステム導入までを、プロジェクトマネージャーとして支援しました。
クライアント企業、自治体、開発ベンダーなど、立場の異なる関係者の課題や要求を整理し、優先順位を決め、必要な判断を促す。こうした経験を通して、プロジェクトマネジメントとは、単に進捗を管理することではなく、人と人の間に立ち、プロジェクトが前に進む状態をつくることだと考えるようになりました。
担当したプロジェクトでは、翌年度もお客様から名指しで継続の依頼をいただきました。技術力だけでなく、プロジェクトへの向き合い方やマネジメントを評価していただけたことは、大きな自信になりました。
技術が分かるからこそ、出せる答えがある
コンサルタントになった現在も、エンジニアとして身につけた技術は大きな強みになっています。
上で少し触れたスマートシティに関するプロジェクトでは、開発パートナーとの交渉やシステムアーキテクチャの見直しなど、さまざまな角度からコスト削減に取り組みました。その結果、システムの構築費を5分の1、運用費を3分の1まで削減することができました。
技術的な仕組みを理解しているからこそ、コストだけでなく、品質や運用への影響も考慮した実行可能な施策に落とし込めたと考えています。技術か、コンサルティングか、どちらか一方を選ぶのではなく、技術をお客様や事業の課題解決につなげることが、私の強みです。
LADで実現したいこと
現在は、LADでお客様のプロジェクトを支援するとともに、執行役員として会社づくりにも携わっています。
私自身、最初からITコンサルタントを目指していたわけではありません。エンジニアとして技術を学び、担当する範囲が広がる中で感じた課題に向き合った結果、現在のキャリアにつながりました。
だからこそLADでは、技術力を捨ててコンサルタントになるのではなく、技術力を生かして仕事の幅を広げられる環境をつくりたいと考えています。エンジニアとしての経験を土台に、お客様やチームと向き合い、プロジェクト全体を動かせる人材を増やしていきたいと思っています。
最後に
今でも、技術力が重要であるという考えは変わっていません。しかし、技術を成果につなげるためには、お客様が実現したいことを理解し、異なる立場の人と認識をそろえ、チームが力を発揮できる状態をつくる必要があります。
この記事を読んで、「技術を生かしながら仕事の幅を広げたい」「プロジェクト全体を動かせる人になりたい」と感じていただけたなら、とても嬉しいです。
いつか皆さんと、技術やキャリアについてお話しできる日を楽しみにしています。