きっかけは、情報に振り回されている自分への違和感でした
こんにちは、栗須俊勝です。
数年前、生成AIが一気に世の中へ広がったころ、私は毎日のように新しいツールやニュースを追いかけていました。朝起きればタイムラインには最新モデルの話題が並び、少し目を離すとすぐ別の何かが話題になっている。置いていかれたくない一心で必死に追いかけるほど、なぜか手元の仕事はちっとも前に進まない。そんな日々を過ごすうちに、ある朝ふと手が止まりました。これだけ大量のAI情報を浴びているのに、自分の仕事は結局どれくらい楽になっただろうか、と。
正直に振り返ってみると、答えは思っていたよりずっと寂しいものでした。華やかな新機能の紹介記事はたくさん読んだのに、実際に自分の業務へ落とし込めたものは、ほんのわずかしかありませんでした。知識ばかりが増えて、成果はほとんど変わっていない。この落差にどうしても納得がいかなくて、これがいま私が発信を続けている、いちばん最初の出発点になりました。
世の中のAI解説に足りていなかったもの
情報を集めるほど気づいたことがあります。話題になる解説の多くは、最先端であることや驚きの大きさを競い合っていて、それを見た人が翌朝の仕事で何をどう変えられるのか、という肝心の部分がすっぽり抜け落ちていました。すごい、と感心して終わってしまう。感心は一瞬の感情なので、時間が経てば何も残りません。
私が本当に知りたかったのは、そこから先でした。この機能を自分の職場のどの作業に当てはめれば、何分の手間が消えるのか。導入するときにどこでつまずきやすいのか。使ってみて期待外れだったのはどれで、逆に地味だけど毎日手放せなくなったのはどれか。こうした泥くさい部分こそ、現場で働く人が本当に欲しがっている情報のはずなのに、意外なほど誰も丁寧には語ってくれませんでした。だったら自分でやろう、と腹をくくったわけです。
チャンネル名に込めた、たったひとつの約束
発信を始めるにあたって、私は自分に対して小さな約束を立てました。それは、自分が実際に手を動かして確かめたこと、そして仕事のうえで価値があると胸を張って言えることだけを届ける、というものです。試してもいない便利そうなツールを、話題だからという理由だけで紹介するのはやめようと決めました。
スタートAI学長クリスのAI教室
チャンネルの名前に実践的であることを掲げたのは、その約束を毎回自分に思い出させるためでもあります。動画を作るときには、これは見てくれた人の明日を少しでも変えられる内容だろうか、と自分に問いかけるようにしています。胸を張って頷けないなら、無理に出すことはしない。地味に聞こえるかもしれませんが、この一線を守り続けることが、結果として見てくださる方との信頼につながると信じています。
難しく見せないことに、いちばん気を配っています
AIの話は、専門用語を並べれば簡単にそれらしく、賢そうに見せられます。でも私はその方向にはあえて進みませんでした。難しく語ることは、実は誰にでもできてしまう手軽な演出だと思っているからです。
本当に難しいのは、専門的な内容を、はじめて触れる人がその日のうちに真似できるところまで噛み砕くことのほうです。私自身も、最初からすらすら使いこなせたわけではなく、あちこちでつまずきながら少しずつ覚えてきました。だからこそ、どこで手が止まりやすいのか、どんな言葉なら腑に落ちるのかを、自分のこととして想像できます。詳しくなくても大丈夫だと繰り返し伝えているのは、決して気休めではなく、順を追ってやさしく示せば誰でも扱えるようになると考えているからです。
だから私は、一本の動画を作るときにも、専門家に褒められる完成度より、まったくの初心者が最後まで置いていかれないことを優先しています。言葉を一段やさしくすると、詳しい人からは物足りないと思われるかもしれません。それでも、いちばん助けを必要としている人にきちんと届くほうを、私はいつも選びます。難しさで距離を作るのではなく、やさしさで距離を縮める。この姿勢だけは、これからも変えるつもりはありません。
これから一緒に歩んでいきたい人へ
発信を続けるなかで、同じ手ごたえを分かち合える仲間の存在が、想像以上に大きな支えになると実感しています。私が求めているのは、最新であることそのものに酔うのではなく、目の前の誰かの仕事や暮らしがどう軽くなるかを本気で考えられる人です。派手な成果を焦って追いかけるより、地味でも確かな改善を積み重ねることに喜びを感じられる方となら、きっと良いものを作っていけると思っています。
AIはこれからも変わり続けます。だからこそ、流行に流されない自分なりの物差しを持つことが大切になります。本当に使えるかどうか、その一点を一緒に見極めながら、この価値を必要としている人へ届けていきたい。もし少しでも共感していただけたなら、ぜひ気軽に声をかけてください。ここから先の景色を、同じ視点で眺められる人に出会えることを楽しみにしています。