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上場メーカー、リクルート、ベンチャー取締役、フィンテックを経てCORDERに入社したのは、「持続可能な社会的意義のある事業に携わりたい」から。

今回お話を伺ったのは、2023年5月にCORDERへジョインし、マーケティングチームの責任者を務める篠原さん。彼は、これまで東証一部上場の化学メーカーやリクルート、離島ベンチャーでの取締役、フィンテックなどさまざまな業界、企業で経験を積んできています。

しかし建設業界に携わるのは、CORDERが初めて。名だたる企業で活躍してきた篠原さんがなぜCORDERにたどり着いたのか、何を大事にキャリアを積んできたのか、詳しく伺いました。


篠原 和平

東証一部上場の化学メーカー、株式会社リクルートマーケティングパートナーズを経て、東京から島根県の離島海士町(あまちょう)へ移住。離島ベンチャーでマーケティング責任者・取締役を経験し、フィンテックへ。マーケティング業務全般を担当する。2023年5月、株式会社CORDERへジョイン。マーケティングチームの責任者を務める。

人の生活を影で支えるような仕事に魅力を感じて、大手化学メーカーへ

ーーはじめに、1社目に化学メーカーを選ばれた理由を教えてください。

理由は2つです。1つ目は、日本の経済成長を支えてきたような歴史のある老舗企業に勤めたかったということ。普遍的なサラリーマンの世界を体感したいという興味がありました。

2つ目は、人の生活を影から支えるような産業に携わりたかったこと。表には出ないけれども人の生活に役立っている仕事にロマンを感じていました。

どちらにも当てはまる会社だったので、その化学メーカーに入社を決めました。

ーーどのような業務を行っていたんですか?

スマホや家電製品などに使われる素材の営業を行っていました。業界最大手の企業や誰もが知るような海外メーカーなどの担当者を相手に商談していました。また2、3ヶ月に1回は東南アジアや東アジアに海外出張で行って、英語でプレゼンをする機会もあって。異文化に触れられたのはとても面白かったです。

ーーそんな中、退職をされた背景を教えてください。

普遍的なサラリーマンの世界を経験したい!と入社したものの、「たぶんそのうち辞めるだろうな」と思っていました。案の定、あまり面白くなかったんですよね(笑)

2つ目は、営業のスタイルを変えたかったこと。所属していた化学メーカーでは接待が非常に多かったんです。私は人柄や情熱で売る営業スタイルよりも、顧客の課題を特定し、明確なソリューションを提供するようなロジカルな提案を得意としていたので、より活躍できる場があるのではと感じていました。

「幸せの総量を増やす」という理念に共感し、転職

ーーどうして転職先としてリクルートを選ばれたのですか?

ビジョンに惹かれたからです。リクルートマーケティングパートナーズ(現リクルート)のビジョンは「"しあわせの総量"が増えている世界を目指す」というものでした。

化学メーカーに所属していたときに海外に行って、現地の人たちがとても楽しそうに働いてるように見えたんです。一方で、日本ではみんな暗い顔をして、満員電車に乗って、嫌々仕事に行くような人が多いのを肌で感じていて。日本にもっとハッピーな人が増えればと思っていました。

ーー日本でも幸せに働ける人を増やせたらいいなという思いがあったわけですね。リクルートマーケティングパートナーズでの業務内容を教えてください。

主にブライダル領域の顧客のマーケティング課題を解決していく業務を行っていました。

「集客をどのように増やすか」「利益をどのようにあげるか」「人材不足をどのように解消するか」など、マーケティングを軸に経営課題の解決方法をクライアントと一緒に考えることもありましたね。

化学メーカーのときと比べると対応する業務範囲が広く、自由度高く働けていたので、自分に合っているなと感じていました。

ーー理念に惹かれて入社をされたと思うのですが、そこにギャップはありませんでしたか?

通常、クライアントの目標ギャップとしての課題、課題を解決する戦略・戦術・打ち手と設計していくわけなんですが、社内の目標数値達成のために打ち手先行をせざるを得ない場面が多く、そこが大きなギャップでした。打ち手先行だと自社の売上は上がっても、クライアントのマーケティング成果につながらず、果たして「幸せの総量」は増えているのか?と。当時、上司にも相談したのですが、「まあ、ビジョンは後付けだからね」と言われ、非常にショックだったのを覚えています。

自分の熱量がだんだんと低くなっていくのを感じていました。もっと本質的に人や社会を幸せにすることにコミットできる環境はないかと、違うキャリアを模索し始めました。その時にたまたま知り合ったのが、島根県の離島で起業をされた社長だったんです。

地方創生に携わるために離島ベンチャーへ。島民と触れ合い知った、本当の意味での相互扶助

ーーそれで離島ベンチャーで働かれることになったと。

その社長から地方創生がいかに社会的意義のあるものかという話をしてもらったんですよ。ソーシャルグッド領域で事業をしている企業を見たり、自分で起業することも考えたりしていたのですが、地方創生については一度も考えたことがありませんでした。

それまで東京で暮らしていて、地方に移住することは全く考えていなかったんです。だから本当に迷いました。ただ、自分が爺ちゃんになって死ぬときに、島に行く人生と東京に残る人生のどちらが後悔しないかと想像したら、絶対に島に行く人生だと思って。一念発起して島根県隠岐の海士町に移住をしました。

ーーすごい決断ですね。離島ベンチャーではどのようなことをされていたのですか?

入社してすぐ宿の経営を任されました。宿泊業界も未経験ではあったのですが、試行錯誤しながら1年後には赤字状態だった宿を黒字化することができ、その成果を認めてもらえてさまざまなプロジェクトに関わらせてもらいました。

例えば、ふるさと納税や隠岐の島全体の観光マーケティング関連の業務、島内のホテルのリブランディングプロジェクトなどです。勤めていた会社の取締役にも任命していただきました。

ーー実際に働かれて、社会的意義のある仕事だと感じましたか?

東京に住んでいるときは、社会に貢献できている実感はほとんどなかったんですよ。でも島に移住してからは、自分が行ったことの好影響がすごく見えやすかったんです。

例えば、宿を経営していたときには宿泊者が増えれば、それに付随して周辺の商店や観光事業者の売上も上がっていましたし、ふるさと納税のマーケティングがうまくいったときにはその原資を投資に回して新規事業を行おうという話が島内で出ていました。

自分の行っていることが島のためになっているんだなと実感できて、それが大きなやりがいにつながっていたと思います。

ーー小さなコミュニティだからこそ、貢献感を抱きやすかったと。

自分が居住しているのは、8世帯15人ぐらいの地区で、隣人が全員知り合いなんですよ。都会から移住してきているからか、とても気遣ってくれて。よく野菜や魚をおすそ分けしてくれるんです。

もらってばかりで申し訳ないなと思って、ある日お返しに行ったのですが「そんなお返しなんていらん!見返りが欲しくてやっているわけじゃないから、お返しなんてするなら二度とおすそわけやらん!」と言われて、衝撃を受けたんです。自分だったら心のどこかで見返りを期待してしまうなと。都会に毒されているな~と(笑)

見返りを求めずに自然と利他的な行動をする島の人たちを見て、なんて豊かなんだと思いました。こんなにあたたかい関係性が残るコミュニテイを失くしたくないという使命感に突き動かされ、地方創生の仕事に取り組んでいました。

ーーお話を伺っていると、篠原さんにとっては天職のような感じもしたのですが、辞めてしまうんですよね。

そうですね。3年ほど働いて、経営していた宿は安定的に黒字になっていましたし、携わっていた他の事業も波に乗ってきたような状態で、自分の中で一区切りついたなと思ったんです。

そろそろ新しい挑戦をしてもいいかもしれないと考えていたときに、知り合いのヘッドハンターからフィンテックのマーケティング領域で携わってみないかと、たまたま声をかけていただいて。事業に社会性が強く、これまで経験したことがないフィンテック業界、かつ島からフルリモートOKということもあり、そこにジョインしました。

社会的意義だけでは成り立たない。事業の持続可能性との両輪が必要

ーーフィンテック企業ではどのような業務をされていたのですか?

マーケティング領域にかかわる戦略立案から施策実行、経営企画系の業務など幅広く担当していました。クラウドファンディング領域の事業ということで、その社会性と「銀行融資も受けられないような個人の方にお金をめぐらせる」という企業の想いに共感していたんです。

一方で、クラウドファンディングはテイクレート型のビジネスモデルなので、できるだけ大きいプロジェクトだけを掲載してGMVを伸ばした方が儲かるんですよ。個人の方をターゲットとすると、小さいプロジェクトが多くなりGMVが小さくなってしまいます。社会的意義の強さと事業自体の持続可能性のバランスに苦悩していました。

社会的意義のあることをやっていても、利益が出ずに働いているメンバーに還元できなければ本末転倒だと思いますし、会社自体が継続できなくなる可能性もあります。一方でお金、利益だけを追うようなことはやりたくない。このバランスがすごく難しいなと。フィンテックを通じた経験で、事業の収益性は業界やビジネスモデルで決まってしまうと改めて痛感しました。

ーースカウトサイトで声をかけられたのがCORDERだった。

スカウトサイトには以前からずっと登録したままだったのですが、そんな中CORDERから声をかけられました。初めは「建設業界か…」という感じで放置していたのですが、何となく気になって調べてみると、「建設業界で働く人々を不合理から解放する」というミッションのもと、根深い業界課題に対してアプローチしている会社なんだなと。スカウト返信期限のギリギリ1時間前に返信したのを覚えています(笑)

役員陣とのカジュアル面談で、事業立ち上げの際に建設業界の100人以上にインタビューしたというのを聞き、顧客起点がベースにあるんだなと感じました。フィンテックにいたときはマーケターで顧客インタビューをやっている人は自分以外に一人もいなかったので、顧客起点の強さに魅力を感じていました。

また、事業の収益性も担保できそうだなと。CORDERのビジネスモデルはチャーンが少なく、リカーリング型です。課題が根深い建設業界の調達領域に対して、積算だけでなくSaaS系の新規プロダクトの開発も進めていて、社会的意義と事業の持続可能性の両輪を実現できるのではないかという期待もありました。

あとは当時、企業情報に「社員数3名」と書いてあって、シードフェーズで参画してみるのも面白そうだなと感じたのもCORDERを選んだ理由のひとつです。大企業からベンチャーまで経験してみて、小規模組織のほうが自分に合っていると感じていたので。

社会的意義と事業の持続可能性の両立ができている。「三方良し」の考え方で業界を構造から変えていく

ーー現在の業務内容を教えてください。

現在は、積算スキルを持つ業務委託・副業パートナーを集客するためのマーケティング戦略の立案・打ち手実行・効果検証や、事業全体のKPI設計・集計・予実管理などの経営企画関連の業務を行っています。入社したときにはマーケティング周りがあまり整理されていなかったので、チーム体制も含めて整備を行っていました。今後はパートナー(to C)関連だけでなく、建設会社(to B)の案件獲得に関わるマーケティングなども見ていく予定です。

ーーご自身の業務も社会的意義のあるものだと思われていますか?

社会的意義を感じていますね。複数のパートナーさんにインタビューさせてもらったのですが、積算という高度な専門的スキルを持っているにも関わらず、劣悪な環境・条件で働かれている方が多いんです。特にもともと給料が低いのに、残業規制によってさらに給料が下がったと不満を持たれていて。

そういった方々が積算スキルを生かして副業をできる場が世の中にないんです。マッチング要素が複雑すぎて普通のクラウドソーシングサイトなどでは案件がないからです。そのような方々がCORDER 積算代行クラウドにご登録いただくことで、副業や業務委託案件を獲得できます。「収入が上がったことで気持ちや生活に余裕が生まれた」「自分のスキルが通用するとわかり、今の会社をいつでも辞められると自信がついた」「フリーランスとして独立できた」といった嬉しい声をもらえたこともあります。

ーー業務を通して、パートナーに貢献できていると実感されていると。

そうです。CORDERには「All-win」というバリューがあります。いわゆる三方良しの考え方ですね。クライアント、パートナー、CORDERの3者やステークホルダーがハッピーになるような事業を目指しています。

関係者や自社がハッピーな状況になれば、それは建設業界にとっても好ましい構造です。そういった構造を作っていけるように、これからも事業を推進していきたいですね。

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