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MSWとして退院支援をする側から在宅医療の相談員として“迎える側”へ

社会福祉士を目指すきっかけは先生との出会い

私は大学を卒業後、全床急性期の病院でメディカルソーシャルワーカー(MSW)として、主に退院支援を行っておりました。3年目からは新人教育を任されスーパーバイザーとしてMSWの教育を行いました。自分自身のケースを抱えながらの教育は大変でしたが、新人の方と一緒に成長した日々でした。

社会福祉士の存在を初めて知ったのは、大学のオープンキャンパスでした。その大学では精神保健福祉士を専攻すると社会福祉士も取得できる制度となっていて、そこに魅力を感じ、どちらかの資格を取得し仕事にしたいと思い大学進学を決めました。大学進学後、精神保健福祉士の実習先が作業所と精神科単科の病院だったのですが、精神疾患を抱えている方とのコミュニケーションに難しさを感じてしまいました。一方で、社会福祉士の実習では特養の身体介助を経験し、お年寄りとの関わりが楽しいと思うことができ、その経験から社会福祉士として就職することを目標としました。結果としては両方の資格を取得することができました。

社会福祉士としての職場の中でも医療現場を目指したのは、大学の時に医療ソーシャルワーク実践論という授業を履修し、実際に勤務されているMSWの指導教員の面接技術を見たことがきかっけです。そこは特定の疾患に特化した珍しい形態の病院で、面接対象の方に合わせた特殊な面接技術も学ぶことができました。それ以外でも基本的なことにはなりますが正面に座ると威圧感を与えてしまうので対角線上に座るといった倫理に基づいた技術とMSWの専門性に魅力を感じました。医療は人生にとって切り離せない分野で、医療知識を身につけることによって、自分自身や家族の為にもなると思いMSWとして就職しました。

在宅医療の導入で見つめ直した支援の形

急性期病院への就職後、MSWの仕事に行き詰ったのが3年目でした。急性期の退院支援は在院日数を短縮するために出来るだけ早く退院をさせなければならず、1件1件細かいところまで考えが及びませんでした。退院後も肺炎や尿路感染症などですぐに戻ってきて入院する方が多く、自宅ではどのような生活をしているのだろうと気になりました。そんな日々の中で強く印象に残ったのが在宅への退院支援です。その方は入退院を繰り返していましたが、看護師や理学療法士、ケアマネジャーなど多職種で一緒に考えて訪問診療を導入し自宅に帰りました。何度か再入院がありましたが、その時目にした家族と訪問診療医の間には確かな信頼関係が構築されていました。その光景を目の当たりにしたことがきっかけで、在宅医療に興味を持ちました。そんな時に、病院の地域連携室のスタッフからときわの大宮在宅クリニックのパンフレットをいただき、ここなら自分の望む形を実現できると確信し転職を決意したのです。

さまざまな医療現場で学んだことを伝える側に

ときわに就職してから、病院と変わらない治療を在宅で行っていることにとても驚きました。患者数も多く、医療依存度の高い方を担当する機会も増え、難しいこともありますが同僚や先輩方のアドバイスをいただき学ぶことができています。全てのスタッフがどのケースでもまずは相談に乗り極力引き受けるという姿勢で、ときわの『患者ファースト』を常に目指している雰囲気を感じていて、私の目指していた一人ひとりに寄り添うという目標が実現できています。情報が少ない中でもアセスメントを繰り返して診療をすすめてくださる先生方にはとても感謝しています。

患者さんやご家族から「ありがとう」と感謝の気持ちをいただいた時に相談員としてのやりがいを感じます。また、退院前カンファレンスや担当者会議に参加し多職種で意見を述べ、患者さんにとって最善の支援をチームで行うときに刺激を受けます。病院とは違い在宅医療の現場には訪問看護師やケアマネジャーからの声をダイレクトにいただくこともできるので、自分の中でも教訓となります。現在、小児のケースを担当する機会も増え、高齢者への支援とは違った知識や経験を積むことができています。今後は、現状に満足せず周囲のサポートを行い、MSWとしての経験から学んだ知識を伝えていく側にも立つことを目指します。

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