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今、IT業界はどうなっているのか?

取締役 システム開発部 部長

山下 貴生

労働時間が長い。休みがとれない。ハードワークで体調を崩してしまう。いつの間にか、そんなイメージが定着してしまったIT業界は、働き改革でどうなったのか?手に職をつけられる。専門性を発揮できる。社会を便利にする。人に役立つ。世の中を変えられる。本来、たくさんの魅力にあふれた業界。その現状と、求められている人物像について感じることを、現役エンジニアでもある取締役の山下に語ってもらいました。


どういう職場を選ぶべきか

働き方改革が進み、以前と比べて仕事のやり方、進め方が業界全体で改善されてきたと感じます。もともと将来性のある業界で、手を職をつけれられる魅力がありますから、そのおかげで未経験からでもSEを目指す人が増えています

そして、この業界への転職を希望する人が通うプログラミングスクールも年々増加しています。そこで学んだ人と会うこともありますが、話してみると「大切なのは、そこではないのでは?」と、ちょっと違和感を感じることが多いです。

この仕事をするうえで大切なのは、フレームワークの使い方などではありません。もうちょっとこう、物事を概念的に捉えて、どういうふうにつくっていくか。そういうところを考えることだったりします。確かに、実装においてはフレームワークはいろいろな面倒を楽にしてくれます。しかし、それ以上でも以下でもない。フレームワークを覚えることが大事なわけではないのです。

フレームワークをいくら使っても本当に必要なスキルは上がらないのですが、そのあたりの認識がすごくおろそかになっている気がします。もちろん、そこをクリアしたうえでフレームワークの中身まで理解し、高いレベルで技術的な話ができる人もいますが、そういう方はごく少数です。

そうではない大多数の人が転職を考えるなら、もうちょっと違う視点で考えたほうが良いのではないか。学ぶべきこと、磨くべきスキルは何か。そこを正しく理解したうえで、より良い経験が積めるところを探して仕事場として選ぶべきではないか。そう感じことが多くあります。

「こういうフレームワークやツールで開発できる職場を希望します」。そういう具体的な話をする人が結構見受けられますが、大切なのは、そこではないはず。フレーワークを知ることも大事ですが、別の言語をやってきた人でも、経験が長ければたいがいの事には対応できます。学んで知っているからではありません。きちんと概念や原理を捉えることができている人は「Javaではこうだったけれど、C#ならおそらくこうなるだろう」と仮説立てて調べられます。

もちろん、作業効率や品質向上の観点では、フレームワークは極めて重要な要素です。ですが、単にそれを使うことで得られる学びは決して多くはありません。ですから、経験が浅いうちはあまり言語やフレームワーク、使用するツールにこだわるべきではないのでは?と、感じているのです。




業界全体で残業しない傾向

スカイネクストの中途採用は経験者が対象ですが、例外を一切認めないわけではありません。私自信が30歳を過ぎて未経験でIT業界に入りましたからね。きちんと勉強をして目指すのであれば、採用することはできます。そのかわり、未経験でそれなりに年齢を重ねているのであれば、危機感を持って、相応の勉強を自主的にする姿勢がなければ難しいと思います。かつて職業訓練校で学んでいた異業種出身の30歳前半の方が入社を希望されて面接でお会いしましたが、話の内容がすべてワークライフバランスに関する質問でした。さすがにその歳で興味のある事柄がそれだけでは「内定は出せないな」と思ってしまいました。

働き方改革が進み、業界全体で残業しない傾向になっていることはすごく良いことですし、会社はそうすべきだと思います。ただ、そこでできたゆとりを有効活用して、エンジニアはある程度の時間を勉強にあてるべきでしょう。月200時間も働いていると勉強する気もなくなりますから、ムリをせず、新しい知識を吸収をできるゆとりが生まれていることは、今、すごく恵まれていると思えます。




勉強するゆとり + 実践できる機会 + 幅広い経験

エンジニアの成長に必要な要素は、知識の吸収とその知識を実践できる環境です。知識は実践を通してはじめてスキルとして定着します。その際、吸収する知識を「フレームワークの使い方」のような浅いものに留めず、その仕組みや原理まで広げておくと、より高いレベルの実践の機会が訪れることがあります。それが極めて大きな成長の機会となることは、私自信の経験から胸を張って主張できます。

また、システムエンジニアにとってプログラミングは仕事の一部でしかありません。何を作るかを考える上流工程も重要な役割の範囲です。そしてこの両者は実は密接な関係にあります。「実装を考慮できていない設計」は実装段階でプログラムが複雑化して苦労することが多くなりますし、「設計の意図を汲み取れていない実装」は将来の変化や拡張に対応するのが難しくなりますからね。

そしてもう一つ、重要なのが運用の観点です。設計・実装時に運用が考慮されていないシステムは必要以上に手がかかり、運用コストが非常に高くなってしまいます。開発を主とするエンジニアでも、一度は運用の経験を積んでおくべきでしょう。

・残業が少なく、勉強するゆとりが持てる
・学んだことを実践する機会を与えてもらえる
・上流から下流まで、幅広く経験できる

エンジニアが自信の成長を考えたとき、選ぶべきはそんな職場ではないでしょうか?


変化を恐れず、挑戦するマインド

今、私たちの会社には、コミュニケーションとるのが好きなタイプがたくさんいて、多くの社員が「SESをやりたい」と言っています。いつも同じ顔ぶれでなく、環境がかわり、これまでとは違う人たちと仕事するだけで刺激があるし、面白い。そう思える人が増えているのです。

開発言語も、ひとつだけでなく、ある程度のタイミングで違う言語を使うプロジェクトに携わりたいと希望する社員が増えています。しっかりと基礎が出来ているエンジニアであれば、やってみれば同じようにできるようになるし、成長できます。いろいろ経験してもらえるチャンスは、ぜひつくっていきたいですね。ツールの使い方などは、リファレンスをちょっと見ればわかるようになります。そこで何が必要かというと、知識を抽象化して概念的に捉える力。それをきちんと身に付けることが大切なのです。具体的な理解が求められる場合もありますが、やはり基本的には抽象化した捉え方をすることで、活用できる知識になります。具体的すぎるのは、ぴったり合わないと適用できない知識といえるでしょう。抽象化して本質を捉える。そのスキルが身に付くことがSEとして価値のあることだと思います。

他人とのコミュニケーションを不得手としている人は、変化を好まず同じ場所に留まりがちですが、それは成長の足枷にもなってしまいます。スカイネクストの採用では、「論理的に考える力」と同じぐらい、「コミュニケーションを大切にしているか」を重視しています。学生時代の専攻で合否を判断することはありませんが、結果的に文系出身者が多くなっているのは、そのためかもしれません。

大きい会社は分業制の開発で、プロジェクトの規模は大きくても関わる工程や担う役割が限定的です。
また、小さなSESだけの会社は上流工程に関わる機会が得られないこともあります。
そして自社サービスだけのベンチャーも、次々に新しいサービスを立ち上げられるレベルになければ、軌道に乗ったサービスをメンテナンスする仕事しかなく、幅広い経験を積むのは難しいでしょう。

私たちの会社は、企画、設計から開発、実装、テスト、運用、エンハンスや機能追加まで一貫して携われる案件が多く、抽象化・概念化のスキルが鍛えられます。入社後にできる経験は、会社によって違います。その点を踏まえて、よく考えたうえで、転職先を選んでいただけると良いでしょうね。


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