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エンジニア→起業という選択 サービス開発者のリアルなキャリア[イベントレポート]

2022年7月1日(金)build weekend主催【エンジニア→起業という選択 サービス開発者のリアルなキャリア】が開催され、代表・小寺が登壇しました!

「開発者がサービスを作ることで、どうキャリアが変わっていったか?」というテーマで、新規サービス企画・開発・運営の事例に基づくリアルなトークが繰り広げられました。

参加者は、サービス開発に意欲的な現役エンジニアや、新規事業開発に関わる各部門関係者。イベントの最中では、登壇者と参加者のあいだで積極的な掛け合いも生まれました。

ここでは当日の内容を、イベントレポートとしてお届けします!

サービス・プロダクト開発者としての生きがい

【登壇者】エッグフォワード株式会社 Chief Innovation Officer 山本大策
新卒で銀行系SEとして入社後、複数社でのエンジニア経験を経て、2012年株式会社レレレを設立。新規サービス「CoffeeMeeting」や「TimeTicket」の運営を手掛ける。レレレ譲渡後、2020年よりエッグフォワード株式会社Chief Innovation Officerとして参画。これまで開発したサービスを通して出会った人は累計10万人を超える。build weekend 主催者

自分の好き・得意をずっとやり続ける

山本:まず私のキャリアで一貫して言えるのは、「好き」や「得意」をずっとやり続けてきたことです。今日は年齢の若い方が多いですが、当時の私も「自分の手で何かを作り出したい」と思っていました。働いていると誰かに言われた仕事を淡々とこなす場面もあると思います。ただ私の場合、自分でサービスを企画・立ち上げたいという想いが強かったため、そうした経験が得られる会社を経たり、自分で会社を興したりもしてきました。

サービス作りにおいて重要なのは、自分の関心や趣味を次(サービス作り)につなげる意識です。サービス作りをイメージで例えると、「アイデア・技術・情熱」を土台に「知識・経験」や「影響力」をまるで三角形を作るように積み上げていきます。サービスを成長させる過程においては、この三角形をどんどん大きくしていきます。要は、企画をしたらリリースを出して、結果を検証する。これらを何度も何度も繰り返すことです。

身の回りを観察しながら自分の関心事に気づく

そもそものアイデアの元となる問題点の見つけ方は、自分が好き・得意なこと、そして世の中の人が求めているものの”接点”を見つけることです。やはり前提として、自分が夢中になれずに途中で飽きてしまうと、プロダクトの成長も止まります。きちんと自己分析をした上で、自分が本当に好きなものは何なのか?それを突き詰め考えることです。

また、自分が日々感じたことはメモに書きとどめたり、身近な人のSNS投稿から問題の種を探すのも効果的です。そして、寝かせたアイデアが頭から離れなくなったら、サービス作りを始めるタイミングです。


ちなみに、問題が見つかったあとにどんな方法で解決するのかは、結構難しいポイントです。これは「ユニークな機能+フック」が大事かなと思います。例えば、意外性・物語性があって、自分ごと化できる根源的魅力があるかどうか、これらがユニークなフックを生む要素となります。

最近ではSNSでシェアする人に、面白いことやみんなが知らないことを投稿して、”いいことをしている自分を魅せたい”という心理があるようです。実際、株式会社レレレで個人の時間を売買するサービス「TIME TICKET」を作った際には、Facebookでインプレッションが860,648件ほどありました。これも、世の中にまだない新しいサービスをシェアしたいという心理に基づくものだと思います。

ユーザーの声にきちんと耳を傾けることが、開発し続ける秘訣

とはいえサービスリリース以降、ユーザーが会員登録してくれるかはまた別問題です。たった一秒だけ目を通して終わりという方も多くいます。

リリース後の重要なことは、自分のサービスを使ってユーザーの声を知ることだと思います。2012年に開発したマッチングサービス「CoffeeMeeting 」では、私はいまだに350人以上と繋がっており、実際に会った方々も沢山います。このようにユーザーの声に耳を傾け続けることが、開発者として長く作り続けられる秘訣かと思います。つまり、体験を作ったらそのあとの習慣作りをすることが大切なのです。

今回は成功できたケースをお話していますが、もちろんその倍くらいは失敗もしています。失敗した時には、なぜ失敗したのかを観察・学習した上で、自分ならいつかは成長する!と信じて突き進むことです。

サービス開発者としての生きがい

最後に、サービスを作る意義とは、まず自分で何をやるか意思決定して、ルールが決められることがあります。また、自分の作った価値を世の中に生み出す体験ができますし、きっとそのサービスは必要としてくれる誰かの手に届くはずです。

ちなみに、最近はノーコードでモバイルアプリが作れる「AppVanilla(アップバニラ)」というサービスをリリースしました。コードが書けない方でも簡単にアプリが作れるため、是非試してみてください!

あるサービス開発者のキャリア


【登壇者】株式会社ラジコード 代表取締役 小寺裕貴
1985年生まれ。大学卒業後、新卒でベンチャー企業へ。一人目のエンジニアだったため、制作に関わる部分は一人でこなすようになる。フリーランスとして、書籍電子化サービスなど複数の事業立ち上げに携わった後、チームでより良いサービス開発をするためにラジコード創業。

サービス開発の原点は、日常生活の不便を解消すること

小寺:今日みなさんにお話したいのは、サービス開発者としてのキャリアで”失敗”した出来事と、そこから得た学びです。

なぜ”失敗”に焦点を当てるのか。それは、事業開発の成功は偶然や市場の動向といった偶然の産物が重なり合うケースがある一方、失敗はそこから再現性を見つけられるためです。「成功はアート、失敗はサイエンス※」という言葉もありますが、今回私がした失敗を皆さんにシェアすることで、何かしらの学びとして持ち帰り、役立てて頂けたら幸いです。

早速ですが、私は学生の頃からゲーム開発やソフトウェア開発にのめり込んでいました。当時から「日常生活の不便なことを解消したい!」と感じていたところがあり、それがサービス開発に乗り出す原点でした。たとえ既存のものであっても、より良くするためにはどうしたらいいか?そんな風に考えると、アイデアは意外と沢山生まれるものです。

失敗に関していうと、当時の自分は「アイデアが思い浮かばないから作らない」と斜に構えていた部分があったことです。まずは小さいものでも作ってみるという体験をすれば、後々オリジナリティの部分も出していけるものですよね。

「起業の科学~スタートアップサイエンス~」田所 雅之

”一人目のエンジニア”を経て独立、チームの大切さを知る

大学卒業後は、IT企業のエンジニアとして入社します。ベンチャーだったこともあり、はじめから大きな裁量を任せられる環境でした。サーバーを作るのは当たり前で、他にもロボット開発するなど、とにかく何でもやりました。忙しいながらも、自分ごとでプロダクト開発に関われることに楽しさを感じました。しかし、たった一人のエンジニアであったことから、一人でできることの限界にも気づきます。サービスを成長させるためには、それを支えるチームが必要だったのです。

その後はフリーランスとして独立し、FinTech・プラットフォームサービス・旅行・アプリ開発等の案件に携わります。当時は「サービスを作れるエンジニアってえらいぞ」と生意気に考えていたところがありました。けれど、一旦サービスを作ったらそれを広げる段階でほかの職種の人達が必要ですよね。ですから、エンジニアとビジネスサイドを繋ぐ言葉を作らないといけないことに気づきます。従って学びとしては、サービスの成長は人々の助けがあってこそ実現するものであり、且つ続けられる仕組みを作ることが大切だということです。

持続可能なサービス開発には組織であることが理想

持続可能なサービスであるためには、具体的にキャッシュフローを考慮してサービス設計しなければなりません。フリーランス時代は、楽しいかどうかを起点に気の合うメンバーを募ることもありました。ギルド同士で瞬時に集まって、目的達成したら解散するみたいな、そんな組織に憧れがありました。

ただプロジェクトが進行する中で、上手く立ち行かない場面がありますよね。そうすると、メンバーのモチベーションも低下するし、サービス開発は当然上手くいきません。これはフリーランス時代に幾度となく失敗を経験し、痛感したことでした。

ギルドが難しいのであれば、きちんと組織として並走してくれる仲間が必要だよね、と気づき2013年にラジコードを立ち上げ、現在に至ります。

メンバーが参照できる地図を描き、信頼関係を築く

会社というチームで運営する以上、ある程度は会社・組織っぽくする必要があります。ただ自分のよくないクセで「自分ができることは全部やる」という思考にどうしても陥りがちです。しかしそれでは会社がスケールしないため、メンバーが参照できる地図をきちんと作り、分かるように指し示すことが重要だということを学びました。

なおラジコードは、新規事業開発に携わる仕事柄、そのプロセスが属人化しがちです。属人化自体は悪いことではないですが、ナレッジをためたらきちんとメンバーにも再分散することと、それをお願いできる信頼関係を築くことが大切です。

最後に、エンジニア出身のサービス開発者としてお伝えしたいのは、自分の得意なこと・興味のあることだけに目を向けるのではなく、サービスを育てるという目線で「やれることはなんでもやる」ことです。そういう姿勢でいると、より仕事が面白くなるのではないでしょうか。

参加者の声

ここでは、イベント終了後に寄せられた参加者の感想を一部ご紹介します。

「印象に残ったのは、小さなものをまず作ってみればいいよというお話です。最初から大きいものを作ろうとして手が届かないと感じてしまうことがありますが、まずは少しずつ作ってみようと思えました。」(20代・男性)

「起業の本を色々読んでみるものの、なかなか走り出せませんでした。ただ今日のお話を聞いて、明日からまず動いてみようかなという気持ちになれました。」( 30代・女性)

「私は割と頭で考えることが多いのですが、実際に自分でサービスを作った方々のお話を聞き、こういう感じで動けば良いんだというのが具体的に分かりました。」(30代・男性)



まとめ

「開発者がサービスを作ることで、どうキャリアが変わっていったか?」というテーマでお送りした今回のイベント。会の最中では、参加者からさまざまな質問が飛び交い、当初予定していたタイムテーブルの枠を大幅に超える結果に。登壇者と参加者の距離が近い、非常に密度の濃いイベントとなりました。

今回の内容が、参加者ならびに記事読者のみなさんにとって、何かしらのヒントが得られるものであれば幸いです。

関連情報

▼イベント内容は、以下「PROTOTYPE.FM」からもお聞きいただけます

https://www.prototype.fm/93

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