JP楽天ロジスティクス(JPRL)において、物流の未来を展望し、新たな価値を創造し続ける組織が「RSLオペレーション企画運営グループ」です。
現場のリアルな運用実態を深く把握した上で、試行錯誤を繰り返し、常に新しい仕組みを構築し続ける。
今回は、全く別の部署から異動し、この難解なミッションに挑んでいる2名にインタビューを敢行。
物流を動かす「頭脳」として、彼らが日々どのような難問と向き合い、最適解を導き出しているのか。その思考のプロセスと、仕事の醍醐味に迫りました。
■ プロフィール
山口さん(写真左)
入社後はオペレーション(現場)を担当し、最前線で物流のリアルを体感。その後、現在の部署へ異動。「現場の痛みがわかる」視点と高い突破力を活かし、地に足のついた企画・改善を推進している。
古川さん(写真右)
入社後は新しいサービスをローンチする上流の企画工程を担当。その後、現在の部署へ異動。「言葉の定義」までこだわる緻密な分析力と、多様なステークホルダーをまとめ上げるベテランならではの調整力が武器。
仕組みの「交通整理」と「アップデート」を担う
まず初めに、お二人が所属する「オペレーション企画運営グループ」のミッションについて、改めて教えていただけますか?
山口: 私たちのミッションは、大きく3つあります。1つ目は、我々が関わっている楽天の物流サービスである「RSL(楽天スーパーロジスティクス)」全体を横串で俯瞰し、拠点単体では生み出せない価値を創造すること。2つ目は、楽天とJPRLの双方で、PL(損益)や品質向上につながる改善をすること。そして3つ目が、コストと品質が安定したサービスを供給する仕組みを創ることです。
古川: 噛み砕いて言うと、「仕組みの交通整理とアップデート」をする仕事ですね。
社内や社外に「今、こういう運用フローがありますよ」と提示して、それが本当に機能しているかをチェックする。さらに、「今のルールって本当にこれでいいんだっけ? もっとこうした方がみんなハッピーじゃない?」と考えて、新しい仕組みを創っていくのが私たちの役割です。
現場と企画、異なる視点を統合する強み
お二人は社内異動で現在の部署に来られていますが、以前の部署(現場や上流の企画)での経験は、今の業務にどう影響していますか?
山口: 私は現場(オペレーション)から異動してきたのですが、現場は物流の最前線として物理的に動くタスクが中心でした。今の部署は「気を使う対象(ステークホルダー)」が格段に増えたので、頭にかく汗の量は今の方が多いですね。現場の実態を知っているからこそ、地に足のついた企画ができる点は強みになっていると思います。
古川: 私は以前、新しいサービスを企画・ローンチする上流の部署にいました。その頃は「新しいものを創って稼働させる」までの大変さでしたが、今は「それを実際に回して、効果を測定して、評価・調整する」という実運用の部分を担うので、大変さの質が違います。
新しい構想と、現場の「実態」。このギャップをどう埋めるか、実効性のある形に落とし込んでいくのが一番苦労するところですね。
異なる立場をまとめ上げ、全体の最適解を導き出す
この仕事をしていて、最も難易度が高い、あるいは「企画職として一番手応えを感じる」瞬間はどんな時ですか?
山口: テクニカルな意味で一番難しいのは、「複数のステークホルダーが抱える利害の板挟み」を解くことですね。
例えば、荷物の「サイズ計測の運用を見直そう」というプロジェクトがあったとします。
私たちJPRLとしての事業成長はもちろんですが、楽天グループとしての事業戦略があり、荷主である店舗様が求めるコストメリットもあります。さらに、実際に配送を担ってくださるパートナー企業様のオペレーション事情も考慮しなければなりません。
古川: このように「それぞれの異なる立場」がある中で、一つの仕組みを創ろうとすると、あっちを立てればこっちが立たず…という状態になります。方程式のように「これをやれば最大値が出ます」という単純な正解が存在しないんです。
山口: 数字だけこねくり回しても机上の空論になってしまう。だからこそ、みんなのベクトルを同じ方向に向けて、「ここなら納得できるよね」という最適解を見つけ出し、推し進める。その「リーダーシップ」と「調整」が一番痺れるところであり、この仕事の最大の面白さです。
現場の言葉を「翻訳」し、周りを巻き込めるか
正解のない問いに向き合う部署ですが、これから新しく入る方には、どんなスキルやマインドを求めますか?
山口: やっぱり「ロジカルに考えられて、かつ周りを巻き込める人」ですね。この仕事は、一人でPCに向かっていても絶対に完結しません。関係各所とコミュニケーションを取りながら、推進力を持ってゴールへ向かえる人がいいです。
古川: 私は「好奇心旺盛で、言葉の翻訳ができる人」を挙げたいです。
「現場」の人が重視するポイントと、「企画や経営層」が重視するポイントって全く違うんです。同じ言葉を使っていても、現場にとっては「残りの2割のニュアンス」が死活問題だったりする。
その「現場の言葉」と「経営の言葉」の掛け違いに気づき、咀嚼して、双方に正しくアウトプットできる人が向いていると思います。
山口: あと、完璧主義すぎる人は辛いかもしれません。
古川: おっしゃる通りです。時間をかけて「100点満点の完璧な正解」を1つ出すより、「まずは60点でもスピーディーに実行に移し、走りながら改善を繰り返して全体の価値を最大化していく」という考え方ができる人。そういう、行動量と改善の“積み上げ”で評価できる人の方が、この部署には確実に合っていると思います。
未完成だからこそ面白い。ゼロから仕組みを創り上げる環境
最後に、今のJPRLの課題と、今後の展望について教えてください。
山口: 課題としては、会社が次のフェーズに進むにあたり、あらためて「誰がお客さまなのか」「お客さまにどういったサービス(付加価値)を提供していくのか」という点に向き合い直す必要があることでしょうか。
今は部署や立場によって、向いている方向が違ってしまうことがあります。だからこそ、こうしたミッションやビジョンがもっと浸透して目線が揃えば、迷った時に進むべき道が分かりやすくなると思います。
古川: 確かに、まだ未整理な部分や、整備されていない業務プロセスはたくさんあります。
でも、裏を返せば、それって「新しいものを自分たちで創る余地が無限にある」ということなんです。
既存の大手企業なら「決まった枠組みの中で回せばいい」となるところを、この会社では「自分たちで創らなければいけない」。だからこそ、自分で考えて創り上げたことがダイレクトに評価されます。
そういう意味では、「ゼロから仕組みを創りたい人」にとっては、ものすごく恵まれた面白い環境だと思います。
【編集後記】
笑いを交えながらも、現場に即した本質的なビジネス論を展開してくれたお二人。
「完璧を待つより、まずは実行し改善を重ねていく」という言葉の通り、正解のない物流の世界で粘り強く最適解を模索する姿は、まさにJPRLを牽引する「頭脳」でした。
これからもJPRLは、現場と経営を繋ぐ力強いメンバーとともに、より良い物流の仕組みづくりに挑戦し続けていきます。