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医療の質を向上させるためのカギは「PX(Patient Experience)」にある!

こんにちは、広報課の北村です。

「CX(Customer Experience ―カスタマー・エクスペリエンス)」という言葉をご存じでしょうか。一般的な商品やサービスを提供する企業では、事業や経営戦略における重要な要素として、CXを取り入れているところも多いのではないでしょうか。


医療においても、「PX(Patient Experience ―ペイシェント・エクスペリエンス)」という言葉が重要視されるようになってきました。PXとは、「患者経験価値」と定義されており、患者さんが医療機関でケアやサービスを受ける中で経験する全ての事象を包括した概念です。
複雑な健康問題を抱える患者さんが増加する中、1人ひとりの患者さんの医療やQOLに対する考え方・価値観に基づいて、それぞれに最適なケアや医療サービスを提供することが重視されています。これまで日本の医療現場では、「PS(Patient Satisfaction:患者満足度)」を調査することが一般的でしたが、「評価項目が標準化されていない」、「抽象的な質問に対して患者さんの主観に応じた回答がされがち」、といった問題点がありました。PXサーベイでは、標準化された指標に基づいて、具体的かつ客観的な設問が患者さんに提供されるので、患者さん中心の医療サービスへの改善につなげやすいのです。


そんなPXを推進する団体「日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会(PX研究会)」に、当グループのIT・広報課 古川も所属しています。彼は、隔月に開催されているPX研究会主催の勉強会に参加していて、医療の質に関する講演やPXサーベイの報告会対応を研究会のメンバーと実施しています。先日、PX研究会が主催の「第2回 PXフォーラム PXの進化と真価 〜令和の医療を築く〜」にて、古川が当院の取り組みについて発表してまいりました。私も上司である古川の発表を聴くために参加しましたが、PXに関する概論から、今後のPXのあり方についてまで、さまざまな医療関係者の方からの発表を聴講することができて、とても有意義な時間となりました。


古川は、今回のPXフォーラムで、主に以下の3点について当院の事例を発表しました。
・当グループがPXサーベイを実施することになった経緯
・iPadを用いたサーベイの実施方法
・サーベイの結果と結果を踏まえた改善行動について
当グループでは、以前から「医療の質」をいかに向上させるかを課題として取り組んできました。医療の質は、疾患の治癒率や平均在院日数、抗生剤の適正使用率などの医療技術的な数値だけではなく、より包括的に、患者さんが医療機関との関わりの中で、どの程度満足できたかで決まっていくものです。「患者さんがどの程度満足できたか」を測る指標としてPXが有用であることを、古川が医療の質向上のための会議で説明したことで、当グループでもPXサーベイを採用することになりました。
紙のサーベイ用紙を用いている医療機関が多い中、当グループでは患者さんにiPadをお渡しし、サーベイをシステム化して対応しています。システム化することで、データの集計や管理が容易で、スタッフへの負担も軽減できます。


2019年6月から10月中旬までで、入院患者さんにサーベイを行い、回収率は全体の85%でした。全体的な満足度評価としては、88.3%の方が自身の入院経験に満足したという結果が出ています。それぞれの質問項目で、悪い回答を選択した割合が10%以上あるものについては、それぞれ分析・検討を行いました。たとえば、「夜間、他の患者による騒音があったかどうか」の質問項目について、結果を部屋別で集計してみると、特に悪い回答の多かった部屋がいくつかありました。たとえば、若い男性患者さんに入院していただく部屋や、隣がシャワー室の部屋など、確かに騒音が気になりそうな要因のある部屋ばかりでした。この結果を受けて、これらの部屋に入院される患者さんには、入院説明の際に騒音の可能性についてお伝えするようにし、実際に騒音で困っている患者さんに対してはノイズキャンセリングイヤホンをお貸しするなどの対応をするようにしました。


当グループでは、患者さんに最高の医療を提供するだけでなく、より良い患者体験をしていただくために、事務部門の職員も、問題発見・解決のために積極的に取り組んでいます。病院などの医療機関で働くのは医師や看護師だけではありません!患者さんの幸せやQOL向上に直結する、やりがいのある仕事に、一緒に取り組んでみませんか?

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