1
/
5

Microsoft Japan Partner of the Year2020受賞!CTO渡邊とCOO岡部が、開発中ソリューション「TraISARE」にかける思いを語る。

 この度、MaaS Tech Japan(以下、MTJ)は日本マイクロソフト株式会社(以下、日本マイクロソフト)の「マイクロソフト ジャパン パートナー オブ ザ イヤー 2020」において、「Transportation, Logistics, Construction & Real Estate アワード」を受賞しました。
 *アワード概要および受賞理由等詳細はこちら

 そこで今回、受賞の背景やMTJの開発中ソリューションについて、CTOの渡邊とCOO /事業開発統括の岡部に話を聞きました。

まず、今回の受賞についてひとことずつお願いします

渡邊:昨年のMaaS 領域のリファレンスアーキテクチャ策定から始まりましたが、システムだけでなく、MaaSのサービス開発を行う前段階として実施されたワークショップから関わる事ができ、また、今回このような賞をいただけたことは大変光栄に思います。

岡部:MaaS分野は今盛り上がりつつありますが、市場でいうとまだ創成期です。その中でリファレンスアーキテクチャというMaaSを支えるシステムの定義から参画できたのは大きな意義がありますし、MaaSの社会実装に貢献できたことは非常に嬉しいです。


現在MTJで開発を進めるソリューションについて教えてください

渡邊:現在、3つのコンポーネントの実装を進めています。1つ目がMaaSアプリケーションの開発。2つ目がMaaSコントローラーと我々は呼んでいますが、これはユーザーが使用するアプリから情報を収集・分析し、また将来的にはアプリケーションへの別経路のレコメンデーションなどにより交通の最適化を行うことを目的とするものです。3つ目が、それらに使用する全てのデータを統合的に扱うためのデータ基盤、MaaSビッグデータソリューション「移動情報統合データ基盤(TraISARE:トレイザー)」です。


アワードの選考基準は「技術の先進性や、マーケットのインパクト、独創性など」とのことですが、開発中ソリューションのどこが評価されたとお考えですか?

岡部:2つありまして、まず1つは今回の受賞要因にもなった日本マイクロソフト様と一緒に作ったリファレンスアーキテクチャです。これによって様々な事業者がMaaSに取り組みやすくなるので、裾野を広げたという点で業界にも貢献できたのではないかと思っています。もう1つは、やはりMTJの一番の強みであるMaaSデータ統合基盤「TraISARE」ですね。


 他業界に比べ、交通分野はこれまでデータの活用があまり進んでこなかったように思います。それがUberやDiDiの登場で、データ活用によるタクシー配車の最適化やダイナミックプライシングが可能になりました。
 このように、今後MaaSが発展していくためには、鉄道やバスなど様々なモビリティに関わるデータの統合が不可欠になります。既存の鉄道会社の運行システムのデータと新しいモビリティサービスのデータの両方が扱えて、かつ分析できるデータ統合基盤は非常にインパクトがあるはずです。


 MaaSの技術的なイネーブラーとしてだけではなく、スマートシティやDXなど、街の交通の最適化を進めるために必要なコンポーネントだと考えています。

渡邊:日本では交通に関するデータは各交通事業者が保有・管理しているため、データの形式などが揃っていません。そのため電車とバス、タクシーなどのデータと混雑や人の移動などのデータを統合して扱うには、使う側がデータの前処理に多くの時間とコストをかける必要があります。
 我々が開発している「TraISARE」を活用すれば、従来のように前処理部分に膨大な手間を掛けること無く、一気通貫で、移動に関するデータを利活用できるようになるので、ここが優れた点であると思っています。

MaaSを社会実装する上で重要なこと、または課題は何でしょうか?

渡邊:今後、様々なデータが揃ってくるとAIを活用して人の移動やダイナミックプライシングの予測をするといった動きが出てくると思います。日本ではオペレーションや運用管理を民間の交通事業者が担ってきたため、交通データについても、海外ではパブリックなものだという認識のものを数多くありますが、日本では各事業者毎の考え方や方針があります。MaaSでは全ての交通を横断して利用できるサービスが大前提なので、各事業者の方針を考慮した上でシステム構築する必要がありますが、これはかなり難しいですね。

岡部:一口にMaaSの実現といっても、自治体や企業・地域毎に社会的な目標値はそれぞれ異なります。例えば、東京なら混雑と移動をいかに両立するか、地方なら地域の交通をどうサスティナブルに維持していくか、観光地なら回遊を増やして消費を促すかなど目的も課題も違いますし、それをどう実現するかもそれぞれです。


 ただ、目的はどうあれ、課題解決への第1ステップとして、正確な現状把握というものが絶対に必要だと思います。そのためには地域の既存交通の運行データを集めて一元的に見えるようにし、分析することは必要不可欠ですし、その次のステップでMaaSを通じて問題を解決し、最適化の実現に向けて働きかけていくことになります。


 電車とタクシーとバスなど、フォーマットも形式も全く違うデータを一元的に可視化することは非常に重要で価値のあることですし、まさに社会のデータ基盤を作っているとも言えると思います。

MTJのソリューションについて、自治体や企業の反応はいかがですか?

岡部:我々のビジョンやソリューションは、MaaSという新しいことに取り組みたいという意欲や先進的な考えをお持ちの方には共感いただいているのかなと感じています。

殆どの場合がアプリ開発を思い浮かべながら「MaaSで何かやってみたい」とお問い合わせを頂きますが、お客様の現状や要望などを伺っていくと、徐々にお客様の潜在的なニーズが見えてくるんですよね。実際、最初はアプリ開発からスタートしたプロジェクトも、TraISAREなどMTJのソリューションについて説明したところ、「そういうことができるのならMaaSのデータ蓄積・分析をやりたい」とオーダーが変わったというケースもありました。

MTJはMaaSアプリ開発会社だと思われがちですが、我々が重きを置いて取り組んでいるのはデータ統合基盤です。なので「地域でこういうアプリ作ってる」という話があれば、競合というよりはむしろ協力できることもあるはずで、MTJは様々なアプリ開発企業と連携できる立ち位置にいるのではないかと思っています。

お二人がMTJのソリューション開発を通じて目指している世界観は?

渡邊:最終的には都市のシミュレーションをして、その結果を現実にフィードバックすることをやりたいです。端的でいうと現実世界の「シムシティ」の実現ですね(笑)
 我々が扱うのは交通と人の移動データなので、混雑のシミュレーションはできると思いますが、さらに現実の都市に近づけるなら、商取引や電気の使用量、農作物の取れ高や市場予測、株式などの金融系データと連携する必要が今後出てくると思います。
 まずは交通データという分野だけでもきちんとデータを統一して一様に表現できるようにしておけば、他の業界や分野とも連携しやすくなるでしょうし、リアルなシムシティの実現に一歩近づけるのかなと思っています。

岡部:シムシティの実現(笑)。ご存知ない方もいらっしゃるかもしれませんが、シムシティは街の中に道路を作ったり、鉄道を走らせたり、ビルを建てたりして街をつくるシミュレーションゲームです。
 私は、今の街の状態をデータで一元的に見て、それを元に、課題解決のためにバス網の減増を変えたり、運行形態変えたり、新しいモビリティを導入したりといった施策を取ることで、街の不最適の是正に貢献ができればいいなと思っています。

MTJの仕事の中で、やり甲斐を感じるポイントがあれば教えてください

岡部:前職のコンサルティングの仕事では課題に対して解決策を考え、提案するところまでが仕事の範囲で、街に実際にプロダクトを入れるという経験をしたことがありませんでした。それが今は、自治体と連携して地域に入り込み、また企業のプロジェクトに入って課題解決の手段としてソリューションを提案し、活用していただいています。今はまだ実証実験中なので、効果が出てくるのはこれからですが、こういう関わり方は今までの仕事ではやったことがないので、非常に面白いです。
 実際に自分たちでプロダクトを持って、それで要件作り、社会実装していくプロセスに直接的にかかわれることは、とても貴重な経験だと思っています。
 あとは、交通分野がレガシー的な産業ということで、不最適なところ、これから変われる余地のような部分がたくさんあると思うので、これは非常にやり甲斐を感じる部分でもありますね。

渡邊:そこは私も近いかもしれないですね。交通系の最適化はまだ途上ではないかと思っているので、まだ入り込む余地がありそうだし、何かできそうだ、と前職の研究所の時から思っていました。

最後に、今後の展開を教えてください

岡部:対外的に発表しているプロジェクトとしては、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業と、経済産業省と国土交通省によるスマートモビリティチャレンジの2つが具体的に進んでいます。NEDOの助成事業は2019年〜2021年の3年間の計画ですが、去年から開発を進めてきた「移動情報統合データ基盤」を2020年度末までにはα版として何かしらの成果を公開できないかと考えています。
 スマートモビリティチャレンジは、広島県でモビリティデータ連携基盤プロジェクトの実証実験を予定しています。現在スケジュール調整中ですが、おそらく2020年度下期には成果としてお見せできるのではないかと思います。

以上、最後までお読みくださりありがとうございました。
MaaS Tech Japan で開発を進める移動情報統合データ基盤「TraISARE」の詳細はこちらです。
ご興味持っていただけましたらお問合せください!

株式会社MaaS Tech Japan's job postings
5 Likes
5 Likes

Weekly ranking

Show other rankings