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真の「スマートモビリティプランナー」として人々の移動が最適化される社会をつくりたい。

 本日は、MaaS Tech Japan(以下MTJ)にこの夏事業開発メンバーとしてジョインした 大﨑 拓哉をご紹介します。交通計画を専門とし、入社後すぐに様々なプロジェクトの中核メンバーの一人として活躍中の大﨑。その経歴と、現在の業務内容、そして将来の夢を語ります。

 株式会社MaaS Tech Japan 事業開発 大﨑 拓哉


これまでの経歴を教えてください。

大﨑:交通計画という学問に出会ったのは大学生の頃です。元々は都市空間のデザインに興味があったので、いわゆるプランニングやデザイン系を目指しており、講義の一環としてランドスケープデザインを受講してみたら自分のやりたかったこととは少し違っていて。それで研究室選びの時に、都市計画・交通計画を専門とする先生の元に配属になったのがきかっけです。正直、その頃は「交通計画って何?」くらいのイメージでした。

 学生時代は、住宅地を通過する“抜け道交通”と呼ばれる、交通事故の潜在要素として自治体などが危険視をしている交通現象について、都市構造や周辺環境から予測するためのモデル構築に関する研究や、自転車走行時の主観的快適性を道路構造から判断するためのシミュレーションモデルに関する研究など、色々な研究テーマに携わりました。そこで、研究の面白さというか未明の課題に対して取り組む好奇心のような意識が僕の中で大きくなったような気がします。もう少し深く勉強したいと思い大学院に進学したんですが、「交通計画って何?」というくらい興味も関心も薄かったところから、結局、今でも交通に関わる仕事をしているので、研究室配属が人生の大きな転換点の1つだったように思います。

 大学院卒業後は、自治体が抱える交通に関する課題を解決したいと思い、「建設コンサルタント」という業界で、地方自治体向けに総合交通計画や移動等円滑化促進計画、公共交通網形成計画と呼ばれる各種の計画策定、交通需要予測や交通流解析と呼ばれる分析業務などを行っていました。一時期は仕事しながら大学院にも通ったりしていて、3年くらい働きました。

 建設コンサルタントの仕事の中には、MaaSでも扱う「公共交通」をテーマとする仕事もあったんですが、その当時から「公共交通の負のスパイラル」という言葉があるほど、多くの自治体で深刻な課題を抱えていたように思います。実際に私も多くの自治体や住民へヒアリングを行う中で、人口減少や車社会によって利用者が減少し、それでも公共交通として維持していかなければならない公共交通の難しさを痛感しました。一方で法的・リソース的・技術的にも多くの制約があり、共創環境としてのイノベーションが生まれにくい状況も目の当たりにしてきました。

 自分自身もそのような状況にジレンマを抱いていたのですが、ちょうどその頃、国内でMaaSという言葉が世間的にも認知されるようになってきました。それまであまり耳にすることがなかった、交通事業者同士のデータ連携やデータ提供を通じた新たな取組みに関するニュースを次々に目にするようになり、公共交通の考え自体が大きく変わるかもしれない、「同じ交通分野ではあるけど、こういう世界もあるのか」とMaaSに強く興味を持つようになりました。


MTJに入社するきっかけや志望動機は?

大﨑:前職の経験もあって、MaaSの可能性自体は感じていましたが、僕自身、世間的にはあまり注目されていない、裏側の仕組みにも非常に興味がありました。前職はいわゆる土木業界で、この分野ではまだまだDXが進んでおらず、交通計画を策定するために必要なデータ集めやデータ集計に非常に苦労していました。実際、データそのものがデジタル化されておらず、書面とにらめっこしながら淡々とデータを手入力するなんてこともありましたね。(笑)

 世間一般でイメージされている「MaaS」はアプリや予約決済といったサービスの側面にフォーカスされることが多かったのですが、MaaSの根幹を成しているのは複数の交通手段や予約決済機能をつなぎ合わせ、スムーズにデータ連携を行えること。そして、実際に利用した移動情報がアプリなどを通じて記録できることだと思っています。

 今まで、抽出調査のような形で「特定の日にち」の「特定の場所」の利用状況を基に判断していた人々の移動状況が、限りなくリアルタイムに近い形で、しかも様々な場所で取得できるというのは、今まで交通計画に携わっていた身としては革命的だと思いましたね。そんな背景でMaaSという言葉を知り、国内でのオピニオンリーダーである日高の本(MaaS モビリティ革命の先にある全産業のゲームチェンジ)を読んで、MTJの存在を知り、連絡をとったのが入社のきっかけです。


入社してみて、実際はいかがですか?

大﨑:入社してすぐ、岡部から「MTJが目指しているのは、アプリを作って公共交通に乗ってもらうだけではなく、同時にモビリティのデータから移動の最適化を実現することだ」という話を聞いたんですが、それがまさに自分がやりたかったことだったので、それを聞いた時は嬉しかったです。MTJには日高のほかにも、交通系システムやオープンデータのプロフェッショナルであるCTOの渡邊や、MaaSのコンサルティングをしていたCOOの岡部など、開発・ビジネスの各分野でプロフェショナルたちが集結しています。とにかくMTJのメンバーは本当に実力者揃いですごくて…。日々、圧倒されながら働いています。

 チームメンバーが魅力的で自分の挑戦したい未来がその先にある。僕にとっては非常に惹かれる環境です。


MTJで現在どのような業務を担当していますか?

大﨑:事業開発として、自治体やMaaS導入を考えている企業向けのコンサルディングや実証プロジェクトの支援、現在開発を進めるデータ連携基盤「TraISARE」をベースとしたソリューション提案を行っています。最近ではMaaSという言葉も少しずつ社会認知されていますが、まだまだMaaSで何ができるのか、MaaSという言葉は知っているけど自分たちで導入する場合はどのようなモデルが考えられるか、など国内での成功事例がないだけに、各自治体や企業の特徴、ビジョンに合わせて最適解を模索しながら進めています。

 MaaSソリューションは、一般的なITソリューションと異なり、リアル(現実世界)の交通システムが大きく関係するため、道路運送法やバリアフリー法など様々な移動に関する法律や交通事業者の方、そういった条件も紐解きながら最適なソリューションを模索していく必要があり、これは建設コンサルタントとしての経験や知識が生かされているな、と感じます。ただ、建設コンサルタントでは踏み込めなかったあと一歩を踏み込んで、実際に公共交通や人々の移動を最適化するためのソリューションまで実装できるのが、MTJとしても強みであり、面白い点だと感じています。


具体的なプロジェクトをご紹介ください。

大﨑:最近は、広島県のMaaSプロジェクトの実証に向けて取り組んでいます。広島県では広域のデータ連携基盤を作成し、都市行政へ活用するためのデータの仕様などを検討します。また、今年度は実際の都市を対象にダッシュボードを作成し、政策に関連するKPIをモビリティサービスの変化によって仮説検証的に試行することのできるシミュレーター構築なども行う予定です。今まで取れてなかったデータをアプリで集め、蓄積し、交通計画に反映していくという仕事は、まさにMaaSを体感しますし、自分自身が目指している理想像に一歩一歩近づいていく様子は非常に楽しく、やりがいがあります。


MTJに入ってよかったと思う瞬間があれば教えてください。

大﨑:現在、いくつもの企業や自治体から相談を受けており、MaaSや公共交通データに関する様々な取り組みに挑戦できることですね。あとは、私自身、大学で交通計画を学び始めてからずっと交通の分野に携わっており、それなりに専門性もあるのだろうと思ったのですが、MTJに入ってからは学びと発見の毎日で、日々新鮮な気持ちで仕事ができています。

 特に、自分とは違う視点を持っている人と出会える刺激と学びは非常に大きいです。社内でディスカッションしていても、ビジネスやマーケティングなど自分が見ているより、もう1段階、高いレイヤーから意見をもらえるので楽しいです。この刺激と学びはMTJに来なかったらなかったと思いますし、毎日が勉強ですね。


MTJでチャレンジしたいことがあれば教えてください

大﨑:実は私の名刺には「スマートモビリティプランナー」という肩書きが記載してあります。前職で自治体の交通計画に携わってきた身としては、MaaS、強いては交通分野のDXを促進して、それを自治体の政策や行政計画へ反映したいという目標があります。

 少しマニアックな話になりますが、交通計画を策定する際、よく使われるデータとして「道路交通センサス」と呼ばれる調査があります。これは日本全国の国県道を対象に行う自動車交通量の調査などのですが、規模性もあり5年に1回の頻度で行われています。また、それ以外にも、都市圏のひと一人の一日の行動履歴に着目したパーソントリップ調査と呼ばれる調査がありますが、これは10年に1回の頻度です。

 今まで、人々の移動状況を大規模かつ面的に把握するには、それだけの調査を行う必要がありました。また、定点的な交通量調査なども年に数回どころか、1年に1回すら実施が難しい自治体も多いのが現状です。しかし、携帯の基地局データを基に人の移動状況を取得したり、ITSで定期的に交通量が計測できるようになるなど、少しずつ交通のデータ取得環境も変わってきています。それに加えて、MaaSアプリなどで交通手段が分かるようになれば、パーソントリップ調査のような、交通手段別の人々も移動状況をリアルタイムに近い確度に取得できるようになると思います。

 今はまだ様々な自治体や企業が試験的な取り組みでMaaSを進めていることが多いですが、これから都市や地域にとって価値のあるMaaSが全国的に展開され、それらのデータを基に人々の移動がより最適化(賢い移動=スマートモビリティ)される、そんな社会に向けてこれからもMTJのメンバーと一緒にこれからもチャレンジしていきたいですね。そしていずれ、「スマートモビリティプランナー」って正々堂々名乗れるようになりたいです。


大﨑さん自身の将来の夢は?

大﨑:人々の移動がより最適化(賢い移動=スマートモビリティ)された社会を実現したいというのは、前述の通り、僕の中のテーマです。その上で、私自身も一人の交通計画に携わる人間として、ソリューション開発や今までの経験を通して交通計画の学術分野にも貢献できればと思っています。

 特に、今までの交通計画や交通工学の基準となる時系列単位は、1日や1時間単位(交通量)で、多くのデータは過去の観測データに基づくものでした。MaaSアプリによって限りなくリアルタイムに近い情報が属性別などの条件とともに得られた時に、それらのデータを用いてどのように人々の移動を理解していくのかという点は非常に興味があります.従来の交通需要予測的アプローチや統計的アプローチに加えて,MaaSやデータ連携によってどのような手法で人々の移動や交通行動を最適化するのか、今までの知識や新しい知見を踏まえてどのように拡張するのか、そういった分野にもチャレンジしていきたいですね。


最後に、どんな方がMTJに向いていると思いますか?

大﨑:偉そうなことは言えないですけど(笑)新しい分野や知らない知識に対してワクワクしながら仕事のできる人、そして移動を通じて実現してみたいビジョンのある人が向いていると思います。

 僕自身は大学から交通計画を学んでいますが、僕の同期は今までサービス業で活躍してきた人だったりします。また、それ以外のメンバーも、全く交通とは違う分野で経験を積まれて、MTJに参画している方もいます。異なるバックグラウンドやスキルを持つメンバーが、日々ディスカッションしながら、BeyondMaaSの世界という共通の目標を持って前に進めているのが本当にMTJのメンバーらしいと思います。

 あとは、スタートアップということで、会社自体が「とりあえずやってみよう」というスタンスなので、それが僕にとってはとても面白いです。とにかく意思決定が早くて、柔軟。自立した大人たちの集まりですね。なので、「こんな移動の社会を作りたい」という思いと、新しい環境を楽しみながらチャレンジできる人、そんな人が向いているんじゃないかと思います。


ありがとうございました!
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