[創業のきっかけ]
はじめまして。株式会社Job is Well 代表の重徳英介です。現在、東京大学法学部4年生です。
私たちは「途上国の雇用機会の不足」と「先進国の人手不足」という、二つの課題を同時に解決するための事業を行っています。
創業の原点は、私がインドの農村部で過ごした時間にあります。
高校生の頃から、途上国の貧困問題に強い関心を持っていました。自分や周囲の人間が恵まれた環境で生活する一方で、世界には最低限の暮らしすら実現できない人がいる。その現実に触れるたび、「なぜこの差が生まれるのか」「自分にできることは何か」を考え続けてきました。
大学に入り、コロナ禍が明けたタイミングで、私は9ヶ月間インドのNPOにてボランティアとして活動しました。
公教育を受ける機会が限られた子どもたちへの基礎教育支援、そして就労機会を得にくい農村部の女性の収入向上プロジェクトに携わりました。
その中で、とても印象的だったのが「日本で働きたい」という声の多さです。
インドでは人口増加に雇用創出が追いついておらず、若年層の失業は大きな社会課題の一つとされています。大学を卒業した25歳以下の若者の失業率はおよそ30%に及ぶとも言われています。
生まれ育った環境のままでは、家族を養うことすら十分にできない。
そんな現実の中で、「国境を越えた就労機会」が人生を変える入口になり得ることを、私は現地で実感しました。
[インドで一番有名な日本語の先生に]
インドにおいて日本は人気の高い国の一つです。
アニメは特に大人気で、私が暮らしていた地域でも、子どもから大人まで多くの人が日本の作品を楽しんでいました。仲の良かった現地の友人も、ネイティブの先生がInstagramで日本語を教えるアカウントをフォローし、熱心に学んでいました。
その時に感じたのが、
「英語で日本語を教える人はいても、ヒンディー語で教える日本人の先生はほとんどいないのではないか」
ということでした。
そこで私は、ヒンディー語を話せる強みを生かし、ヒンディー語で日本語を教えるアカウントを立ち上げ、動画投稿を開始しました。
すると、7日目の投稿が100万回再生され、開設40日でフォロワー10万人を突破。現在は27万人にまで増えています。
そして毎日のように届くようになったのが、
「日本で働くにはどうしたらいいか」という相談メッセージです。
この声が、Job is Well を創業する大きな後押しとなりました。
[創業]
インフルエンサーとして活動を続ける中で、DMには毎日のように「日本で働くにはどうしたらいいか」「手続きを教えてほしい」「相談に乗ってほしい」といったメッセージが届くようになりました。一番初めに仲間たちと起こした行動が、100人以上の日本で働きたいインド人の相談に無料で乗るということでした。
しかし、そこで痛感したのは、自分たちの無知と限界です。良かれと思って返した言葉が、相手にとって十分な支えになっていないかもしれない。制度や現場の実態を理解しないままでは、人生を左右する意思決定に責任を持てない。そう感じる場面が何度もありました。
だからこそ私たちは、机上の理想ではなく、現実の課題から学ぶことを優先しました。農業、ホテル、IT、語学スクールなど、さまざまな業界の企業や現場に足を運び、「外国人が働くこと」のリアルを聞き続けました。その結果、最初の領域として私たちが向き合うべきだと結論づけたのが、介護でした。
介護は、若者が減少していく日本で、現役世代が安心して働き続けるために不可欠なインフラです。一方で、人手不足は深刻で、現場はすでに限界に近い状態にあります。そして今後は、外国人の力なしには成り立たなくなりつつあるのも現実です。
創業直前、話を聞きに行った介護施設の施設長から「まずは現場を知ることから始るのはどうか」と言われ、私は週に1回のアルバイトを始めました。実際に現場で学ばせていただく中で、介護の仕事が持つ価値と、そこで働く人の誇り、そして現場が抱える構造的な課題を肌で感じました。この経験が、私たちが介護領域から事業をスタートさせる覚悟を強くした大きな理由です。
[会社の理念]
私たち株式会社Job is Well のミッションは、「人生を共創する」です。
関わる人が互いの人生を支え合い、幸福を共有し、前に進む。
私たちは、そんな関係の架け橋になりたいと考えています。
このミッションの背景にあるのは、
「他者に貢献しているという実感が、個人の幸福を形作る大きな要因になる」
という信条です。互いに貢献し合い、互いの人生を豊かにしていく。その循環を、国境を越えて生み出したいと思っています。
インドのような地域では、雇用機会の不足が生活を直撃します。
一方で、日本をはじめとする国では人手不足が深刻化しています。
もし国境を越えて就労の機会が得られれば、仕事を通じて社会で活躍し、家族に仕送りをするチャンスが大きく広がります。
インドでは月収3万円前後で生活を支える家庭も多い中、
日本で働き、毎月8万円などを仕送りできるようになれば、家族にとっては非常に大きな支えになります。
家族を支え、仕事で社会に貢献する。その実感が本人の幸せとなり、同時に周囲の人の人生も前に進む。私たちは、この循環を国境を越えて、世界中で生み出していきたいと考えています。
一方で、今の私たちはまだ立ち上げフェーズです。正直に言えば、知らないことばかりで、日々学びながら一歩ずつ前に進んでいます。それでも、私の想いに国境は関係ありません。たまたま日本に生まれ、たまたまインドで暮らしたから、今はインドと日本を軸に事業を進めています。しかし、私たちが向き合っている本質は、「働きたいのに働けない人」と「人手が足りずに社会が回らない現場」をつなぎ、互いに支え合える仕組みをつくることです。
だからこそ将来は、国や地域に縛られず、世界中で雇用機会を広げる会社になりたい。誰もが生まれた場所に関係なく、挑戦できる選択肢を持てる社会をつくりたい。そして、その挑戦の先で得られる「家族を支えられる」「誰かの役に立てる」という誇りが、人生の自信や幸福につながる瞬間を、もっと増やしていきたいと思っています。