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クラウドの最前線で戦っていた私が、貿易テックスタートアップのShippioに入社した理由


こんにちは。Shippioのセールスチームの真畑皓(まはたひかる)と申します。
2020年12月にShippioにジョインしました。
これまで物流業界に全く関わりのないキャリアの私が、何故貿易テックスタートアップのShippioに入社したのか、これまでのキャリアを振り返りつつ紹介させて頂こうと思います。


(チーターを手懐けた時は、もう怖いものなど何もないと思っていました)


キャリアの根っこは大学生時代

まずは、自分のキャリアの根幹が形成されたであろう大学生時代から話をさせて頂きます。

大学生時代はよくあるカフェ、居酒屋や創業期のベンチャー企業でのインターンなど色々な場所で働いていました。

そんなアルバイト経験の中で特に印象が残っているのが、大手クレジットカード会社での事務の仕事です。そこでは、倉庫部屋に大量に積まれている書類を綴じたファイルを探しだし、記載事項をシステムにインプットして、その内容を印刷しファイルに格納して、次の工程の人にファイルを回す、という何の為の仕事なのかわからない業務に多くの人が携わっていました。
この非効率な光景をシステム化すれば解決できるだろうと思い、そういう課題を解くことを仕事にしたいと思いました。

また、大学ではグローバル経営、特に当時はまだ国内でほぼ認知されていなかったダイバーシティ・マネジメントを専攻していました。(まだ人の手垢が付いていない領域に取り組みたいというのは自分の軸の一つだと思っています。)

そこでの研究対象だったのが、世界で最も早くダイバーシティ経営に取り組んでいた企業でありその後新卒で入社することになるIBMでした。
IBMという会社は、創業して100年経つような老舗企業でありながら、多様性の重要性を1950年代から謳っていたり、事業モデルを大きく変えながらテクノロジーの最前線に居座って戦い続けている、という他に例を見ない会社でした。

割と真面目に経営学を学んでいた身からすると、「このIBMという会社が一体どのように戦略を立て、どのような仕組みで会社を回しているのか、中から見てみたい」と思い社会人としての第一歩をIBMから踏み出す事になりました。

クラウドの最前線でみた世界

IBM に入社して初めに配属されたのは大手の保険会社を担当するアカウント営業の部門でした。以後10年弱、保険を中心とする金融業界にずっぽり浸かっていました。
結果としてIBMのビジネスの中心であるレガシーのプロジェクトにも関わりながらも、その時々の先端技術であった、Bigdata, AI, Cloud, IoT, Blockchainなど様々な案件に携わらせて頂くことができました。その時々の技術の最先端が社内の至る所に転がっている、今振り返ってみても素晴らしい環境でした。

そんな中、2017年あたりから日本の金融業界も一気にクラウドシフトが始まります。そのような市場環境でも、IBMはまだまだクラウド事業にアクセルを踏み切れていませんでした。

クラウドにフルコミットしないとIBMのプレゼンスが一層低下していく一方だと危機感を抱いた私は新設されたばかりのクラウドとAIのビジネスを推進する組織に異動することを志願しました。

クラウド、特にインフラと言えるIaaSやPaaSは市場規模が10兆円を越えても前年度比30%以上で成長する過去に例を見ないお化け市場です。
クラウド事業の競合は、Amazon, Microsoft, Google と世界で最も資本を有している企業達。IBMとしても何とか振り落とされないようにしがみつくのが精一杯な状況でした。それ以上に、日本企業が全く蚊帳の外になっている状況を見て、ITインフラという巨大な市場が外国勢に寡占されてしまう事はほぼ確実で、その後の日本のIT産業の将来について憂いを感じるようになりました。

クラウドを金融機関などレガシーの業界にも広げ、日本企業の競争力を高めようと頑張れば頑張るほど、日本のIT産業は弱まっていく、外資系に所属する身としてそのジレンマにずっと引っかかっていました。
そして、10年20年後も日本が自立していられるように、優秀な人材が集まる魅力的な企業を増やすために、日本の産業を下支えする仕事がしたいという思いが募っていきました。

まだまだIBMの中でも新しいチャレンジは多くあるだろうし、これまでお世話になった多くの人に恩を返せているのか、葛藤も勿論ありましたが、日本の成長にほんの1ミリでも貢献が出来たらと、次のキャリアを考えるようになりました。

(IBM時代はコミュニティ活動にも力を入れていて、世界中の同世代のメンバーと新規事業の検討をしたりと本当にいい経験をさせてもらいました)


次のキャリアを考えるに当たって

次のキャリアの軸として、2つ考えていたことがありました。
1つ目はローカルの課題を解決しながらもすぐにグローバルにも展開できるであろう事業モデル。初めからグローバルプレイヤーと戦っても資本物量的に勝てない、そして、日本国内で事業が完結してしまっては大きくスケールすることが難しく、産業にインパクトを与えることが難しいから、です。
2つ目は、どっしり腰を据えながら深い課題を解決するために働ける仕事がいいと思っていました。
その2つが実現できるのはどんな会社なんだろうか、と具体的なイメージがない中で彷徨っていた時に出会ったのが貿易テックスタートアップであるShippioでした。

物流門外漢の私は、採用プロセスの中で共同創業者の佐藤や土屋の話を聞くまでは、事業の内容について全くイメージが湧いていませんでした。

話を聞いてみると、Shippioは現在は輸出入の貨物運送手配を行うフォワーディングという業界にテクノロジーをかけ合わせるデジタルフォワーダーと呼ばれる事業を行っているが、究極的な目標としては貿易全体を変えていきたいと思っている、と。ふむふむ。よくわからない。
しかし、いろいろな事業展開などへの質問を通じて、これは無限の可能性を秘めた業界なんじゃないか、と素直にそう思いました。

経済活動の過半は貿易が絡むので、貿易のトランザクションデータが取れると世界の経済活動が見えてくる。
そのデータを活用した事業はトレードファイナンスがその一例、荷主企業と物流業者をマッチングさせるマーケットプレイス的な事業もあり得る、また既存の大手企業と同じ様に倉庫や船、飛行機といったアセットを持って物流の裾野を広げることも考えられるし、取引先となる海外に現地法人を展開していくこと、などが伝わってきました。

そして何よりもこのデジタルフォワーダーという新しい事業モデルを、自らが船頭に立って道なき道を切り拓き市場に浸透させていくという、今の事業ステージは何よりも魅力的に映りました。

貿易業務は、国ごとに商慣習も大きく違うため外資も入って来づらい、かつ免許業なので新規参入も少ない、言わば鎖国された市場です。一方で、世界から見た日本の貿易のシェアは約5%と限られています。

まずは日本で足場を固めつつも、事業拡大を図る上で海外進出は必須です。そのためにShippioは創業時からグローバル市場で戦える組織の構築を進め、現在40人程度のメンバーでも10カ国の出身者で構成されているなど多様性溢れる組織となっています。
次の挑戦の場を考えるに、これ以上のフィールドはないだろうと思い入社を決めました。

クラウドにコンテナーと呼ばれる今後デファクトになるんじゃないかという技術があって、IBMでそのコンテナー基盤を一番売っていたのは私だったのですが、まさか本物のコンテナを運ぶ会社に行くとは夢にも思いませんでした。

(しれっとtwitterのプロフィールに書いていたら代表の佐藤に見つかりましたw)

Shippioの発射台を築く

と、言うわけでShippioに2020年12月にジョインして、今は営業の企画業務を中心に仕事をしています。 チームの KPI の設定・管理、営業プロセスの設計、営業活動全体で使う資料コンテンツの作成、またオペレーションやカスタマーサクセスチームを含めた会社全体の顧客体験フローの構築などなど、幅広く仕組み化の実装を行っています。

現在、Shippioは顧客獲得の組織としてはThe Modelを踏襲したマーケティング、インサイド、フィールド、カスタマーサクセスの体制をとっていますが、デジタルフォワーディング事業は単なるSaaSだけではなく、実際の輸出入の貿易業務を合わせて提供しているため、そのモデルに適した方法論・役割分担を一つひとつ定義していかなければなりません。そしてこれはまだ正解のない作業です。
試行錯誤しながら、これからShippioがメンバーを増やしスケールしていくために必要な強固な発射台を作ることにいま全力を注いでいます。

10年前のIT業界と似ている…?

そうして物流業界に飛び込んで、わかってきたことがあります。
いま、物流業界は景気の停滞や人口減少で縮小傾向が続く中で数少ない成長分野で、3rd Party Logistics(3PL)があります。
これは言ってみれば物流機能のアウトソーシングで、専門性の高い物流業務を専門の物流業者に包括的に委託するモデルです。この流れは2000年前後からのITアウトソーシングと同じ流れで、物流業界はその10年後ろを歩いている形に思われます。

先にアウトソーシングブームを経験していたIT業界で何が起こったか。2011年の震災を機に緊急時でもすぐにシステムを構築できるクラウドサービスが脚光を浴び始めていました。

顕著な例として、当時、大手生命保険会社が契約者の安否確認のために2週間でシステム構築をする提案依頼をした所、既存の企業はサーバーを調達してその上にアプリケーションを構築して、どんなに急いでも3ヶ月はかかるという提案を提示した事に対し、SaaSのSalesforceだけはその2週間という超短期納期の要求に応えることができたのでした。IT業界ではこの事が大きくニュースになり、各社がクラウドの動きに注目し始めました。

同じことが今貿易の世界でも起こりつつあります。2020年からのコロナ禍の影響で海運市況の荒れと共に硬直したサプライチェーンの課題が表出しています。物理的に出社が難しい環境にも陥り、これまで紙を中心に業務をしていた貿易業務も在宅では同様に行うことは難しく、現在貿易業務へのIT活用も大きな関心事となっています。

もう一つ、人材の観点でもよく似ています。アウトソーシング隆盛の時代の企業のIT部門は、IT企業への依存を強め、自身のスキルアップを考えることもなく、ただITベンダーの管理することだけが業務になりつつあり、優秀な人材も集まり辛い状況でした。

企業の根幹であるITシステムがブラックボックスとなり、コントロールを失い、日本企業はその後のデジタル化に大きく出遅れたのでした。
このIT部門の暗い状況をクラウドは大きく変容させていきました。
クラウドを活用して自社でシステム開発・運用をすることで、コントロールを取り戻し、開発品質・スピードを大きく向上させ、エンジニア自体の価値も飛躍的に向上していきました。

いまの企業の物流部門も過去のIT部門と同じ傾向にあると日々お客様と接する中で感じています。

つまり、先に申したように、大きな変革点にある物流業界の中で、IT業界でクラウドが果たした役割を我々が担えるのではないか。
テクノロジーを活用して、貿易の可視化・標準化・連携を行っていき、物流業界の新たなスタンダードを実装することで、物流やサプライチェーンが企業の競争力の源泉であるという理解が広まり、物流・サプライチェーンに関わる仕事を魅力的な仕事にできるのでは、と気持ちが高まってきています。

これから成し遂げたいこと

Shippioの目指す「貿易を超える」というビジョン、「理想の物流体験を実装する」というミッションは途方もないものだと思っています。ただ前例のない道を行くこの経験は何事にも代え難いものだと思っています。これまであまりに課題が多すぎて見えないふりをされてきた貿易業界、ここにテクノロジーを用いて、新しい風を吹き込んだ世界がどのようなものになるのか日々ワクワクしながら仕事をしています。

その中で、私個人としては、このデジタルフォワーディングという事業をスケールさせたのは自分だと胸張って言えるように、目の前の組織化の仕事に集中しつつも、営業だけに留まらず自分の職掌を広げながら、今後Shippioの中で立ち上がっていくであろう新規事業立ち上げにも関わっていきたいと思っています。

まだまだ大手企業、特に外資系からのShippioのようなアーリーステージのスタートアップへのキャリアチェンジは一般的ではないと思っています。

確かにグローバルにビジネスを展開し、優秀な人材があつまる外資系企業は働く環境としてはとても魅力的ですが、そこで力を蓄えた優秀な人材がどんどんスタートアップ業界に移って日本産業を強くするような、そんな社会に向けて、私自身も発信を増やしていきたいと思っています。


最後に

番宣となりますが、Shippioではその新しい世界に向かって一緒に航海する仲間を絶賛大募集中です!これまで物流業界にいて業界の課題を身にしみて感じていらっしゃる方、また私のように物流業界に関わりのなかった方でも、このデジタルフォワーダーという新しい事業モデルを作っていくここに魅力を感じ、これまで見過ごされてきた深い業界課題の解決に向けて、チャレンジしてみたいという方は気軽にお問い合わせ頂けたら嬉しいです!

真畑

株式会社Shippioでは一緒に働く仲間を募集しています
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