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【起業家対談】エウレカ赤坂×コネヒト大湯 M&Aを経た両社が語る「急成長の舞台裏」(後編)

500万人以上が利用する恋愛・婚活マッチングサービス「Pairs」とカップル向けコミュニケーションアプリ「Couples」を運営する株式会社エウレカ取締役顧問 赤坂優氏と、コネヒトCEO大湯の対談後編です。「急成長の舞台裏」をテーマに、後編ではM&Aの裏側やサービスへの想いについてをお送りします。( 出会いから両者のピボットについての前編はこちら


M&Aを経て変わったこと、変わらなかったこと

赤坂:M&Aを経てどうですか?

大湯:個人的には当初から、上場と同様に適切な相手とであればM&Aも選択肢に入れて経営していました。

僕らのサービスでは、妊娠・出産という「命にかかわる領域」を扱っています。売り上げも当然重要ですが、それ以上に信頼感が必要になります。その意味で通信という社会のインフラを扱うKDDIはパートナーとして最適だと感じました。ママリを通じて家族に安心を届けて「出生率を上げること」がママリ事業における究極的なKGI(重要目標達成指標)だと考えています。

赤坂:人口の問題ってずっと苦策だよね。

大湯:今ママリでは、2016年に出産された女性の6人に1人がユーザー登録をしてくれています。これって結構インパクトある数字だと思います。ユーザーの生活をもっと便利に変えて、人口を増やすために将来的には公的機関と組んでアクションをしていきたいと考えています。この国のシステムを変えることができるだけの強い組織を作ることが、経営者としての大きなミッションだと思っています。その点で、M&Aをすることにより信頼感のある後ろ盾ができたことはポジティブな面が大きいですね。

赤坂:社会的には小さいベンチャーだと思われていたもんね。若い子がやってるスタートアップでしょ、って。だけど、M&Aで世間への認知も広がった感があるよね。

大湯:エウレカは、M&Aを経てどんな変化がありましたか?

( エウレカ社は、2015年、米国NYに本社を構えるNASDAQ上場のインターネット企業InterActiveCorpによるM&Aを経験している)

赤坂:M&Aを受けての変化という意味でいうと、この業界における存在感が会社レベルで上がった気はします。国内でのM&Aじゃなくてクロスボーダーだったからこそ。あとM&Aと直接は関係ないのですが、組織が70名ぐらいのときにM&Aしてその後1年2ヵ月で従業員数が新たに約50人増えたんです。急速な人員増の中、意思決定を円滑に進めるために行ったのが「バックオフィスの強化」です。

大湯:なるほど。

赤坂:それまで1名だったバックオフィスを新たに約20名採用しました。経理・税務・財務・人事・採用・広報...など、新しく採用した約50名中20名がバックオフィスです。新任の担当者の話を聞いていると、採用や人事担当ってこんなに専門的な業務だったのか!と初めて学んで。組織最高、バックオフィスすごいって素直に思いましたね(笑)

大湯:1名から20名ですか?すごい。

赤坂:あとはやはりグローバルなグループに入ったことによるプラスの影響もあって、社員が海外出張に行くことも増えました。日本人がシリコンバレーに転職するケースって極めて稀なのですが、エウレカではそのルートを作ることができるチャンスがあります。

大湯:海外での仕事がモチベーションになって入社を決める人も多そうですね。


(左:赤坂、右:大湯)


コミュニケーションはなくならない

大湯:最後にお互いの今後について。

僕らは、子育てや復職の悩みから日々の購買まで、家族の生活におけるあらゆる意思決定を支えるような場を提供し続けたいと考えています。ママリに来れば家族の意思決定のすべてが揃う、というような。

今後、エウレカはどんな未来を描いているんですか?

赤坂:エウレカでは「Pairs」を「ライフステージサービス」と形容しているんです。その理由はものすごくシンプルで、人生において結婚も出産も育児も絶対なくならないイベントだからです。人と人とのコミュニケーションは、精神衛生を保っていく上で必要で絶対なくならないからこそ、コミュニケーションの課題を解決できるPairsを運営している。Pairsがインフラに近づけば近づくほどビジネスチャンスも広がると思っています。

大湯:人間が人間である限りコミュニケーションはなくならないという話、すごく共感します。

ママリはQ&Aのサービスなのですが、ロジカルに考えると極論ママリで質問をする意味ってあまりないと思っているんです。

赤坂:というと?

大湯:本当に正解が欲しいのだったら、Googleで検索をしたら適切な回答が1秒も経たずに表示される。ではなぜユーザーはママリで質問するのか?理由は、ママリでのコミュニケーションが検索では得ることのできない「安心」をユーザーに届けているからだと思っています。

もし今後「ママリがスマホに入っているだけで安心」という未来が来たら最高です。ママリという存在を介して、顔の見えないママ友と繋がっていられる。結果として、家族が安心できる未来をつくることがママリのブランドとしてのサクセスストーリーですね。



(ママリQ内の投稿例)


「インターネットを通じて人助けしたい人」にぴったりの場

赤坂:経験したことのないことに直面して不安なときって、人の生活の中で最もインターネットを頼るときだよね。その瞬間を助ける事業を選ぶのはすごくいい。ママリは今後ママリ起点で派生していくビジネスを通じて、今以上に人助けをしていくことだろうと思います。

インターネットを通じて困っている人を助けたい人にとって、ママリは最適な場所。もちろんこれから起業家を目指す人にも絶対勉強になるだろうしね。

大湯:今後、結婚・出産を考えているけれど、どのように働いていけばいいのだろうと悩んでいる人にも会社を見に来てほしいです。そういう悩みを持っている人はユーザーと同じステージを進んでいけるので、すごくママリに合っていると思います。

赤坂:そうだね。とくにユーザーの気持ちが分かる人にぜひ入ってほしいな。ユーザー体験として「なぜ助かっているか」ユーザーの心が本当に理解できる人にこそいいアイデアが出せると思います。


「しぶとい生命力が魅力だった」

大湯:実はM&Aの前には自社での資金調達も検討しており、赤坂さんから投資をいただく話もあったんですよね。なぜ赤坂さんはコネヒトを評価してくださったのですか?

赤坂:大湯くんのしぶとい生命力が魅力的だったからかな。

大湯:(笑)

赤坂:投資をする上で、僕は事業内容やマイクロトレンドよりも、とにかく、経営している「人」が大事だと思っています。事業なんて移り変わるものだから「人しか見ない」というコンセプトを持っているんです。そして、しぶとい生命力があって諦めない人は、いつかは絶対成功する。

大湯くんのすごい所は、若いのに大手企業ともリレーションを築くことができるコミュニケーション能力の高さだとか、僕とエウレカの共同創業者の西川やほかの投資家に見せる素直さと人への質問量。人からもらった言葉を聞く姿の真面目さと、同時にいらないものは排出して取り入れるものは取り入れる…PDCAのスピードには圧倒されます。

大湯:ありがとうございます、なんだか恐れ多いです…!


20分の1の社員として「成功」を体験するチャンス

赤坂:コネヒトはね、絶対に成功するんで。フルタイムが100人になる未来がもうすぐそこにあるんです。200人になる未来もあるんですよね。インターン含めて300人、400人になる未来はもう確定だと思ってください。そんなとき、フルタイム20人ちょっとの会社が数百人規模にまで成長する過程を見ることができるチャンスがありますけどどうします?って言われたら…見たくない?

大湯:(笑)

赤坂:成功できる人って本当に少ないから。どれだけ打たれても倒れないリーダーがいて、会社が伸びていく姿をその内側に入って見ることができるのって滅茶苦茶楽しいから。この時期に、20分の1のメンバーとしてその景色を一緒に味わえるなんて、なんて羨ましいんだろうと思う。

大湯:赤坂さんにそんなお言葉いただけてとても嬉しいです。

赤坂:本心で言ってますよ(笑)

大湯:今日は本当にありがとうございました。

赤坂:こちらこそありがとうございました!


(エウレカ社のロゴの前で)


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■コネヒト社員インタビュー

【CTO 島田達朗】インタビュー

ぼくがコネヒトを選んだ日。vol.1【エンジニア 高野福晃】

ぼくがコネヒトを選んだ日。vol.2【COO 松井佑樹】

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ぼくがコネヒトを選んだ日。vol.4【ディレクター 山口真吾】


■ プロフィール

赤坂 優
株式会社エウレカ 取締役顧問
法政大学在学中に、博報堂C&Dでインターン。その後、イマージュ・ネットに入社し、メディアプランナーとしてECサイトのメディア収益化を行う。新規事業、アライアンスにも従事。在籍中に、個人でデザインのクラウドソーシングサイト「MILLION DESIGNS」を立ち上げ、起業後、ランサーズ株式会社へ売却。2008年、株式会社エウレカを設立し、代表取締役CEOに就任。2016年9月、取締役顧問に就任。


大湯 俊介
コネヒト株式会社 代表取締役社長。
1988年生まれ、慶應義塾大学卒。在学中にアメリカ留学を経て帰国後の2012年にコネヒト株式会社を創業。
2014年より、同社にて「人の生活になくてはならないものをつくる」というミッションのもとママリ事業を開始。2016年にKDDIにグループ入りし、KDDI子会社のSyn.ホールディングスのもとで引続き代表取締役社長を務める。
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