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超絶レガシー業界を変えてみよう!地方設備工事会社のDXな話(その3:VDI環境整備)

※以前の母体企業であった「株式会社エコテック」の記事の転載です。内容は2021年2月時点のものです。

「そろそろ買い替えしないといけないPCが結構あるみたいなので、見てもらえますか?」

入社して早々にオーダーいただいたものの一つで、社員が使用しているPCの劣化問題がありました。劣化というよりは「今現在の使い方だとスペックが合わない」、という感じですが、メモリ4GBとかだと流石に厳しい。

数年に一回まとめて購入して入替していたようなのでそれに倣っても良いのですが、違う方法を提案しました。そもそも、当社の基幹業務は「設備工事」の「施工管理」なので、建築現場に行く社員が多いわけです。また、内勤である業務系の社員に関しては女性が大半で、産休育休に対応したテレワーク体制の構築も必要でした。このコロナ禍においてはなおさらです。

「スペックの良い機器を、物理的にオフィスに設置する必要はないよね」

施工管理で外出しがちな社員がイチイチ会社に戻らなくてもPCを使えるようにしたい。内勤者のテレワークに対応するのも同じこと。新しいパソコンを買うではなく、社内社外問わず同じように快適なPC環境で仕事がしたい、というのが当社のニーズだと考えました。プラス、当然のようにセキュリティは担保したいですし、なんせ現状一人情シスなので、あまり手がかからないようにしたい。

そこで、カコムスさんにご協力をいただきつつ、Microsoft AzureのDaaS「WVD(Windows Vertual Deskop)」を入れることにしました。まだテスト段階ではありますが、構築開始~利用までおおよそ一か月程度でした。

WVDってなんぞや、ってところも必要だと思うのですが、ざっくり言うと「クラウド上にある共用PCを操作して、手元の端末には画面情報だけを送る」仕組みです。処理が全部クラウドで行われるので、手元の端末が高性能である必要はありませんし、送られてくるデータも画面の情報だけですので軽い。端末はパソコンでもタブレットでもスマホでもOK、データは端末側に残らないのでセキュリティもある程度担保できます。
 AWS Workspaceとかも比較対象になりますが、仮想PC自体を複数ユーザーで共用できる、というのが私たちにはGoodだったので、WVDにしました。特に施工管理の社員は使う時間がまちまちなので、一台ずつ設える必要はありません。共用できればコスト減につながると考えました。



WVDのメリット(いまのところ当社で感じているところ)

・回線を制限しても結構サクサク。
 Azureのバックボーン回線自体が高速だから当たり前なのかもしれませんが、Webアプリ等はとっても快適です。

・導入が楽
 個人的にはAWSよりとっつきやすかったです。ただ、実質数週間しかない状態だと、勉強含めてのゼロからの構築はむずかしいかなとは思います。カコムスさんのご協力あってこそ、でした。

・展開が楽
 リモートデスクトップアプリを起動して、ユーザーに紐づけた端末をクリックするだけでつながるので、社員へのレクチャが楽そうです。

WVDのデメリットぽいところ

・時間単位課金
 基本的にPCは21時までしか使えなくしたい。労務面でもそうですし、WVDが時間単位課金なので、仮想PCの稼働時間を減らして、できるだけコストを抑えたい。が、たまに21時以降も致し方なく使用したいケースもあるようで、強制的にPCを落とすのは難しそうです。利便性とコストの天秤になりますが、良い方法がないか考え中。

・VWD+Teamsに完全対応しているOSが今のところ「Windows10」しかない
 本当はChromeOSあたりの安くて軽いのにしたいのですが、どうやらWVD上でTeamsのWeb会議をやると、手元の端末への音声/動画データの送信遅延が発生するようです。Windows OSは解消したようなのですが、他のOSは未対応だそうで。当社はシンクライアントにしたかったので、今のところだと「Win10IoT」しか選択肢がない・・・。

・Win10IoT搭載のPCの選択肢が少ない上に高い
 今のところ一番困っています。
 某外資メーカー(●P)さん以外だとホント高い・・・。出してるメーカーも少ないし・・・。
 ブラウザでやると、当社みたいな非IT企業はユーザーが理解不能になるし・・・(試してませんが)
 ChromeOSでWVD+Teamsが問題なく動くようになるといいなあ、と思います。

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