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幸福学 VS ネガティブ社員

近年、経営を成功させるための重要戦略として世界的レベルで注目を集めている「幸福学」や「ポジティブ心理学」では、

学習性無力感

が、紹介されている。「人間の無力感は学習によって身に着いてしまう」というのだ。職場でも人生でも「どうせ自分が何をやっても無駄。何も変わらない」という環境が長く続くと、自分の置かれた状況に対して、積極的・自発的に対応しようという思考や行動ができなくなってしまう。

やらなくなる ではなく できなくなる

学習性無力感は、回避不能の状況下での心身へのストレスが継続的することが原因となって起こる。

ある企業では、女性社員が「女性活用を積極的にしていくと会社が発表したけれど、実際は何も変わっていない。期待を持てば自分たちが傷つくので、期待感はもちろん、職場では感情を麻痺させておいた方が楽だ」と話していた。

今年も研修やセミナー、講演などで、一貫して「これからは、ワークライフはバランスからインテグレーションに移行し、個人としての幸福度の高い社員が会社を救う」と提唱しきた。その提唱に同感してくださる方々が確実に増えていることを実感すると同時に、「幸福度を高く持つことは自分にとって重要だとわかっていても、会社では逆に無力で仇にもなり、職場のネガティブな雰囲気につぶされて終わってしまう」という声も実に多く聞いた。

幸福度の低さやネガティブなマインドは、高い伝染力で感染し、職場全体の習慣・風習となる。無感力とは、わかりやすく言えば「やる気の無さ」である。

「やる気」「社員」でネット検索をすると、数千万件以上がヒットし、『社員にやる気をださせるには』というテーマの記事やリサーチ、HOW TOが膨大な数で上がってくる。

社員のやる気が起きないことの原因にも、解決策にも、これまではあまり重要視されていなかったのが、職場における「環境」と「習慣」である。やる気の無さ(無力感)を学習させてしまう要因この2つこそが起因となる。

「やる気」を上げるには、気力と根性だ!

ひと昔に流行った根性論は、上司が部下に対して声高に言い放っていれば「ある程度の指導」をしている雰囲気にはなったはずであるが、結果が出るどころか、情緒的混乱やネガディブマインドを増長させるだけになった。目的も信念もない気力と根性は、ハラスメントやネガティブ社員を育ててしまう。

やる気の無さが学習性の無力感であることが分かれば、その突破口として人間なら誰でも兼ね備えて持っている「幸福感」が使えるのだ。個人の人生目標、企業の一員としてこそできる目標、社会貢献、まずはどこからでも良い、小さな「幸福感」を取り戻すことからである。

社員の幸福度を測るさまざまな方法やツールも選べる時代になっている。経営者は社員の幸福度と組織習慣の現状把握に早急に取り組むべきである。幸福学と経営、幸福学と成功、その関連性を疑っている暇はもうない。

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