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【語らひ人Vol.7】彬子女王 (心游舎総裁)

【彬子女王|心游舎総裁】


株式会社curioswitchがWEBの記事や映像コンテンツなどの制作を担当している、NPO法人七五。
ここでは、NPO法人七五の活動についてもご紹介します。

文化の継承や創造に関わる方々をお招きして、お話を伺う特別企画「語らひ人」。

今回は、彬子女王をお招きし、彬子女王ご自身の生い立ちや、子どもたちに日本文化を伝えたいという思いで創設された「心游舎」でのご活動について、じっくりお話し頂きました。​


目次​

1.心游舎の設立、今後の活動
2.日本文化の継承 子供に本物の体験を
3.日本文化の継承 時代に合わせた変化
4.日本文化を本来の形で経験する
5.彬子女王の研究活動について
6.彬子女王のお父様について
7.彬子女王がお父様から引き継いだ活動
8.陽明文庫と虎山荘の文化プログラムご感想

心游舎の設立、今後の活動

近衞:従兄妹同士ですが、なかなかお目にかかってゆっくりお話しをする機会もないので貴重な対談ですね。改めてよろしくお願い致します。


彬子女王:なかなかない機会ですね。よろしくお願い致します。


近衞:まず、心游舎の御活動の方からお聞きさせてください。子供達に伝統文化を伝えるという活動ですが、どのようなきっかけで始められたのでしょうか。


彬子女王:大学を卒業する前にイギリスに留学をしました。当時、日本人は学部生で一人だけだったため、政治・経済・歴史・文学問わず、「日本に関する質問は全て彬子に聞け。」という事になります。日本にいた時は、「専門ではないのでわかりません。」と言えましたが、イギリスでは、「なんで自分の国の事なのにわからないんだ。」と言われてしまいます。そこで初めていかに自分が日本と言う国について知らなかったのかということを実感しました。そして、日本の事をきちんと勉強しなければと思うようになりました。
また、帰国後、京都で仕事をするようになり、職人さん、作家さんなど様々な方たちにお会いする中で、「このままでは日本の伝統的な文化が残っていかない。」というお話を聞くようになりました。冠婚葬祭や非日常の時でないと神社やお寺にいかないようになり、子供たちが日常的に神社やお寺に行く習慣が無くなっていることを感じるようになりました。

文化財保護法は、「これは大切だから守らなければいけませんよ。」ということを示しているサインですが、結局それがなぜ大切なのかという説明があまりなされていません。我々はなぜ大切なのかということがわからないので、守ろうという気にはなかなかなりません。それはトップダウンの形式ですが、逆に我々の方から、「これは大切だから守らなければいけないよね。」と上に働きかけるようなボトムアップの形式でないと日本文化というものは残っていかないのではないでしょうか。

今、焼物であるとか漆だとか、仏像、浮世絵も、結局美術館とか博物館のガラスケースの中で鑑賞するものになってしまいました。けれども、あれはもともと日本人の生活の中にあって、生活の中で日本人が楽しんできたものなので、やはり生活の中で生かしていかないと、本当の意味で日本文化というのは未来に残っていかないのではないか。それと同時に、美術品や建物を守っていくだけでは、本当の意味で日本文化は未来に残っていかないと思うようになりました。日本の未来を担っていくのは子供達なので、「床の間にお花生けてていいね。」とか、「何かご飯とお味噌汁ってほっとするよね。」とか、「畳でゴロゴロしてるのって気持ちいいね。」と思ってくれるような子供達が未来に残っていかないと日本文化は残らないと思うようになりました。子供たちに本物の日本文化を伝える活動をして、子供たちが自然に文化を守ろうという気持ちになってくれたらいいなと思って、今この活動をしています。


近衞:心游舎の設立にあたってはどのようにされたのですか。


彬子女王:私、アイデアはあるんですけれども、言語化するのがすごく苦手で。まず、周りの友人に話をすることから始めました。それでちょっとした協力者のグループができて、今お世話になっている、太宰府天満宮さんや出雲大社さんの宮司様にお話をさせていただきました。「そういうことならぜひご協力させていただきたい。」と言っていただき、まずは私的な団体として活動するところから始めました。1年くらい経った時に法人化し、会員を募集するというふうに形を変えていきました。


近衞:非常に明確に子供にフォーカスされていますが、毎年いくつくらいのプログラムをしていらっしゃるのですか。


彬子女王:毎月何かしらはやっています。コロナになってから、月に一回程度オンラインでワークショップや、講演をさせていただくようになりました。この前、対面のワークショップを復活させまして、年間で7回ぐらいですかね。


近衞:やっと対面が復活ですね。今後こういうものができたら面白いとか、何かお考えのものはありますか。

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