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メディアはアツい時期にいるのが面白い。『R25』から移籍してきた編集者が語る『新R25』のリアル

9月20日に、若手ビジネスパーソンのための“世の中がわかる”トレンド解説メディアとしてスマートフォンブラウザ版をプレ創刊した『新R25』。

前身である『R25』時代から編集者としてメディア作りに携わりつづけている天野に、『新R25』のスタートに込める想いをインタビューしました。

天野 俊吉 (あまの しゅんきち)
株式会社新R25 編集職
出版社での書籍の営業を経て、メディアシェイカーズに入社。編集者として『R25』の誌面・Web双方のコンテンツ制作に従事。株式会社新R25の設立にともない、サイバーエージェントに入社。現在は『新R25』の編集を手がける。

先輩たちが作った『R25』に飛び込むも、メディア業界は混乱期。やりがいはあったがモヤモヤも募っていた

――天野さんは『R25』『新R25』とずっと編集のお仕事をされています。メディアや業界は、どのように変遷してきたんでしょうか?

社会人3年目、ちょうど25歳の時に、メディアシェイカーズ社の『R25編集部』に入りました。

次第に『R25』本誌の特集なども任せてもらえるようになっていったんですが、そのときは、まさにメディア業界の過渡期。紙の冊子に大型のタイアップ広告がガンガン入っていた時代から、様々なWebメディアが人気を獲得していく時代に変化してきていたんです。『R25』も当然Web版やアプリなどを運営していたのですが、後発のメディアになかなか勝てず、「みんなに読まれている実感がない」「記事で世の中にインパクトを与えるにはどうしたらいいんだろう」とモヤモヤしていました。

そんななかで、『R25』がサイバーエージェントに事業譲渡される、という話になったんです。会社全体が「えー……!?」と(笑)。衝撃でしたね。


普通のことをやっていては戦えない。後発のメディアがメディア戦国時代を勝ち抜く意識とは?

――『R25』のサービス終了、サイバーエージェントへの入社、『新R25』の創刊と激動の数ヶ月だったと思いますが、どのような心境だったのでしょうか?

サイバーエージェントに移ることになった時は、正直様々な声が上がったし、去っていく方もいらっしゃいました。ぶっちゃけていえば、「サイバーはブランドの名前がほしいだけだ」みたいな話もあって。僕自身、「どうなるんだろう……」という感覚はありましたね。

ただ、新R25代表の高橋から「業界全体としても、メディアを真剣に作っていかなければいけないという大きな流れがある。サイバーエージェントとしてもメディアに投資をして、本気でコンテンツを作れるようになっていきたい」と言われて、納得感があった。

さらに、新編集長の渡辺からも、「サイバーエージェントは、ネットの力を活用することは得意だったけど、メディア作りのノウハウがなかった。ジョインしてもらえれば、お互いの長所を活かせるはず」という言葉をもらって、これまで考えていたモヤモヤを理解してもらえている、と思ったんです。最終的にはフレンドリーに迎え入れてもらって感謝していますね。

ある程度の経験はあるし、逆に今まで苦手だった「Webでヒットするメディアを作ること」を勉強するチャンスでもある。ここで『新R25』のために頑張るのは、自分にとって自然な流れだな、と思いました。まさか自分がサイバーエージェントで働くとは思っていなかったのですが、自分を取り巻く環境の変化に合わせて、自分の心境もどんどん変化していったこの数ヶ月は面白かったですね。


やっぱりメディアは「アツい時期」が面白い。“世の中がわかる”視点を持ってコンテンツを作りたい

――実際に新しいチームが始動してから、環境の違いなどは感じましたか?

サイバーエージェントに来て驚いたのは、会議のなかで、あるメンバーが「メディアはみんなのもの」と発言したこと。なんて民主的な思想なんだろうと。僕はそれまで、「雑誌は編集長のもの」と教育されていたので(笑)。「みんなで作る」という発想がなかったので新鮮でした。

実際、様々な職種のメンバーが意見を出し合って、チームとしてメディアを作り上げていく、という意識が根付いていると思いますね。

もうひとつ印象に残っているのは、代表の高橋が言った「後発だしノウハウがない我々が、普通のことを普通にやっていては戦えない。だからこそ妥協はできない」という言葉です。なんとなくの経験やプライドがあると、「普通はこうする」「業界の慣習ではこう」とか言って、思考や行動を制限しがちなんですよね。長年の慣習はすぐれていることが多いし、ルールは破るべきじゃない。ただ、それだけを言っていても「普通」のメディアしかできないし、事実『R25』はクローズしてしまったわけですから。以前と同じことをしていても意味がないなと思って。常に新しいことにチャレンジする強い姿勢が大事なんだとこの時再認識しました。


――『新R25』が目指しているメディア像を教えてください。

『新R25』は、「世の中がわかる自分もいい。」をキャッチコピーにしています。読者の生活に関係する身近なネタにフォーカスして、記事を読むことで発見や学びがあり、ちょっとした成長を実感できるようなメディアを目指しています。

成長といっても、別に政治・経済などのネタに限らず、エンタメ系のネタもありますよ。ただ、例えば「旬のアイドル」を取り上げるにしても、ただ消費されて終わるような情報ではなく、「世の中の動きがこうなってる、いまはこういうコが人気」「人気の裏側にはこんなビジネス的な仕掛けがあった」といったような背景を解説し、「世の中の大きな流れ」をとらえることができる記事にするようにしています。

編集部は5人体制で、週2回のネタ会議をもとに、取材やリサーチをおこなって記事を作っていきます。記事質にこだわろうとしていて、追加取材、追加リサーチなどが多くなってしまっているので、そこが大変なところですね(笑)。

ターゲット層である20〜30代の男性って、社会的に見て経験もお金もない世代で、結構しんどいところがあると思うんですよね。日々一生懸命仕事に励んでいても、どうしても自分の無力さに劣等感を感じてしまうような。そんなR25世代の毎日をちょっと明るくして、時には背中を押せるようなメディアにしていきたいです。



――編集者としてのやりがいは何でしょうか。

世の中に抱いている不満や意見を“世に問える”というのが、編集の仕事のやりがいだと思っています。直接的に、世の中を変える! とまではいかなくても、他人が気づいていない視点を見つけて、「これってどうなの?」「これが面白い!」とか言えるのって楽しいじゃないですか。

大手から個人運営のものまで、メディアって様々ありますが、ちょっとした工夫と視点次第で、自分の「問い」が大きなインパクトや共感を生み出せる「下克上感」が面白いところじゃないですかね。


――今『新R25』では編集者を募集していますが、どんな人と一緒に働きたいですか?

編集のやりがいの話にも通じるところですが、自分なりの素直でリアルな疑問や不満・意見を持っていて、それを世の中に伝えたいというパッションがある人ですね。決してすごい優れたオピニオンじゃなくてもいいと思うんです。ふだん生活しているなかでのちょっとした気づきに対して、「え?」と疑問に思って、「これって○○じゃない?」と周りに面白く話せるような人が、編集者に向いているんじゃないかな、と思います。

『新R25』はスタートのタイミングでハードな側面も多いですが、メディアのこういう時期を経験できるのは非常に貴重だと思います。以前の『R25』編集部では、「全盛期はこんなにアツかった」みたいな武勇伝を聞くことが多くて悔しかったので(笑)。やっぱりメディアはアツい時期にいるのが面白いはずですよ。

今まさに使命感を持って燃えている状態のなかで、楽しく取り組める人と一緒に働きたいです。


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