【イベントレポート】「オートモーティブ×ヘルスケアTech Night」 ~DeNAヘルスケア事業の取り組みとサービス開発の裏側~

2019年3月6日(水)DeNA本社オフィスであるヒカリエで開催された、エンジニア向けイベント「オートモーティブ×ヘルスケア Tech Night」。

DeNAのオートモーティブ事業部とヘルスケア事業部は、社会課題を解決することを大きなテーマとしている点で共通しているため、今回のイベントでは「テクノロジーのちからで社会課題を解決する」と題し、合同で開催。

ヘルスケア事業部からは弘島晃(ひろしま あきら)と四方裕(しかた ひろし)が参加し、ヘルスケア事業のミッションやビジョン、これまでリリースしてきたサービスや開発の裏エピソードなどを語りました。

ここからは、ヘルスケア事業部のセッションの模様をお届けします。

楽しみながら健康寿命を伸ばすヘルスケアサービス


ヘルスケア事業から最初に登壇したのは弘島晃。2013年にエンジニアとしてDeNAに入社後、ECサイトのサービス開発やオークション事業の責任者を経て、現在はDeSCヘルスケアの取締役・基盤システム部部長を務めています。

▲ 弘島の登壇資料より抜粋

弘島 「DeNAヘルスケア事業部のミッション・ビジョンは、“SickケアからHealthケアへ”。病気になってしまってから治療するのではなく、病気をどう予防するか。日々のケアによって健康寿命をいかに伸ばしていくか。そのためのサービスを世の中に届けていくのがわれわれの役割です。

2014年に事業がスタートして今年で5年になりますが、遺伝子検査サービス『MYCODE』を皮切りに、健保組合向けのデータヘルスサービス『KenCoM』や、毎日の歩数がdポイント(※)になるアプリ『歩いておトク』、健康診断結果などから将来の生活習慣病の発症リスクを提示したり、生活習慣の改善効果をシミュレーションすることができる『ひさやま元気予報』などをリリースしてきました。」
※ NTT DOCOMOが発行するポイントで、ドコモのケータイ電話をご購入いただく際やケータイの利用料金、ファーストフードやコンビニなど街のお店で利用できる。

▲ 弘島の登壇資料より抜粋

弘島 「このうち『KenCoM』は全国約80の健保組合に導入され、約300万人にサービスを提供しています。2016年にドコモ・ヘルスケアさんと共同開発した『歩いておトク』も、昨年までに300万ダウンロードを突破しています。

こうしたサービス開発を通じて常に大切にしているのは、楽しみながら健康になってもらうこと。毎日の生活のなかで気軽に楽しく、長期間にわたってDeNAのヘルスケアサービスを利用してもらう。それらのデータを分析することで、さらにサービスの質を磨き込んでいきたいと考えています」。

あらゆる産業をHealthケア型

“SickケアからHealthケアへ”をミッション・ビジョンに掲げ、さまざまなサービスをリリースしてきたヘルスケア事業。弘島は今後の展望についても語ってくれました。

▲ 弘島の登壇資料より抜粋

弘島 「昨年からいろいろな既存の産業をHealthケア型に転換させていくための取り組みをスタートしました。その第一弾が生命保険業界です。

従来の生命保険の多くは、加入しておくと、病気やケガの際に給付金が支払われるものです。あくまで ”もしもの時” になって初めて保証が受けられるという商品なのですが、これにわれわれが提供するサービスを組み合わせることで、”Healthケア型”に変えていきます。

たとえば、契約者に、日々の生活の中で我々が提供するヘルスケアサービスを使っていただくことで、病気のリスクを減らしていくような、保障+ヘルスケアサービスなどです。

このサービスは今年提供予定で現在開発を進めています。今後も、保険以外の業界へもヘルスケアのサービスを広げ、いろいろな分野で利用者に健康を届けていきたいですね」。

ヘルスケアサービス開発の3つの特性

続いて登壇したのは、四方裕。元海上自衛官の経歴を持つ、DeNAヘルスケア事業部のiOSエンジニアです。四方はヘルスケアサービスならではの特性や、開発の裏エピソードについて語ってくれました。

四方「これまで『KenCoM』や『歩いておトク』などをリリースしてきましたが、こうしたヘルスケアサービスの開発には3つの特性があると思います」。

▲ 四方の登壇資料より抜粋

四方 「1つめはセキュリティ。ヘルスケアサービスでは利用者の個人情報はもちろん、身長や体重、さらに血圧・脈拍数といったバイタルサインまで非常にセンシティブな情報を取り扱うので、強固なセキュリティが欠かせません。

2つめは開発プロジェクトが並走すること。ヘルスケア領域は市場規模が大きく、課題や切り口も多いため、たとえば『歩いておトク』のような歩数管理系アプリと体重管理系のアプリでは、それぞれ別のプロダクトが必要になります。

おのずと複数の開発プロジェクトが同時進行することが多いので、同じような機能であれば使いまわせるように実装したり、開発メンバーが変わってもメンテナンスできるようにしておいたりするのも大切だと思います。

3つめはサービスの運用期間の長さです。ヘルスケア領域ではサービスの成果、つまり本当に利用者が健康になったかどうか検証できるようになるまで時間がかかります。1年、2年といった長いスパンで利用し続けてもらうサービスをつくるためには、開発の進め方にも工夫が必要になってくるんです」。

価値から考えるサービス開発とその裏側

ここから話は技術的な領域へ。ヘルスケア領域ならではの課題を解決してサービスの質を高めていくために、四方をはじめとするDeNAのエンジニアはどんな工夫をしているのでしょうか。


四方 「先ほどお話した3つの特性をふまえたうえで、ヘルスケア事業ではMVP(Minimum Viable Product)という考え方を取り入れています。エンジニアなら知っている方も多いと思いますが、MVPとは必要最小限の機能を持った製品のこと。

たとえばクルマに例に挙げると、クルマが持つ最大の価値、つまり必要最小限・前提となる機能は、移動できることです。

まずはこの点を念頭に置いてシンプルなクルマをつくり、次に移動をコントロールするためのハンドルや、より速く移動するためのエンジン、さらにより多くの人が同時に移動できるようにするためのボディを実装していく......。必要最小限の機能をベースに、インクリメント(増分)しながら価値を進化させていくというやり方ですね。

ただ、インクリメントしていくためには、あらかじめ変更しやすいものしておかなければいけません。変更に強い仕組みをつくるために、ヘルスケア事業ではさまざまな工夫を重ねています。

その1つがRESTful APIの開発手法。仕様書を書いて、利用ドキュメントを作成して、サーバー上に構築するという従来の進め方では、管理に非常に手間がかかります。機能を追加するたびに手作業で利用ドキュメントを変更するだけでも大変です。

そうした手間を避けるために、ヘルスケア事業ではSwaggerを使ってクライアント用のライブラリからドキュメント、さらにモックサーバーまで自動生成する仕組みを構築しました。

コードの自動生成についても、Swagger(OpenAPI Specification)の記述はそこそこ学習コストが高く、実際のクライアントコードの生成では機能しないものもあります。

そういった問題を早期に発見するため、API定義のプルリクエストレビュー時に、typoチェックやクライアントコードの生成も自動的に行われるようフローを改善しました。

この進め方であれば、プルリクエストによる差分チェックでスペルミスを見逃したりするようなこともありません」。

▲ 四方の登壇資料より抜粋

四方 「こうした新しい技術を取り入れていくことはそれなりに大変で、たとえばSwaggerを使うにしても、開発チームのエンジニア全員がRESTfulAPIの知識を持っていることが前提になります。さらに細かい問題も多く、最後の1ピースが埋まらないような状況とどう付き合っていくかも課題です。

しかし、一方でリリースできた時は充実感がありますし、先端技術が活かされたサービスは、ユーザーの満足度向上やブランディングにもつながるのではないかと思っています」。

この後イベントは懇親会にうつり、来場者とエンジニアの質疑応答など大きな盛り上がりを見せました。


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