「来週、行ける?」そう言われてパスポートもなかった僕がシンガポールに行きました
パスポート、皆さんお持ちですか?
僕ももちろん持ってました。ただし有効期限切れの。
今年の4月にトリプル・ダブリュー・ジャパンに入社して以来、基本的に国内のお客様を相手に仕事をしていた僕はパスポートの存在なんてすっかり忘れていたのですが、その日は突然やってきました。
僕たちトリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社は、2015年の創立から常に海外のマーケットを視野に入れ、国内事業と同時並行的に海外展開も進めています。今年の7月にはヨーロッパ進出の拠点としてパリにオフィスを立ち上げ、同時にヨーロッパ最大手の介護施設グループとも本格導入に向けたパイロット運用も行いました。うちの会社が海外にどんどん進出していることは当然把握していました。
そんな中、その日は突然やってきました。
「松原くん、シンガポール、行ける?」
突然の社長の問いかけ。なんのことかわからないままとりあえず「はい」と答えた僕が間違ってました。
「ほな来週シンガポールな」
ん??シンガポール??来週???
よくよく話を聞くと、僕たちのプロダクト、DFreeに興味をもったシンガポールのとある医療機関から「是非DFreeの詳細を聞きたい、そしてできることなら実際に使っているところを見たい!」と申し出があったとのことでした。
”YES"と二つ返事でおそらく社長は返したのでしょう。で、その大役が僕に回って来たというわけです。
パスポートってギリギリ一週間でも取れるんです、ご存知でしたか?
全く推奨はしませんけど。
そんなわけで僕はバタバタとパスポートの取得から先方との時間調整、重要なキーワードを英語で覚える(膀胱や失禁、なんて言葉、学校では教えてくれませんでした)、通常業務の調整などを一週間で終え2泊3日のシンガポール出張に向けて飛び立ちました。
会議当日。病院とは思えないほど近代的でおしゃれなロビーでDFreeの準備をし、これまたスタイリッシュな会議室でずらりと並んだ医者、看護師、関係者の前で僕は自分の膀胱の様子を晒しました。
僕たちのプロダクト、DFreeは簡単に言うと「おしっこのタイミングを事前にお知らせするデバイス」です。僕や、これを読んでいる人の多くはきっとなんの問題もなく自分が行きたいときにトイレに行ける人だと思います。でも、この世界にはトイレに行きたくても行けない人、トイレのタイミングがわからない人など排泄の悩みを抱えている人が約5億人以上いるといわれています。DFreeはそうした方々に寄り添い、サポートし、悩みをテクノロジーの力で解決するプロダクトなのです。
可能性に溢れたDFreeの良さを、ご覧いただく出席者の方にわかりやすいように、おしっこを我慢してDFreeを装着し、アプリ画面に表示される僕の膀胱のグラフをお見せし、「そろそろ出そう」の通知が出たところでトイレに行き、「出たかも」の通知が出ることをお見せする。
体を張った甲斐があり、会議出席者からの反応は上々で、結果として今後の正式導入に向けた話につなぐことができました。
DFreeは世界に通用する。
日々様々な国から送られてくる問い合わせを見てもそれに疑いを持ったことはありませんでしたが、今回のシンガポール出張でその思いは紛れもない事実として刻み込まれました。
日本でも海外でも苦しんでいる人、困っている人、助けを必要としている人は同じで、僕たちがやらなければならないことはそうした方々に誰よりも早くDFreeを届ける、というとてもシンプルなことです。
僕が入社したときは10名程度だった会社も、半年で25名まで人数が増えました。それでもまだまだ小さなスタートアップで、一人一人が様々なことに挑戦しつづけなければきっと僕らのミッションを実現することはできません。まさかの一週間前告知でのシンガポール出張でしたが、グローバルに挑戦するスタートアップの醍醐味をぎゅっと味わった気がします。
ちょっといい話、みたいに締めましたが最後カジノでボロ負けしたんですけどね。