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【パートナーインタビュー】グローバルサービスの開発を通じて気づいた、現代エンジニアに求められる価値観とは!?

エコーズの成長を様々な形で支えてきてくれた人たちをご紹介するパートナーインタビュー企画。
第1回目は、元サイボウズのエンジニアでスタートアップの立ち上げからEXITまで、豊富な経験をされているエンジニアの本間 圭一さんをお招きして、お話しを伺いました。

マンガ投稿プラットフォーム「マンガハック」の初期の成長を支えたエンジニアさんは、今何をしているのでしょうか?
そして、本間氏が考える『現代エンジニアに求められる価値観』とは一体どんなものなのでしょうか!?

※インタビュアー:エコーズ株式会社 代表取締役CEO 芹田治 氏

【経歴・プロフィール】
本間 圭一(1981年北海道生まれ 立命館大学理工学部卒)
サイボウズ株式会社に2003年に初期メンバーとして入社し、大企業向けグループウェアの開発に従事。
2008年に株式会社81を設立。CTO兼副社長として外国人駐在員向けのサービスアパートメントサービスの紹介サイトを開発・運営し、業界No1サイトに成長させる。その他、訪日中国人向けのクーポンサイト、WebSocket技術を使用した対面翻訳サービスをInfinity Venture SummitのLaunch Padで発表するなど、様々なアプリやサービスを開発。
2016年にOpen Network Labに参加し、インフルエンサーマーケティングプラットフォームWithfluenceを開発。2017年10月にシリコンバレースタートアップのGinzametrics社にWithfluenceを売却し、現在に至る。

エコーズとの出会いと今

〜うちのオフィスに間借りしていたのがエコーズさんでした〜

【芹田治氏(以下、芹田)】
大変ご無沙汰しております!
本間さんは、起業した時からお世話になっており、エコーズ創業初期に株式会社81(本間氏が立ち上げたベンチャー企業)のオフィスの一角に席を間借りさせて頂いていたのが懐かしいです。
渋谷駅から徒歩5分程の好立地オフィスの一角を、家賃2万円で貸していただいて、81があったから今のエコーズがあるといっても過言ではないほど、本当に感謝しております。

【本間圭一氏(以下、本間)】
いやー、あの頃はお互い若かったね(笑)。
うちも移転したばかりだったから席が余っていてタイミングが良かったのもあったよ。
あの頃は、エコーズさんはまだ起業したばかりでマンガハックもなくて、自分たちの会社がどんなサービスをやるべきかを日々悩みながら頑張ってたね。

【芹田】
オフィスを間借りさせて頂いただけでなく、WEBサービスを開発していた先輩企業として、色々なことを教えて頂けたことが、本当に大きな財産になっています。
当時のエコーズはエンジニアリングができる人材がいなかったため、マンガハックを立ち上げる時はフリーランスの方にお願いして開発をしていたのですが、事業として成長させていく上でもっと開発スピードを上げていく必要があったのと、その方がスタートアップに就職されたこともあって、リリースをしたもののどうやって開発を進めていこうか悩んでいました。
そんな時に本間さんに相談をしたら、「サービスを本気で育てる気があるなら、俺が開発手伝おうか?」と仰ってくれて、そこから本間さんと一緒に開発することになったんですよね。
あれからだいぶ時間が経ちましたが、本間さんは現在どんなお仕事をしているのですか?

【本間】
今も色々な開発のアドバイスをしたり、自分でもサービス開発をしているよ。
直近では、インフルエンサーマーケティングプラットフォームWithfluenceの開発をやっていました。
企業が商品を売りたいと悩んだ時に、海外で物凄くフォロワー数が多いインフルエンサーに使ってもらって、告知をすることで商品を広めていくためのサービスで、大きな括りで言うとADツール系のサービスになるかな。

※本間氏が直近で開発していたインフルエンサーマーケティングプラットフォーム「Withfluence

【芹田】
なぜ、そういったサービスを開発しようと思ったのですか?

【本間】
私たちが提供しているインフルエンサーマーケティングプラットフォームがなかった時代は、企業のブランド担当者が、自分でtwitterなどのSNSで該当する商品にあったインフルエンサーを探しだし、さらに自分たちで企画の説明から値段の交渉を行って、実施するというのが一般的でした。
かなり手間が掛かるし、非効率です。
それを、Withfluenceを使えば、すでに数多くのインフルエンサーがリスト化されて登録されているし、決済もすべてプラットフォーム上でできて、一気通貫で効率よくインフルエンサーに仕事が依頼できるというのが、世界中で求められてくるだろうと思ったからです。
実際に企業側・ユーザー側にたくさんインタビューをして、ニーズが有ると判断したから、開発に乗り出しました。

【芹田】
Withfluenceは日本ではなく海外がメインのサービスなんですか?

【本間】
そうだね。海外がメインのwebサービスで、クライアントはヨーロッパとかフランスの企業が多いです。
インフルエンサーの人たち主にアジア圏の人で、バンコクやシンガポールにいるため、彼女・彼らがサインアップしやすくするために、サーバーはシンガポールに置いて開発をしていました。

【芹田】
インフルエンサー・マーケティング・プラットフォームを開発する上で、どういった点が大変でした?

【本間】
データを収集するためのクローラーの開発が非常に大変でした。
Withfluenceは、Instagram・Twitter・YouTubeなどからとんでもない量のデータを、サーバー何台も使って1日1回クローリングする仕組みを構築していました。
そこで収集したデータを元に、各インフルエンサーがどういったジャンルの商材が親和性が高いのか、どれくらいリーチが可能なのかという数字を管理画面上ですぐわかる仕組みです。
何が大変かというと、各サービスのAPIを叩きに行くのだけれど、例えばInstagramは途中でぼくらのような広告系サービスがAPIを取得することを禁止するようになって、APIが取得できなくなって非常に大変でした。

【芹田】
外部プラットフォームのAPIを使うと、そういった仕様変更が起こった時にリスクが高く、大変ですよね。マンガハックの開発でも何度かあって、苦労した記憶があります。

【本間】
そうだねー、本当大変だったよ。
サービス開発の面白いところでも在るけど、本当に、、、本当に大変だった(笑)

一緒に開発していた中で印象に残っていること

〜最新バージョンにアップしたら画質がさらに悪化!?〜

【芹田】
マンガハックを開発していたときのことで、印象に残っていることや大変だったことなどありますか?

【本間】
印象に残っているのが、ImageMagick = 画質に関する開発だね。
マンガのサービスだから当然といえば当然だけれど、バージョンによって画質の差があまりに違うことが分かって、そこで非常に苦労した記憶がある。
エコーズさんからは外注として仕事の依頼をもらっていた立場だけれど、あれは完全に工数割れしていたよ(苦笑)

【芹田】
すいません、本当に感謝の言葉しかありません(笑)

【本間】
マンガハックさんは、当時からマンガ家さんのためにどんなサービスであるべきかというのをものすごい考えていたよね。
それもあって「画質は落とせません!」って依頼された時にかなり強く言われちゃったから、エンジニアとしてはやるしかないなと。
現にマンガハックを使っているマンガ家さんから、僕なんかでは気づかないような点でもマンガ原稿の画質について指摘がきていたのはよく覚えている。
それで、どうやったらブラウザや端末によってことなる画質を均一化できるかを色々調べて、一緒に対処していたよね。
ビックリしたのがImageMagickを最新バージョンにアップしたのに画質が劣化するということがあって、もう何なんだーって(笑)。
そういった画質周りの作業が本当に大変だったけど、僕としても自分が今まで開発してきたWEBサービスでそこまで気にしたことがない分野だったから物凄く勉強になった。

マンガハックの開発経験を次の仕事で活かせた!

〜独自の画像変換ツールの開発にノウハウを活用〜

【芹田】
お話を伺っていて、昔のことですが申し訳ない気持ちでいっぱいになってきました(笑)
そういったマンガハックの開発経験は、その後のお仕事で何か活かせたりしましたか?

【本間】
マンガハックの開発をしてよかった点を一言で言うと、画像の取扱の知識が「異常」に増えたこと。
先程お話したインフルエンサーマーケティングプラットフォームWithfluenceを開発する時に、まさにマンガハックで苦労した画像処理部分が物凄く役に立ちました。
Instagramのインフルエンサーの人たちって、マンガ家さんと同じで自分たちの写真の画質を物凄く気にするんですね。
もしかしたらマンガ家さん以上かもしれない。
Instagramからクローリングした写真データがちょっとでも画質荒れしてたりすると、もうクレームがスゴイ、鬼のように怒られますから(笑)。
だから、オリジナルで独自の画像変換ツールを開発してサービスに組み込むことにしたのですが、その時にマンガハックで得た画像の取扱い知識が本当に役に立ちました。
リバースプロキシを掛けて好きなサイズに画像を書き出したり、その時のパフォーマンスを気にして開発しなければならないとか、つまづきそうな部分をマンガハックの開発で経験していたから、スムーズに開発を進めることができました。

【芹田】
そんなことがあったのですね!
そうやってマンガハックの経験を活かして頂けているのは、僕らとしてもすごく嬉しいです!

テクニカルなことよりも距離の近さを大切にしていた

〜エンジニアとしての正しさよりもユーザー満足を!〜

【芹田】
最後に、僕たちと一緒に開発をしていく上で気をつけていたことや、意識していたことなどありますか??

【本間】
これは概念的な話になりますが、サービスが立ち上がって間もない頃だったこともあって、マンガハックは色々と粗い部分が多かったので、エンジニアとしてはしっかりと作りたいという思いが物凄く強かったです。
でも、そうやって僕のエンジニアとしての価値観やプログラミングのあるべき論で開発を進めてしまうのは、立ち上がったばかりのマンガハックさんが求めていることではないだろうと思っていました。
しっかり作るよりも、マンガ家さんは早くサービスを使いたい!新機能が欲しい!という欲求のほうが強かったように思います。
だから、僕の開発の考え方にマンガハックさんを寄せていくのではなく、僕がマンガハックさんに寄っていくような、距離が近い開発を心がけていました。

【芹田】
それは今聞いても思い当たる部分がたくさんあります。
僕たちは、本間さんのそういった心遣いに物凄く助けられていたんですね。

【本間】
エンジニアって完璧なシステムを求めがちなんですよ。
でも、サービスを利用するお客さんが完璧なシステムを求めているのか?っていうと違うんですよね。
究極な話、完璧なシステムでなくても利用できればお客さんにとってはなんでもいいんです。
ここは今色々な会社さんとお仕事させていただく時にも心がけていることなんですが、開発する前にまずお客さんの声を聞きに行くようにと、開発メンバーに言っています。
これはデジタルガレージさんのOpen Network Labに参加した時に、口を酸っぱくして言われたことなんです。
ミーティングをいくらしても、それは思いつきの仕様であって、絶対にお客さんの求めている仕様は決まらないと。
だったら、エンジニア自身がお客さんにヒアリングして、本質的に求められているものを理解して開発しなければダメなんだと。
外に出たがらないエンジニアって多いと思いますが、現代エンジニアはそれでは行けないというのが、僕がシリコンバレーとか世界中のエンジニアさんと仕事をしていても強く実感していることです。

【芹田】
最後に物凄くためになる良いお話をありがとうございました。
本間さんの益々のご活躍を、これからも応援しております!

※マンガハックから出版された単行本「ガリャ山ポヨ美の片想い」「殺し屋ドロシー」を持ってパシャり。

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