なぜ「AIエージェント」なのか
2025年末、Notionがカスタムエージェント機能のベータ版を公開した。従来のAIアシスタントとの最大の違いは、バックグラウンドで自律的に動くという点だ。チャットで呼び出すのではなく、トリガーやスケジュールに応じてAIが勝手に仕事をしてくれる。
これは小さなチームにとって革命的だ。Envitalは現在、国内外のパートナーと複数プロジェクトを並行で回している。議事録の要約、タスクの転記、リサーチの整理——こうした「やるべきだが手が回らない」作業が山積みだった。
ほんの2時間ほどで7つのエージェントを作った
2026年2月のTeam Monthlyで、この実践結果をチームに共有した。
作成した7つのエージェントの一部を紹介する:
- 朝のレビュー/整理エージェント — 音声入力されたメモを分類・整理し、タスクやノートに振り分ける
- 週次レビューエージェント — アカウントごとの進捗を自動集計し、レポートページを生成する
- DB構造変更検知エージェント — データベーススキーマの変更を検知し、影響範囲を通知する
ポイントは、指示書(Instructions)をNotionページとして書けること。つまり、普段の業務ドキュメントを書くのと同じ感覚でAIの振る舞いを定義できる。
"クローンAI"への道筋
ステップ1:カスタムプロンプト(手動実行)
/cv(音声入力清書)や /ct(タスク転記)のように、ユーザーが明示的に呼び出すAI。定型作業の省力化としてはこれだけでも十分に効果がある。
具体例を挙げると、会議後にNotionの議事録ページで /ct と入力するだけで、アクションアイテムが自動的にTasks DBにページとして転記される。担当者、期日、関連プロジェクトも自動アサインされる。
ステップ2:カスタムエージェント(自動実行)
毎朝・毎週のスケジュールトリガーで、AIが勝手にレビューやレポートを生成する。人間は結果を確認・修正するだけ。
例えば、朝のレビューエージェントは毎朝JST 7:00に起動し、前日に音声入力されたメモを分類し、「[AI提案]」というプレフィックス付きのレポートページを生成する。朝パソコンを開けたらそこにはもう整理済みのメモが待っている。
ステップ3:エージェント間連携(構想中)
複数のエージェントが連携し、情報収集→分析→レポート→タスク生成を一気通貫で行い、こちらの指摘や習性から学んで、自らのプロンプトを自己修正する。ここまで来ると、本当に「もう一人の自分」に近い。
小さなチームこそ、AIエージェントの恩恵が大きい
大企業のAI導入は、セキュリティ審査やIT部門の承認で時間がかかる。一方、少人数のチームは今日決めて今日始められる。
Envitalのメンバーは全員、AIエージェント活用のスキル習得に取り組む方針を決めた。最初の一歩は「議事録の要約→タスク化」という、誰もが面倒に感じる作業から。
大事なのは、最初から完璧を目指さないことだ。カスタムプロンプトで始め、うまくいったものをカスタムエージェントに昇格させる。指示書は週次で改善する。このフィードバックループが、AIの精度を確実に上げていく。
始め方のヒント
- まず1つ、繰り返しやっている作業を選ぶ — 議事録整理、メール下書き、リサーチ整理など
- 指示書を「人に頼むつもりで」書く — 曖昧さを排除し、入出力を明確にする
- 完璧を目指さず、フィードバックループを回す — 週次で指示書を改善し、精度を上げていく
- チーム全体で取り組む — 一人の成功例を他のメンバーに横展開する
AIエージェントは「魔法」ではない。しかし、指示書を磨き続ける意志があれば、確実に「もう一人の自分」に近づいていく。
Envitalでは、モビリティ・エネルギー領域の事業開発と並行して、AI活用による業務効率化にも積極的に取り組んでいます。この取り組みの実践記を、引き続き発信していきます。