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世界で累計2000万DL「仕事サボる!」シリーズの誕生秘話

学校サボる!』『会社バックレる!』など、国内外で愛されるカジュアルゲームを手がけたエウレカスタジオ。その累計ダウンロード数は2000万を突破しています。

これらの代表作シリーズは、代表の馬場が一人で企画開発した『仕事サボる!』から始まりました。

なぜ「サボる」に着目したゲームを作ろうと思ったのか、これほど大ヒットするゲーム開発の裏側にはどんな工夫があったのか、ゲームの誕生秘話を聞きました。

コミカルなカジュアルゲームを作ったわけ

ーー馬場さんはどうして「サボる」に着目した脱出ゲームを作ろうと考えたのでしょうか?

企画当初からコミカルな題材で、かつ、「会社に行くのかったるいな〜」という気持ちに共感した「サボる」ゲームを作りたいと思っていました。

その頃ちょうど脱出ゲームが広く認知されていて、広告費をかけずともインストールされやすい状態でした。会社からバックれる内容ならより親和性も高いと思い、脱出ゲームに落とし込むことを決めました。

▲サボりを許さない追っ手を撒いて、会社から逃げる!新感覚の脱出ゲーム『仕事サボる!

ーーゲームのコンセプトを決めるのに、どのくらいの時間をかけたんでしょう?

仕事サボる!」の企画は、だいたい1ヶ月くらいです。

ーー企画の段階で大事にしていたのはどんなことですか?

コミカルで共感できることも大事にしていましたが、マネタイズのための数字も重要視していました。

僕はマネタイズの見込みなしにゲームを作ることはしません。例えば、このステージ数だと広告を何回表示できて、1ユーザーあたりの売り上げがいくらで、それならインストール数がこのくらいは必要で、と算出した数字を企画にも活かしています。

一方で、相当なインストール数を確保するためには、当然多くの人に遊んでもらう必要があります。ですからコアなファンだけが遊ぶものではなく、幅広い層にウケる企画を作るべきだと考えたのです。

ゲームを作ってからマネタイズの方法を考えると、無理にガチャを引かせるなどして、コンテンツとの違和感が出てしまうこともあります。『ゲームの内容とマネタイズが馴染むように』という点は、こだわっているポイントですね。

開発時に欠かせない「制作者とユーザー体験の擦り合わせ」

ーー開発時はどんなことに苦労しましたか?

時間とお金です。実は個人で開発していた頃は、プロトタイプを作らずにいきなり製品版を作っていました。プログラミングを始めたばかりでしたので、わからないことだらけで時間があっという間に過ぎて、お金も減っていく。とにかく時間との戦いでした。

ーー馬場さんはどんなロジックでゲームの設計を考えられていたのでしょうか?

一番避けたいのは、せっかくゲームアプリをインストールしてもらったのに、ゲームにハマらずアプリを消されてしまうという状況。ユーザー体験が良くないことはもちろん、売上にも繋がりませんので、最後まで遊んでもらうことが大原則です。

そのため、アプリを開いてすぐの1〜2分でお客さんの心を鷲掴みにできるかどうかは強く意識していますね。

ーー最初にお客さんの心を掴めると、その後の継続率も変わるものですか?

実際にそれを意識して作った「学校サボる!」「仕事サボる!」は、最後まで遊んでくれるユーザーが多い傾向にあります。

継続率を考慮した結果、できるだけ難しいステージも作らないようにしました。

学校サボる!」ですとステージ54まであるので、当初は後半に難しいステージを用意した方が喜ばれるのではと考えていました。ただ作ってみると、難しいステージでは多くのユーザーが離脱してしまい、継続率も下がってしまったのです。

そこで、反対にもっとわかりやすく易しいステージに修正。すると、ステージの突破率が跳ね上がって、離脱率も緩やかになりました。

僕はこれを『制作者とユーザー体験の擦り合わせ』と考えています。実際のお客さんは、少しダラダラしながら遊べるくらいのゲームを求めていた。そこをきちんと汲み取れるよう、数字の擦り合わせは毎回行っています。

▲開発者側は、嬉しい声だけでなく、厳しい声にも耳を傾けて、日々改善しています。

クスッと笑えるネタ作りの秘訣

ーーデザイン面ではどんなことを意識していましたか?

絵は凝ったものにせず、キャラクターも無個性でどこにでもいそうな感じに仕上げています。カジュアルゲームなので好き嫌いが出てしまうと良くないからです。

解像度を高くしないことで容量も小さくて済みますし、電車でも片手で遊べるように縦持ちにして、気軽に遊べるようにしています。

ーー「学校サボる!」シリーズには、一つひとつの仕掛けにクスッと笑えるものが多いですが、こうしたアイデアはどこから生まれたのでしょうか?

10代の頃に見聞きしたものもありますが、ほとんどは創作です。

学校を思い浮かべるとイメージしやすいですが、例えば先生のおでこに太陽光が反射しているとか、掃除バケツの水ですべって転んでしまうとか。そういう日常の中でクスッと笑ってしまう瞬間って何かないかな、と考えていました。

先ほどのユーザー体験の話とも重なりますが、ゲームで失敗した時はユーザーの心象が悪くなってしまう時でもあります。「学校サボる!」ではユーザーがミスした時のストレスを和らげるためにも、「あ、見つかっちゃったか〜」と笑える程度の失敗体験になるように意識しています。

▲先生に見つかっても思わずクスッと笑ってしまうようなシュールさがポイント。

ーーそういったネタのアイデアは日々書き溜めていたりもするんですか?

メモもしますが、メモしたものは後から見返してもあまり良くないことが多いんですよね(笑)。

どちらかと言うと、机を前にして考えている時とか、寝る前やお風呂でリラックスしている時に浮かんでくることが多いです。

ーーネタの選定基準はありますか?

カジュアルゲームなので、一部の人だけしかおもしろいと感じないコンテンツは省くようにしています。

例を挙げるなら、野球選手のモノマネです。野球が好きな人が見ると「似てる」「おもしろい」と盛り上がりますが、野球を知らない人が見てもよくわからないと思うからです。

ネタも同じで、自分がどんなにおもしろいと思っても、冷静に考えると僕にしかわからないということもあります。常日頃から社内でも、「自分のおもしろいがお客さんにとってのおもしろいではない」と口癖のように言っていますね。

グローバルで成功するカジュアルゲームを目指して

ーー今後はどんなゲームを開発していく予定ですか?

まずは「学校サボる!」のシリーズものとして、多くの日本人に楽しんでもらえるような親しみのあるカジュアルゲームを作りたいです。3Dを使ったゲームもおもしろそうだなと考えています。

それと並行して、グローバルで成功するようなハイパーカジュアルゲームも作りたいです。たくさんの人に愛されるゲームを作り続けていけたらいいなと思います。

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