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自分の力を試したい。銀行員をやめて不動産ベンチャーを選んだCOOの決断

東京と札幌の2つの拠点で事業を展開するEZO CONSULTING GROUP株式会社(以下EZO)の採用担当三上早紀です。今回は田中雄土社長の右腕とも言えるCOOの油井航平さんに、大手銀行から不動産ベンチャーに飛び込んだ理由とおもしろさ、今後のEZOの展望について聞きました。

取締役COO 最高執行責任者 油井 航平

早稲田大学政治経済学部卒業後、2010年株式会社商工組合中央金庫へ入社。新宿支店にて中小企業向け法人営業を担当。2015年資金証券部へ異動し、多通貨資金繰り・債券レポ取引を担当した後、マーケット分野の法務・コンプライアンスを担当。2019年にEZO CONSULTING GROUP株式会社の取締役COOに就任。不動産コンサルティング事業の営業からコーポレートまで幅広くマネジメントを行う。2024年、ThisRev Technologies株式会社をスピンアウトして取締役に就任(兼任)。ロボティクスとデータの力で不動産業界のマーケティングに変革を起こす。

レールの上、ルールの中の成績は自分の実力か。悩んだ20代

——簡単にこれまでの経歴を教えてください。

新卒で商工中金に入社し新宿支店に配属され、中小企業向けの法人融資営業を5年間担当しました。最初の2年くらいは社会の厳しさや数字を上げる大変さに直面して、毎週会議の時間が苦しくて仕方なかったです。支店内で異動し、そこで仕事の基本をまた一から教わったおかげで、4年目には新規顧客開拓10億円を達成し、2位に2倍の差をつけて1位になりました。

その成果を支店長が評価してくれて、ずっと希望していた本部の資金証券部へ異動が叶いました。そこでは債券や為替のディーリングなどを経験しました。

こちらの部署では優秀な同僚や上司、そして4枚のモニターに囲まれ、スケールが大きく難しいながらも、達成感のある仕事に取り組む毎日で楽しかったですね。一方で組織としては小さくて、ペーパーレス化を進めるにはどうしたらいいかとか、冷蔵庫の使い方を決めたり、備品購入をしたりといった総務的な部分も自分たちで行っていました。

モニターが多すぎて部屋がとても暑いので、1台5000円のサーキュレーターを購入してほしいと備品の担当部署に言ったら、半年待ってくださいと回答されて。苦労の末4台購入してもらうことに成功したのを覚えています。

〈油井航平、東京オフィスにて〉

——大手企業で順調に活躍していたように思えますが、なぜ転職しようと?

「これは自分の力なのか、会社の力なのか?」と、ふと疑問が湧いたんです。

高校生や大学生の頃は、両親も名前を知っているような会社に就職することがゴールだと思っていました。有名な大学や企業にいくと両親が喜んで周りに自慢してくれて、なんとなくそれが正解な気がしたというか。「有名大学から大手企業という敷かれたレールの上を歩いておけば間違いないし、食いっぱぐれない」と考えていたんです。

でも社会人になって何年か経ってきて、もしかして違うんじゃないか?と。営業成績が1位になる、つまりクライアントが契約してくれる理由は「自分だから」ではなく「会社の看板や名前があるから」なのではと思うようになったんです。

周りの同級生やSNSで見かけるビジネスパーソンの活躍を見て焦りも感じるようになりました。この人たちってきっと、会社の名前をプロフィールから外しても自分の名前で仕事していけそうだよなって。

そう思うと自分のスキルにも自信がなくなってきて。社内のしがらみをスムーズに通過するための申請書作りとか業務時間の調整とか、特定の組織の中でうまく泳ぐスキルばかりを磨いているような気がしてきて。「ルールの中で何かするのがうまいだけで、ルールの外では大した価値を生み出せないんじゃないか」と危機感を抱くようになりました。

会社の外へ出ても自分の力が通用するのか知りたくて、転職サイトに登録したり、面接を受けてみたりしたところ、FinTech系企業や銀行などでは評価してもらえそうな手応えはありました。

しかしどこに転職するかは決めきれない。そんなときに、大学時代の同級生だった雄土と再会したんです。

渋谷の中華料理屋でワクワク。31歳、レールを外れて自分を一番必要とする場所へ歩き出す

——雄土さんとは大学時代からの仲が良かったのでしょうか。

顔と名前は知ってるけどそれ以外はよく知らない人、くらいでした。大学時代に所属していたバンドのメンバーが雄土と仲が良くて、ライブの打ち上げや飲み会に彼も参加していたんです。友達の友達ってやつですね。

——なるほど。どういうきっかけで再会したんですか。

キャリアに迷っていた30歳頃、春先だったかな。バンドメンバーから「雄土と飲むんだけど誰か一緒にどう?」ってLINEが来て、なんとなく行ったんです。その日はみんなで飲んで仕事の話や近況報告をして解散しました。

——そこから入社するまでの経緯、知りたいです。

ある日いきなり決算書を渡されて経営相談されたんです。それをみて課題を指摘したり、お金の借り方についてアドバイスしたりするようになりました。

そうしているうちにだんだんと「一緒にやろうよ」という雰囲気になってきて。「一回札幌来てよ」と札幌オフィスに行ったのが2018年の夏です。

その夜に飲みながら「油井の持ってる金融の知識と不動産を組み合わせてこんな事業をやってみたいんだ」ってアイデアを聞かされたんです。すごく面白そうな事業だったし、自分がしてきた経験も役に立つし、「やりたい!」って思って。

金融業界での転職を考えていましたが、「自分を一番必要としてくれる場所で働くのが幸せだろう」とEZOへの入社を決めました。

〈2019年の忘年会。写真中央:田中雄土社長、右:油井航平〉

——本格的にEZOに入社してからは、どんな日々でしたか。面白かった仕事や印象的な出来事など聞きたいです。

出社したらいきなり売買が入ってて、それからの最初の1年間、激動だったな。

当時のEZOは設立から4年経ったくらいで、より組織として成長していくために、これまであったものを壊してまた作り直すフェーズ。不動産管理部門の会社分割と売却、札幌オフィスの移転、東京オフィスの再進出など、今の会社の土台を作った期間でした。働く環境づくりも整えるために社内コミュニケーションの中心をメールからSlackに変えたり、化石化してたCRMを解約したり、人も必要だから採用もやったり。

仕事の種類というよりも、自分で決めたことがすぐに動き出すスピード感が面白いですね。大手にいると基本的にはありえないスピード感は、難しくもあり、今も変わらない面白さです。サーキュレーターもすぐに買えます。

判断には怖さや不安が伴いますが、「自分が会社に影響を与える意思決定をする」経験は、ベンチャー企業のCOOの立場にならないとできなかったんじゃないかな。

——大手の一会社員に比べて、ベンチャーのCOOとなると意思決定にかなり責任が伴いますよね。失敗できないって思ってしまいます。

自分で意思決定をしないと視座が上がらないし、判断材料が揃わない曖昧な状況で意思決定をするためには数をこなすことが欠かせません。だから何回も転んで覚えてきたという感じです。振り返るとこれは失敗したなという意思決定もあります。

大手企業にいる方は自分で決めることは少ないかもしれません。しかし誰かに意思決定してもらうために判断材料を集めロジックを組み立てる経験はたくさん積んでいて、ノウハウが身に付いているのではないでしょうか。僕自身も最初に大手に就職してよかったところだと考えています。

失敗するかもしれませんが、「どのように思考したのか」「なぜ決めたのか」という考えの過程や判断の根拠を残しておけば見直しができます。「決断は正しかったが、その後の実行段階でトラブルが起きたのかもしれない」とか、「そもそも前提条件が間違っていて意思決定に影響を及ぼしたのかもしれない」など。

EZOは意思決定にチャレンジできる環境ですから、数をこなし、時には失敗してほしいと思っています。僕はチャレンジできる環境やチャンスがある環境は、「リカバリーができるチャンスがある」環境だと思っています。最悪、失敗してもいいんです。失敗を恐れるよりも意思決定の場数を踏んで、失敗したら振り返って、次に生かす。そうして意思決定の精度をあげていってほしいです。

——誰かに意思決定してもらうスキルで、自分で意思決定する力を磨けるということですね。

今思うと、EZOに入社して初めて自分の意思でレールみたいなものから外れて、自分の足で歩き始めた気がします。

周囲が「すごい」と自慢してくれるであろうレールを想像して、その上を歩く。そのレールって自分で敷いたものでもない。

だけど実力と自信があれば自分の道を自分の足で歩いていける。自分がレールを敷くことだってできます。会社の看板や名刺がなくても、ビジネスの場でやっていける。そう思えるようになりました。

不動産開発からまちづくりへ。業界をリードする不動産テックを目指すために

〈東京オフィスでミーティングをする社員ら〉

——EZOの未来についても聞きたいです。

僕たちは不動産の「色あせない価値をつくる」ことを掲げています。それには土地や建物それ自体だけでなく、人々が面白いと感じて集まってくるようなコンテンツをつくることも大事だと考えています。将来的には、まちづくりをしていくような影響力の大きい会社になりたくて。実は札幌でとある場所で土地を購入し、おもしろい場所にしていく企画が進行しています。

——おもしろい場所!楽しみです。

そのためには企業体力が必要ですから、もっともっと会社を大きく、強くしたいと考えています。資金も蓄えなければいけません。会社の売上をあげるため、効率よく仕事ができる仕組みづくりも必要ですし、たくさんの仲間が集まって気持ちよく働ける環境も整えなければいけません。

——たしかに乗り越えなければいけない課題はたくさんありますね。

目下の課題は営業にロジックをもたせることです。営業のマネジメントができるようになりたいとも言えます。現状はお客さんから不動産売買に関する反響をいただいて営業がスタートしたら次のチェックポイントが「成約」もしくは「失注」になってしまっています。

しかし成約もしくは失注の結果に辿り着くまでにいくつかのステップがあるはずなんです。そこを可視化し、どこに成約または失注の要因があったのか振り返りができるようにしたい。営業成績が上がる根拠を持たせ、再現性がある営業をしていけるようにしたいです。

——なるほど。そんなチームを作るためにどんな人に仲間になっていただきたいですか。

たとえば大手の会社だったらロジカルな営業がもうある程度構築されていると思うんです。そのための仕組みやツールも揃っていると思います。そういった経験や知識を生かして、一から仕組みづくりをしていきたい!という人にEZOに興味をもっていただけたらうれしいです。

不動産業界の経験はない方がいいです。全く別の業界を経験していて、僕たちの想像がつかないような経験や考え方、価値観もEZOにどんどん取り入れていきたいです。EZOのテーマは「常に変わり続ける」ですからね。

一人ひとりが個性や得意なことを生かして仕事に取り組んだ結果、会社の業績がアップして業界をリードする不動産テックになっていく。そしてさらに力を発揮したい人が集まる。働く人の憧れの会社になっていきたいと考えています。

これまで身につけてきた知識やスキル、成功や失敗などから得た学びや経験など、今の自分の力でどのくらいの裁量の仕事ができるか試してみたい。ルールに縛られずクリエイティブなことをやってみたい。そんな挑戦できる職場を探しているという方を、ぜひお待ちしています。

EZO CONSULTING GROUP(株)では一緒に働く仲間を募集しています
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