株式会社Final Aimは、「新産業・新文化創造」をミッションに、企業の制作・デザイン・クリエイティブ部門が生成AIを活用する際の知的財産やセキュリティ上のリスク低減を支援する、自社開発プラットフォーム「Final Design」を提供しています。ヤマハ発動機やHondaをはじめ、製造業を中心とした大手企業への導入を進めてきました。
今回は、自身の会社であるバイタリティ株式会社を経営しながら、Final Aimでは営業・事業開発を中心に幅広く関わっている堀口に話を聞きました。
<プロフィール>
堀口 富(ほりぐち とむ)
東京大学経済学部卒業後、パナソニック入社、ドイツ駐在。大手企業にて製造業を中心に多様な業界・職種の転職支援。その後ベンチャー企業にてシンガポール法人を設立、現地法人社長に就任。2014年より大手企業参画。製造業を中心に企業の成長を支援。2025年バイタリティ株式会社を創業、代表取締役社長に就任。ドイツ、フライブルク大学に留学経験あり。2025年にFinal Aimへ参画。
パナソニックから人材業界、そしてFinal Aimへ。一貫して求めてきた「0→1」と「海外」
―まず、自己紹介をお願いします。
学生時代はテニスサークルの活動にほぼすべての時間を費やしていました。2000年に新卒でパナソニックに入社し、海外研修生としてドイツに駐在して海外営業を経験しました。帰国後はインテリジェンス(現パーソルキャリア)で人材紹介業に約6年携わり、その後、教育関連のベンチャー企業でシンガポール法人の立ち上げと現地法人社長を経験しました。帰国後はリクルートエグゼクティブエージェントで、製造業を中心とした経営層・幹部人材の紹介に約11年携わり、2025年にバイタリティ株式会社を創業しました。
―キャリアを振り返って、一貫して大事にしてきた軸はありますか。
0→1のフェーズであることと、海外に関わることです。ドイツでの駐在時代に、伸びる市場で仕事をすることの重要さを実感したのが原点だと思います。その後の転職も、どこかその2つの軸に引き寄せられる形で選んできました。インテリジェンスでは急成長期の会社をプレイヤー・マネージャーとして経験し、その後もう一度0→1のフェーズで挑戦したいという思いから、シンガポールでの法人立ち上げに携わりました。エグゼクティブエージェントでの経験も、それまでとは違う経営層向けの新しい領域への挑戦として選んだものでした。
―Final Aimへの参画は、どのようなきっかけだったのですか。
朝倉さんとは以前からの知り合いで、独立した際に営業を兼ねるような気持ちで訪ねたところ、手伝ってほしいと声をかけていただいたのがきっかけです。惹かれたのは、グローバルを見据えた事業展開であること、そして新しい領域を手がけていることでした。自分がこれまで大事にしてきた軸と重なっていたのだと思います。
―自身の会社を経営しながらFinal Aimにも関わっていますが、どのような形で携わっているのですか。
Final Aimでは営業・事業開発を中心に、実務レベルでかなり深く入り込んで動いています。もともと朝倉さんと横井さんの2人だけで動いていた組織で、2人がお客様対応に専念できるよう、代わりに動いたり、必要な場面では単独で対応したりする役割も担っています。週によって比重は変わりますが、展示会が近いタイミングなどはFinal Aimの業務がほとんどを占めることもあり、実態としては自分の会社と半々くらいの感覚で向き合っています。
―具体的には、どのような業務を担当されているのですか。
営業・事業開発のサポートが半分程度、展示会などのイベント対応が3分の1、採用まわりのサポートが3分の1といった配分で携わっています。
ネットワークも、実績も、少人数で築き上げてきたFinal Aimが、これから向かう先
―Final Aimに入ってみて、イメージが変わったことはありますか。
朝倉さんと横井さんの2人が中心となって動いている、0に近いフェーズの組織だろうという想定は、実際に入ってみてもその通りでした。
一方で、驚いたのは、その少人数の体制で、2019年の創業からこれまでの間に、アメリカを含めた国内外のネットワークや実績をここまで築き上げていたことです。特に、事業として深く掘り下げてきた領域の選び方が的確だったと感じています。
―製造業や人材紹介での経験は、Final Aimでどのように活きていると感じますか。
パナソニックでの経験を通じて、製造業がどのような工程でものづくりをしているのか、デザイン工程や開発工程がどう流れているのかを理解していることは、大きな強みになっていると感じます。また、エグゼクティブサーチの仕事を通じて、企業の上位層とのコミュニケーションに慣れていたことも、Final Aimのお客様との関係構築において役立っていると思います。
―経営層としての経験と、現場での実務を両方担うことについては、どのように感じていますか。
これまでのキャリアの中で、視点が変わった経験が2回あります。1つはインテリジェンスでマネージャーになったときに、自分の部門だけでなく事業全体をどうスケールさせるかという視点を持つようになったこと、もう1つはシンガポールで現地法人の社長を務めたときに、資金繰りを含めたビジネス全体の視点を経験したことです。どちらか一方の視点だけでは足りず、両方を行き来しながら動くことが大事だと感じています。
―カジュアル面談への継続的な登壇など、地道な業務にも多く関わられていますが、そうした業務への抵抗感はありますか。
まったくありません。もともと、そうした地道な作業を面倒に感じるタイプではないんです。スケジュール調整や事務的な連絡作業を面倒だと感じる人もいますが、自分はあまり気にならないタイプで、小さな会社にいた時期はそうした作業を自分でやらざるを得ない環境にずっといたので、慣れているところもあると思います。パナソニックやリクルートにいた頃も、役職の高い人も自分で資料をコピーしていたり、細かい作業を自分でこなしている姿をよく見てきました。地位が上がったからといって現場の作業から離れるものではないと、当時から感じていたので、今もそのことに違和感はありません。
―今のFinal Aimの組織については、どのように感じていますか。
まだ組織というよりも、力のある個人が集まって、これから組織を形作っていく段階にあると感じています。今後、新しく加わる人によってどんな化学反応が起きていくのかが楽しみです。朝倉さんという軸はありますが、同じ個性のコピーが増えるのではなく、それぞれが自分の個性を発揮しながら形を変えていく過程が面白いところだと思っています。
市場の形そのものを、自分たちの動き方で切り取っていける面白さ
―この1年で、市場の変化を感じる場面はありましたか。
生成AIによる画像・動画分野は、1年前と今とでプロダクトのレベルも顧客の反応も大きく変わっています。1年前は展示会で生成AIの話をしても反応が薄いことが多かったのですが、今はお客様から具体的な関心や、実際に活用しているという話が返ってくるようになりました。予算を取って本格的に取り組もうとする企業も、この1年で明確に増えています。
―そうした変化は、以前の人材紹介業界の経験とも重なる部分がありますか。
2004年に人材紹介の仕事を始めた頃は、転職や人材紹介サービス自体がまだ一般的ではありませんでした。今ではどちらも当たり前になっています。Final Aimが取り組んでいる領域も、同じように今はまだ早い段階にありますが、これから当たり前になっていく過程にあると感じていて、そこが面白いところです。
―今、組織としての課題はどんなところに感じていますか。
人、特に仲間を増やしていくことだと感じています。これまでは、他社に対して自社の強みを押し込んでいくようなプッシュ型の営業ではなく、お客様の関心に応えていくプル型の営業が中心でした。ただ、最近はお客様からの関心が高まっている一方で、それに応えきれていない状況が生まれています。だからこそ、一緒に伝えていく仲間が必要だと感じています。
―営業という仕事の面白さについては、どのように感じていますか。
この領域は、お客様もまだ生成AIを使い始めたばかりで、いわばみんなが同じスタートラインに立っている状態です。プロダクト自体も日々進化していて、何が正解かがまだ誰にも分かっていません。だからこそ、お客様と一緒に「これは面白いですね」と話しながら、答えを探っていけるところが、この仕事の面白さだと思っています。売り込むというよりも、お客様の関心に応えながら、一緒に可能性を広げていく感覚に近いです。自分たちの動き方や伝え方次第で、この市場の形そのものを切り取っていける段階にあるというのは、営業として関わっていてすごく手応えを感じます。
―どんな人と一緒に働きたいか、教えてください。
AIへの深い専門知識がなくても大丈夫だと思っています。それよりも、新しいビジネスや新しい領域に興味を持てる人、何かを作っていくことに喜びを感じられる人と働きたいです。関わる領域も製造業だけでなく、ゲームや広告、エンタメなど幅広い分野に広がっています。生成AIや知的財産と聞くと難しく感じられるかもしれませんが、実際に関わっているのはデザインやクリエイティブなど、誰もが日常的に触れているものです。身近なところに関わる仕事だからこそ、新しいことに関心を持てる人には向いている環境だと思います。