採用チームの小瀧です!
FiNC Technologiesに入社してまだ1カ月ほどですが、日々採用活動に従事しています。
今回の記事は、エンジニア採用活動をする中で、候補者の方に言われた
「FiNC Technologiesさんって何を解決する会社ですか?」
というさりげない質問がきっかけです。
今回の記事では、「FiNC Technologiesが何を解決するために、どんなことに取り組んでいるのか?」が伝わる様に、弊社代表取締役CTO南野に人事小瀧が社内インタビューを行いました!
日本ディープラーニング協会理事、FiNC Technologies 代表取締役 CTO 南野充則
小瀧:それでは南野さん、よろしくお願いします!
南野:広報から、「Google Playベスト オブ 2018で着ていたピンクのカーディガンは今後メディアに出るときは禁止ですw」って注意を受けたので、今日はちゃんとした格好で来ました。ピンクのカーディガンは僕のトレードマークなので本当は推していきたいのですが(笑)
よろしくお願いします。
Google Play ベスト オブ 2018 「自己改善部門」の大賞受賞時の一コマ
小瀧:確かにジャケット着ていることはないですよね(笑)。
それでは早速本題に入りたいと思います。私も南野さんから直接聞きたかったのですが、FiNCがやってることを一言でいうと何になりますか?
南野:「すべての人にパーソナルAIを」の実現ですね。
小瀧:パーソナルAI?具体的にはどんなものでしょうか?
南野:データを集め、AIのアドバイスエンジンを使い、一人ひとりにパーソナライズした健康のサポートをするサービス、と理解してもらえればよいと思います。アドバイスエンジンによって、専門家なみのアドバイスが安価に、場所の制約なく、個人に最適化されて提供できるようになる。個人の経験でなく、大量のデータから計算されたより精度の高いおすすめやアドバイスができるイメージです。
小瀧:なるほど。確かにそれだとユーザの方も手頃に扱えますし、普及しそうですね。これも南野さんに直接聞いてみたかったのですが、実現するためにどの様なデータをどれくらい集めているのですか?
南野:そうですね、それを実現するために2年ほど前のリリース当初から、歩数・食事・体重・睡眠・生理などのライフログデータから、身長・年齢・性別・健康の悩みなど多くのパーソナルデータの取得に取り組んできました。
今では先程のデータに加え、FiNC Mallや遺伝子検査サービスなどの事業にも着手してきたため、購買データや遺伝子検査のデータなどのデータも取得できています。データ量でいえば、ライフログデータだけでも23億以上のデータ量を保持しているので、これはウェルネス・ヘルスケア領域でもトップクラスのデータ保有量だと思います 。
小瀧:そうだったんですね!その頃から既にヘルスケアプラットフォームとしての構想があったわけですね。これまで培った技術や蓄積したデータをベースとして応用すると、中長期にはどの様なところまで出来る様になりますか?
南野:はい。将来的には、保険料の算定や医療費の予測、病気のリスク検知などもデータを使って取り組んでいけると考えています。今は予防のためのというのが現状だと思いますが、これが実現することによって予防領域だけでなく、医療領域に弊社のデータを使っていけるフェーズになると思います。すでに海外では「Vitality(南アフリカ)」の様な事例もあるので、自社においても、法改正・保険会社様とのもう一歩踏み込んだ提携等が具体的になれば、実現できると目論んでいます。
小瀧:南野さんは海外にも自ら積極的に足を運んで、情報を取られていますもんね。 私も聞いていて、とてもイメージが湧きました。これらの取り組みをFiNC Technologiesが行う理由や、どれくらいチャレンジングなのかについてもお聞きしたいです。
南野:健康に関するデータはいままでデータ化されてなかったんですよね。あっても結果しかなくて過程のデータが無かった。なので、我々がはじめて「過程」から「結果」までのデータを取得して、データによるパーソナライズを実現しようと考えています。
これをFiNC Technologiesが実現できる理由は、FiNCアプリのユーザー数と継続率が圧倒的に高い点です。具体的に言うと、マーケティング力とRR=Retention Rateがあるからです。最も大事なのは母数と継続率。2017年3月にFiNCアプリが正式にローンチしてからずっと取り組んできましたが、ようやく大きく成長する基盤が整ったなと。
小瀧:確かに、過程から結果まで含めたパーソナライズはユーザにとって大きな価値になりそうですね。先ほど仰っていたRRとユーザー数について、もう少し具体的に伺ってもよろしいでしょうか?
南野:はい。FiNCアプリのRRは世界でも戦えるレベルまできています。累計約100億円超を調達した意味もここに含まれており、グローバルマーケットでも十分に勝機はあると思います。 (次図)
AppAnnieの数値をベースにしたグローバルヘルスケアトップアプリの平均RRとの比較
小瀧:確かにこのデータを見れば、グローバルで見てもRRは高い水準を誇っているのが分かりますね。ユーザ数の点についてもぜひお願いします。
南野:はい。次にユーザー数です。2018年1月でFiNCアプリはDL460万以上、ライフログデータ数は23億以上まで到達しました。
南野:上記の様に、リリース後1年半で300万DL、先月で460万と、500万DL も見えてきたので、当然DL1000万も見据えています。CPIもかなり抑えられていて、資金調達もできているので実現可能だと考えています。
小瀧:ありがとうございます!これだけ聞いているとすごく順調に見えますが、困っていることはないんですか?(笑)
南野:そりゃあいっぱいありますよ(笑)その中でも特に、「一つひとつの体験をよりパーソナライズしていく→それをシステムで実現していく」という点はエンジニアリングにおいてチャレンジングな課題ですね。
RRをあげるために、UXを直して様々な改善に取り組んできましたが、今後は人力でなく、システムで最適化していく必要があります。そのためのアルゴリズムの設計・開発ですね。
ライフログを入れれば入れるほど、最適なアドバイスが届き、ユーザはさらに続けてくれる、という流れをテクノロジーから推進していきたいのです。
今は人力6割:テクノロジー4割ぐらいなのですが、2年後には人力1割:テクノロジー9割にしたいと思っています。
小瀧:そこが一番解決していきたいところなんですね!現状のFiNC Technologies開発チームリソースや技術でも解決できそうでしょうか?
南野:それで言うと、技術もリソースも足りてないですね。
データから複数のアルゴリズム(モデル)をつくって、仮説検証・改善を重ねながら並行してデータを集め、より精度の高いレコメンドを届けていくための開発を行うメンバーはもっと必要ですね。
小瀧:ありがとうございます。加えて詳細を伺いたいのですが、それぞれのポジションが取り組む課題解決についても教えてください。
南野:そうですね。ポジションごとで取り組んでいきたい課題としては、
PMだと、「どこをどうパーソナライズをすることで、専門家並のアドバイスを提供できるか?」っていうところになりますし、
Data Scienceだと「大量のデータからクリティカルな課題を導きだす、解決のためのモデル設計」になります。
Clientだと、PM/data/Devと一緒に「よりリッチなUXの設計と実装と、大規模なサービスの設計・安定的なデリバリー」ですね。
Serverは「パーソナライズやプラットフォーム化へ向けてのバックエンド設計、スケーラビリティへの対応」です。
↑ FiNC Techinologiesのエンジニアチーム。社内では勉強会やLT会などもよく開催しています。↑
小瀧:それぞれとても面白そうなテーマですが、それぞれ詳しく聞くと尺が足りないので、詳細は募集要項にぜひ反映したいです(笑)
では、そろそろ最後に未来の話に移っていきたいと思います。
聞かせていただいた中長期を見据えた上で、今は何をテーマにしていますか?
南野:色々ありますけど、技術と事業を掛け合わせた時の不確実性と実現可能性のバランスですかね。
今、現時点で有用な技術と、数年後に有用な技術をそれぞれ分けて研究しています。
技術的な観点から言うと、自社が積み上げてきたアセットを応用すれば、これから5~10年先までかなり面白いことを先進的に取り組んでいけるだろうなという感覚はありますね。
小瀧:不確実性と実現可能性!確かに確実性が高いだけでもエンジニアの皆さんは面白みに欠けますし、不確実すぎても不安ですよね(笑)先ほど技術的な観点とコメントされていましたが、技術の面で重点的に取り組まれていることがあれば教えてください。
南野:主に3つですね。
①マシーンラーニング ②UI/UX ③プラットフォームを描き・支えるバックエンド技術です。
まずマシーンラーニングにおいては、専門家のやっていることをAIでやるということです。
Deep learningの発達で、機械が目を持つ時代に突入しました。それによって、自動化がどんどん進みます。
内閣府 革新的研究開発プログラム「ImPACT」で国の支援を受けて研究しており、2016年からはウェルネス・ヘルスケア領域に特化した人工知能研究所 「FiNC Wellness AI Lab」も設立して、松尾研究室との協業・研究開発にも取り組んでいます。
UI/UXも手間なく不可なくデータを集められるようにするために大事です。
手動最適化=UI/UXの最適化になりますし、自動最適化=自動データ取得・連携です。
最後にバックエンド技術ですが、私たちが実現したいウェルネス・ヘルスケアプラットフォームの実現において、AI・機械学習以上にclient/Server/SREが重要だと私は思っています。
むしろAI系の人だけではいいサービスは作れないとも考えています。
AIエンジニアだけじゃなくてもできる未来があります。
すべての人にパーソナルAIを届けるために各分野のプロフェッショナルが不可欠です。
小瀧:ありがとうございます!今回のインタビューを通じて、FiNC Technologies開発チームの過去・現在・未来への解像度が私自身も上がりました。最後に何か伝えたいメッセージがあればコメントをお願いします。
南野:AIエンジニアだけではないという話を最後に触れましたが、FiNC Technologiesは松尾研究所も支援してくれているので、AI x XXのT字型人材へとステップアップできる環境を用意しています。
今の自分の強みに加えて、AI技術を活かせるメンバー・チームにしたいと思っています。
FiNC Technologiesはそういった人材になりたい方を必要としていますし、作っていく強い意思を持っているので、少しでもご興味を持ってくださる方がいればぜひお会いしたいですね。
小瀧:南野さん、長時間に渡るインタビューありがとうございました!
終わりに
もしこの記事を読んでFiNC Technologiesのサービスに興味を持たれた方がいましたら、ぜひお気軽に有楽町のオフィスに遊びに来てください^^
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