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『世界で見えたFITSの可能性...日本流の豊かさって?』-海外事業開発チームインタビュー-

<プロフィール>

伊藤 達哉(いとう たつや) 

2016年 新卒入社営業部にて大手ディスカウントストアドン・キホーテなどの国内営業を経験した後し、2018年5月よりマーケティング部海外営業チームへ異動。現在は中国越境ECや中国事業体制の構築をメインとした海外営業に従事。

<編集>

フィッツコーポレーション2021年新卒入社 森野 達平(もりの たっぺい)

今回は海外営業チームにお話を伺いました。FITSの企業文化である「明日も行きたくなる会社」について質問したところ、伊藤さんは「明日も行きたくなる会社とは存在しないと思っている」という衝撃的な回答。詳しく伺うと、「これはあくまでキーワードにすぎず、どんな形で実現するのかを常に考え続けることが、明日も行きたくなる会社につながる」「そのため、自ら動くオーナーシップと、個人・会社・社会の利益へと視野を広げることを大切にしている」とのことでした。そんな伊藤さんが情熱を燃やす海外営業の仕事。「FITSの海外営業ってどんなところが面白いのか?」この問いの答えを求めてインタビューしてまいります!

<1.海外”営業”?>

-森野-

本日はどうぞよろしくお願いします!まずはじめに、海外営業チームはどんなお仕事をしていらっしゃるのかを教えてください!

-伊藤-

海外営業は営業という名前がついていますが、営業以外の領域にも深く関わっているので、みなさんが想像している営業担当とは少し違うのではないかと思っています。大きく分けると機能は2つあり、①海外のお客様にどうやって商品を届けるか②お客様に購入していただくために、現地のニーズからプロモーション~販売までを一気通貫で考えていくのが僕らの仕事です。①はまさに貿易で、日本と異なる海外の薬事規制の把握や商品登録など、お客様が商品を手に取れる状態を作るためだけにも様々な課題をクリアしていく必要があります。②は代理店様に販売を丸投げするのではなく、代理店様と一緒に現地で売れる仕組みづくりをしていくことを大切にしています。現在の事業としてはアジア、特に中国や韓国を中心に事業を立ち上げています。新しいマーケットを切り開いていくという状況で答えがない中、新規の代理店様との交渉を進めて、ようやく形になってきたという段階です。

-森野-

なるほど、まさに今マーケットを開拓している最中なんですね!

<2.一度は撤退…そして再チャレンジ!>

-森野-

FITSでは海外事業から一度撤退して、現在再チャレンジをしていると伺っています。いまFITSの海外事業は以前と比べてどんなフェーズにあるのでしょうか?

-伊藤-

過去FITSは48か国にまで事業を拡大していました。「日本から世界へ」というFITSが掲げる夢を追い続けましたが、2008年のリーマンショックをきっかけに一旦ブレーキを踏むことになりました。現在、世界への再チャレンジをするにあたって、前回進出時との違いを挙げると3つあります。まず1つ、現在は「選択と集中」のフェーズにあると言えますね。前回は各国にどんどん進出する範囲を広げていきましたが、現在はまずアジアでプレゼンスが高いフレグランスカンパニーという立ち位置を狙っていて、特に中国にリソースを集中させています。2つ目には「顧客視点でのマーケットの深堀り」に注力しています。これまでは日本で生まれた商品を海外に輸出するという構造でした。しかし現在は各国の購買者データを収集・分析、商品企画に速やかにフィードバックすることで、現地に合わせた戦略商材にチャレンジしています。プロモーションも、どうやったら共感していただけるかをお客様の視点になって練っています。最後に「全社でのチーム組成」を進めています。海外事業では各国で法規制や薬事規制が異なっており、スピードをもってプロジェクトを進めるには私たち海外営業のチームだけではできません。法務・薬事・財務などと全社一丸となってマーケットを開拓していっています。

-森野-

綿密にマーケット調査をしつつ、どう戦っていくか戦略を練っている段階なんですね!ちなみに調査方法はヒアリング以外にどんな方法があるんでしょうか?

-伊藤-

デプスインタビューと呼ばれるヒアリングの他にも、ビッグデータの解析やオフラインの店舗に直接足を運んでの観察など、その場面によって使い分けます。今はコロナ禍でオンラインの可能性を模索しているところですね。

-森野-

なるほどなるほど…お話がどんどん専門的になってきましたね…!調査を進めていく中で、中国と日本ではどんなマーケットの違いが見られるのでしょうか?

-伊藤-

1つは、中国では購買のデジタル化がかなり進んでいることが挙げられますね。ECの普及率は世界一で、PCではなくほとんどスマホで購入するという特色があります。当然、支払いもアリペイなどの電子決済。オフラインを起点に考える日本のマーケティングとは違い、中国ではオンラインとオフラインを融合してアプローチを考える必要があります。他にはZ世代(1996~2012生まれの若者)の購買力の高まりが顕著ですね。彼らは6つの財布を持っている(両親・祖父母)とされており、消費に大きな影響を及ぼすポテンシャルがあります。グローバルカンパニー各社でも彼らに合わせたマーケテイングを行っています。

-森野-

そんなにデジタル化が進んでいるとは衝撃でした!購買トレンドが大きく異なると、やはり戦略を柔軟に変えていく必要があるんですね。

<3.世界で見えたFITSの可能性…日本流の豊かさ?>

-森野-

昔から香水に強い欧米や、デジタル化が進む中国を相手にビジネスをする中で、日本のFITSの戦い方が気になります!FITSのリクルートサイトには「日本流の豊かさを伝える」とありますが、どんなところに可能性を感じていますか?

-伊藤-

とても大事なところですね。世界のトレンドでみると、たとえばApple Inc.が“designed in california assembled in china”で展開しているように、FITSも表参道を起点にものづくりをしていきたいと考えています。そこで重要になってくるのが、日本流の豊かさをものに落とし込むことです。これはどうすればよいか、すごく難しい問題なので私たちが考え続けているところです。フレグランスを例にとると、世界では基本的に、フレグランスはファッションの一部だと考えられています。欧米のファッションの特徴は性的誘惑性と階級社会の象徴にあるといわれており、日本にはこの傾向が少ないといわれています。日本はそういった「他者への印象」とは異なる部分に美学を感じてファッション文化を形成してきたといわれています。例えばパフュームスティックという商品は、こういった文化の違いに着目して、「”他者へのアピール”というよりは、”自分が楽しむ香り”」という視点も踏まえて誕生しました。こういった日本らしいマインド・文化を香りに落とし込んでアジアや欧米に発信していきたいと考えています。

<4.立ちふさがる壁とその先に見据える景色>

-森野-

FITSの海外営業はかなりチャレンジングな印象を受けますが、これまでにぶつかった壁はどんなものがありましたか?

-伊藤-

正直、壁ばかりだと痛感しています。ぶつかった経験として、1年間タイで主に活動していた時のことです。海外ではFITSを知られているかどうかが国内営業との大きな違いです。お取引先様がFITSの事業も規模も知らないところから説明しないといけません。アジアNO.1のドラッグストア様との商談の際、アジアでよく売れているパフュームスティックの商談に臨んだところ、売価のみで制限をかけられてしまい、商談が始まって5分で門前払いをされてしまいました。当時はとても悔しく、このお店でFITSの商品を販売することが、ひとつの夢としてあります。一方で壁を感じながらも乗り越えられた経験もあります。タイでNO.1のバラエティショップ様との商談の経験です。商談は英語で話すのですが、お互いに第二言語のためコミュニケーションがうまくいきません。また先方は大手のため立場の違いを感じたり、真面目に取り合ってくれないなんてこともありました。しかし何度も足を運んで商談を重ね、ラブ パスポートをいちばん目立つ場所でプロモーションしてもらえたことは嬉しかったですね。実績も伴ってきてお互いにWIN-WINの関係になってきたことも喜びのひとつです。海外営業は壁がたくさんありますが、FITSのビジョンで掲げている「世界をときめかせるライフスタイルの創造」というキーワードにある通り、私たちは世界を相手にビジネスをしていくという想いがあります。自分や他にも同じチームの若いメンバーがFITSの夢を背負わせてもらっていることは、壁にぶつかっても乗り越えていけるモチベーションになっています。

-森野-

貴重なお話ありがとうございました!

<インタビューを終えて>

ビジネスのスケールの大きさもさることながら、仕事への熱量を浴びてインタビュワーの私もふつふつと興奮しました。さて、冒頭で提示した「FITSの海外営業ってどんなところが面白いのか?」という問い。私は日本文化という強烈なアイデンティティを背負っていることだと感じました。FITSは商品だけではなく、日本流の豊かな文化を世界へ発信しようとしています。お二人の話を伺いながら、日本のブランドがもつ可能性が光るのを感じてワクワクしました。

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