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ただ生きるな。他人に影響を及ぼす人生であれ。恩師の言葉を胸に突き進む

一人親・弟妹5人の計7人家族の長男である安室朝常(Amuro Tomotsune) 。常に生活は苦しく、高校時代からアルバイト漬け。大学進学後も飲食、建設などのアルバイトに明け暮れた。先が見えない苦しさに沈みそうになるなか、恩師との出会いが人生を変えた。行動が出会いを生み、徐々に拓ける道。自分次第で人生を変えることができると知った安室は、以後、ブレずに突き進む。強靭な意志に基づくそのふるまいは、フォースタートアップス(以下、フォースタ)でも格別な輝きを放っている。

一つの出会いをきっかけに拓けた世界。人生で初めて「選択肢」を手にする

▲HR交流会での記念写真

アルバイト漬けの毎日に焦りを感じた安室の第一歩は、時間をやりくりして大学の演習に参加したことだった。「関東サッカーリーグチームの集客をプロデュースする」というテーマの演習で、これが人生を変えた。初めてチームで何かを成し遂げる経験をし、恩師にも出会った。恩師から授かった「人生とは、ただ生きることではなく、他人の人生にどのような影響を及ぼしたか」というネルソン・マンデラの言葉が、安室の心に刺さった。

「それまでは長らく生きるために働いていました。自分は“選択肢”というものを知らなかった。この出会いで変わりました」と安室は振り返る。「人に影響を及ぼす仕事をする」という人生の目標ができた瞬間だ。その後、恩師のゼミに参加して組織心理学と管理会計を学び、ビジネスパーソンと関わる機会も得た。そして興味関心が広がり、とあるHR交流会に飛び込みで参加したことをきっかけに、デロイトトーマツベンチャーサポート社でインターンをすることに。1つの出会いが次々とつながった。

インターンで担当したのは、スタートアップのピッチイベントだ。運営に携わりながら、インターン期間中に延べ200名ほどの起業家の話を聞いた。それはまったく知らなかった世界だった。安室はテクノロジーの偉大さを痛感した。

「私の人生はひたすら目の前の人に、自分の体を資本として労働を提供するものでした。でもテクノロジーで提供できるものがある。世の中の価値はシフトしていると知りました」。起業家が未来志向で不可能を可能に変えていく姿も、純粋にカッコイイと思った。

このとき抱いたスタートアップへの憧れが、後にフォースタへの道を拓く。とはいえ家庭事情もあり、新卒の就職で経済的リスクはとれなかった。まずは専門性をつけるべく、ゼミで専攻した組織心理学と管理会計を深めようと、中小企業向けに管理会計の導入や組織コンサルティングを手がける大企業に就職した。

挫折を経験→社内で奮闘するも、やや空回り。フォースタメンバーの話に共感

就職先は大手メーカー系列のコンサルティング会社。研修は半年間に及び、安室にとってはもどかしい日々だった。研修を終え、やっと先輩社員についてクライアント先へ。が、早速挫折した。「経営会議に参加してアドバイスを出す場面で、自分なりに必死に考えてきたことを伝えたのですが、まったく響きませんでした。力不足を知りました」。

早く現場に出たい。出ればきっと意義のある仕事ができるはず―。そんな思いは粉砕され、帰り道で悔し涙を流すほどに堪えた。相手に何かを提供できなくては価値がない。そして、ベースに信頼がなければ相手に響かない。以後、この挫折は自分で乗り越えるしかないと思い、謙虚な姿勢と自己研鑽を意識するようになった。そして、クライアントへの価値提供のレベルを高めていこうと、本業のクライアントワーク以外にも積極的に動いた。手を挙げて社内の業務改善プロジェクトを立ち上げ、他部門の案件や産学連携の取組にも積極的に関わった。いつしか安室は、社内で意識高い系の若手として有名になっていた。

一方で限界も感じていた。「当時支援していた会社は概して経営が苦しいものでした。前職は仕組みを導入する立場でしたので、強い組織にするために仕組み自体は工夫を凝らすべきだと考えていますが、仕組みを回す人の意思と強さ次第で効果が変わるのだと感じていました」と安室。ほんの一部分の解決しかできていないことへの問題意識を抱いていたところに、コロナが起きた。案件が減って時間ができたため、安室は社外にアンテナを広げ、いろいろな業界の人の話を聞いた。その中にフォースタのメンバーもいた。

「話してみると共感できることが多かった。感じたのは社内外の“誰”と“何を”成すかが大事ということです」と安室は言う。社内で奮闘するも「意識高い系の若手が何かやっている」という扱い。クライアントとなる中小企業の多くは管理会計の仕組みを変えることで利益率を高めることができても、産業の構造的な問題で売上は低迷。打破しようと社内でさまざまな提案をしても、伝統を変えるようなことは受け入れられることなく、自分が出せる価値に限界を感じていた。

そんな中で、フォースタは壮大なミッションの下に、さまざまなバッググラウンドで志のあるメンバーが集い、パートナーを組むクライアントも魅力的で、大きな可能性を感じた。間近に見てきた経営不振にあえぐ中小企業群。紛れもない日本の一面であり、これを解決するにはフォースタメンバーと一緒に、テクノロジーを使う新産業を創るべきだと思ったのだ。安室はフォースタへのジョインを決めた。

蓄積に励んだ4カ月。毎日振り返り続け、自分なりのスタイルを確立

最速ペースでシニアヒューマンキャピタリストに昇格した安室だが、意外にも初動は遅かった。初めてスタートアップに人材を支援できたのは、4カ月目が終わろうというタイミング。そこから一気に支援実績を伸ばし、入社7カ月で昇格基準に達した。飛躍までの5カ月近く、安室はひたすらに蓄えていた。

営業経験ゼロで、決して口が上手いタイプでもない。「最初は面談でも早口で話し、同席者からは『一方的』、『言うべきことが言えてない』など、たくさんのフィードバックをもらいました。本来、目の前の求職者に対して、自分の知識レベルの自信の有無で言う、言わないを決めてはいけません。言うべきことは言う必要がありますが、その覚悟ができていませんでした」。こう話す安室はこの時期、ひたすら日報と週報に、その日に感じたことを綴っていた。カウンセリングでの駄目出しや課題。できる人のカウンセリングに同席して観察し、それも記録した。さまざまなクライアントとの打ち合わせにも同席し、何のためにやるのかを目的を考え続けた。

ひたすら蓄積した結果、安室は自分自身のスタンスを変えることができた。「最初はただの御用聞きでした。そうではなく、相手に何を提供できるか、何を伝えるべきかが大事だとわかったことで、『あなたはこの会社に行くべきです』という話を伝えられるようになりました」と安室。

それは、スタートアップ全体を見渡して伸ばすべき会社やポイントを理解し、それを正しく候補者に伝えられるようになったということだ。そうなるには当然、たくさんの知識を得なければいけない。同時期入社のメンバーの活躍を横目に見ながら、安室はひたすらに蓄積を重ねて、あるとき一気に飛躍したのだ。

入社5カ月目には担当企業を持ち、以後、その企業に対するフォースタ社内のプレゼンスを上げるべく注力した。創業者の思いに魅かれ、この会社を自分が育てると決意したのだ。企業との連携を強め、情報を得ては社内でアナウンス。自分自身も率先して支援実績をつくり、結果、新規の契約から最速ペースで社内のプレゼンスを高め、企業間のパートナーシップを築いていった。一度決めたら猛烈に動くのが安室だ。いつしか社内のみんなを巻き込んでいた。

「これぞフォースタのロマンだと思います。社内のリソースをフル活用して支援すべき会社を支援する。会社が成長すると、クライアントや社会に提供できる価値も変わる。個人プレーではなく、どれだけ社内の人を巻き込むかが鍵です」。対個人も対企業も、安室なりのスタイルを確立した。

意義ある仕事は辛くない。やればやるほどより多くのスタートアップを強くできる

「スタートアップと一緒に産業を創っていくことがおもしろい。過去にも、フォースタはいくつもの会社の成長に寄与してきました。自分もそれを目指したい。これこそフォースタらしさだと思うのです。我々はたくさんのスタートアップを見てきて、どんな壁にぶつかるか、そこでどんな人を支援すべきかがわかっている。仲間を巻き込むことで、クライアントが必要な時に必要な支援をすることができます。自分次第でいくらでもクライアントを伸ばしていけるのです」。安室はとつとつと、だが隠しきれない熱情とともに話す。その企業が伸びれば日本が良くなり、それにより幸せが広がるのだと。

自分を追い込むように、安室は多方面で活躍している。オウンドメディア『EVANGE』も担当。エンジニアプロデュースチームにも名を連ね、直近では社内リソースの配分を考える営業戦略チームにも興味を示す。やればやるほどフォースタを強くでき、よりたくさんのスタートアップを勝たせ、自分が支援した人たちなど多くの人の人生に影響を与えられる。そう信じるから活動量を増やす。

安室は言う。「振り返ると、前職では本当の意味で当事者意識を持ちきれていなかったと思います。持とうとはしていましたが、一人よがりでした。今は当事者意識を持ち、仲間と語り合いながら、何をしようかと考えるようになりました。この違いは大きいです」。「誰」と「何」をなすべきか。目標とした「人に影響を及ぼす仕事」。それらがきれいにつながり、安室の日々の活動の糧となっている。

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