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宇宙より熱中するもの  ~元・人工衛星エンジニアが今、マーケティングテクノロジー開発に没頭する理由~

2015年に、シリコンバレーに本拠地を構えるVCや電通デジタルホールディングスらから、総額13億円もの資金調達を実現したテクノロジー、 次世代型マーケティングプラットフォーム「B→Dash」の開発を、たった一人でスタートした井戸端。

元々は東京大学で宇宙領域を研究。人工衛星の開発に熱を注いでいた彼が、その後外資系コンサルティングファームを経て、今なぜ「B→Dash」の開発に情熱を注ぐのか。「宇宙」から「マーケティングテクノロジー」の最前線へと、奇妙なキャリア転身をした井戸端のビジョンや仕事にかける想いに迫る。

【宇宙領域の研究はとてもワクワクする選択だった】

-なぜ、東京大学の宇宙分野の研究室を選んだのですか?

東京大学在学時、院に進む際の進路として、理学部と工学部の2つの選択肢があったのですが、自分の中で、「理学部は理論を学ぶ」「工学部は自分で作る」という考え方がありました。また、小さい頃から「作る」ことが非常に好きでしたから、工学部の方が楽しそうだなと、うっすらと感じていました。

幸い、試験の点数が良く、どちらでも選ぶことができたので、「人工衛星が創れたら凄くカッコいいなと」という単純な理由だけで、宇宙分野(航空宇宙学科)への進学を決めました。今思い返せば、深く考えて選択していないことがよくわかりますね。笑

私が所属していた航空宇宙学科では、9割の方が航空関係の研究を行うのですが、もともと小さい頃から宇宙が好きだったことに加え、宇宙関係の講義がとても魅力的だったので、宇宙関係の研究室を選択しました。選んだ研究室の教授が「修士論文は何とかするから、人工衛星の開発頑張って」という話もいただき、人工衛星の開発に没頭していくことになりました。

-人工衛星の開発現場、実際はどの様な環境だったのですか?

何から何まで、とにかく0からのスタートでした。今思い返せば、本当にとんでもない環境でした。

”0から”というのは「知っている人がいない」というレベルではなくて、「開発する為に必要な理論やスキルの習得から行う」「開発した機器の試験を行うために、検証につかうセンサーから開発する」といったレベルを指します。笑

センサーの試作機を60個くらい並べて1個1個、地道に精度を記録するなど、気が遠くなるような開発作業を、研究室に泊り込みながら、当たり前に、愚直に続けてやっていました。

一度、望遠鏡搭載型人工衛星を開発したとき、製作した望遠鏡の性能検証を行いました。要求精度が、文字通り天文学的な数値で、市販の光学センサーでは要求精度を満たしているかどうかの計測が不可能だったため、光学素子や周辺回路を自ら発注して開発したり、宇宙空間と地上の環境差異の影響で、普通の方法では試験を実施することができず、様々な試行錯誤を行ったりして何とか検証を行うことができました。その後、設計レビュー会を行った際に、参加していたJAXAの方から

「この精度の測定は、普通の方法では今地球上にある施設では実施できないね。」

と言われました。それを受けて、「ありがとうございます。自分でいうのも何ですが、おそらく地球上にないだろうなと思って、取り組んでいました。」と生意気ながら答えたこともあります。 本当はそんなことは梅雨知らず、目の前のことを必死に取り組んでいただけなのですが。笑

【世の中に革新をもたらすものを”創り続ける”というキャリア選択】

-どんな就職活動だったんですか?

新卒の就職活動では主に、外資系企業の技術職を見ていました。例えば、マイクロソフトやオラクルの開発職など、スピード感を持って“モノ”を創れるところです。

もちろん、日系企業の開発職も見ていましたが、多くの企業が説明会で「技術者の育成プランは5年単位」といったようなことをたくさん聞きました。世の中はめまぐるしく変化しているのに、「5年もかけて育成されていたのでは遅いでしょう」と思い、そもそも受けること自体をやめてしまいました。

で、何社か見た結果、アクセンチュアの技術職を選びました。人工衛星を開発していた時にずっと持っていた思いとして、 「世の中にとって意味のあるモノ作りをしないと意味が無い。そのためには自分はもっとビジネスのことを理解しなければならない。」という考えが根底にありました。外資系のコンサルティング会社の技術職であれば、よりビジネスに近いところで、価値ある開発、世の中に革新を生むようなものが創れるのではないか、と考え就職しました。

就職してから、とても充実した日々を過ごすことができていました。様々なプロジェクトにアサインされ、ビジネスに役立つシステム開発に携われていることは、私にとってとてもやりがいのある仕事でした。しかし、どこかもやもやする日々を送っていたことも事実です。「世の中に革新をもたらすモノ創り」がしたいのに、アサインされる案件はどれも「誰でもできる仕事、自分じゃなくてもいい仕事」ばかりでした。充実した日々を送っていた一方で、言葉にならないもやもやを抱えていたことも事実でした。

そんななか、フロムスクラッチという会社に出会いました。もともと、アクセンチュア時代の上司が先にフロムスクラッチに転職していました。その方から「凄いものをこれから創るから、今すぐ来て」と声がかかり、会社の話や事業の話、開発計画の話を聞きました。

話を聞いて、鳥肌が立つくらいワクワクしたことを今でも覚えています。「この会社の、このソリューションなら世の中に革新をもたらすことができるかもしれない」。 気づいたら、その3日後には辞表を出していました。笑 我ながら非常にスピーディーな決断でしたが、その決断を今でも後悔したことはありません。

【たった一人での開発スタート】

-開発スタート当初、エンジニアは井戸端さんのみでしたよね。開発当初からこれまでの軌跡を教えてください

初め、本当に何も無かったんです。ただ、構想だけはしっかりとありました。「B→Dash」開発構想は、もともとクライアントの課題から生まれています。しかし、大きな懸念点がありました。私はWebシステムを開発した経験がほとんどなく、当然、インフラやアーキテクチャの設計をしたこともありませんでした。。だから、すぐに本屋に行き、関連する書籍を買い漁ってきて、勉強するところから始めました。

「httpプロトコルって何?」 「Webシステムってどんな仕組み?」 「Linuxサーバの構築の方法は?」

知識や言葉としては知っていること、昔少しかじったことを改めて勉強し直すというレベルから始めました。Webサービスではもはや当たり前のJavascriptも、前職のとある開発プロジェクトで使ったことがある程度だったので、技術書を読んだり、Googleのサービスのソースコードを読み解いたりして勉強しました。

そこからどんどん仲間が増えていきました。当初は一人で始めた開発が、一人、二人と次第にメンバーが増えていき、段々と開発規模が大きくなっていきました。2014年11月のサービスリリース時には、総勢40~50人くらいのエンジニアがいたと思います。

何も知らない状態から始められたのも、メンバーがどんどん集まっていったのも、全て「B→Dashというソリューションが世界に与えうる可能性」あってこそ、と感じています。

-B→Dashを開発する中で、今一番苦労しているのはどのような点ですか?

最近は、サービスの要件を定義することの難しさに日々苦悩しています。例えば、ユーザーがデータを一つ外にエクスポートしたいという要望に対して、「どれくらいのリテラシーの方が」、「何のために」、「いつ」、「どのように」使うのかによって、実際に必要とされる機能は異なってきます。B→DashはBtoB向けのサービスで企業の担当者の方が日々の業務で使うものなのでしっかりと業務面を考慮する必要がありますし、システム連携を行う為にシステムとしての運用面も克明にイメージした上で、どのようなサービスとして提供すべきか、その場合の仕様はどうあるべきかを考えなければなりません。

サービスを実現する為のテクノロジーもどんどん進化しているので、キャッチアップが大変です。尚且つ、実現方法もソフトウェアレベルではなくて、アーキテクチャレベルやインフラレベルから考えなければならないことも多々あります。非常に難しいですがやりがいがあります。

【B→Dash開発の未来】

-今後、B→Dashをどのようなソリューションにしていきたいですか?

現在のB→Dashは、「All in one」というコンセプトを実現しようとした結果、一つのシステムの上に複数の機能がドカンと、搭載されている構造になってしまっています。でもそれだと、新たなアプリケーションや機能の追加や変更が大変しづらい。たった一つの変更が、システム全体に影響を及ぼすリスクも非常に大きいです。また外部のサービスとの連携にも手間がかかってしまっています。仮想化やマイクロサービス化を推し進めて、内部的にも対外的にも柔軟性の高いサービスにして、真にシームレスなマーケティングテクノロジーのソリューションにしていきたいと考えています。

また、最新のテクノロジーをいかに素早く取り込めるかということが、今後競合優位性を発揮していくうえで非常に大きな大きなインパクトを持っていると考えています。

例えば、B→Dashは裏側では多くの種類のデータを大量に処理しており、今後何万テラものビッグデータをできるだけリアルタイムに近い速度で処理していこうとした場合には、分散処理は必須です。その為にHadoopやSparkのような分散処理基盤の構築と、B→Dashのデータ処理基盤全体への適用を進めています。 AWSやGCPといったクラウドサービスや、Webアプリケーションに関わる技術の進歩もとても早く、このようなアセットをスピーディーに取り入れていかなければ、瞬く間に市場の変化に置いていかれてしまう事もありえます。そうならないよう、常に最先端の技術要素のキャッチアップを強く意識しています。

-開発体制作りで意識していることは?

「開発スピード」と「技術要素を柔軟に取り入れること」は意識しています。 前者については、B→Dashは顧客の要望やニーズを積極的に取り込む方針で開発をしており、プロダクトアウトよりもマーケットインの思想を重視して開発をしているのですが、顧客からのニーズを開発に落としていく際にどうしても要件定義などが必要で、ウォーターフォール的な開発になりがちなのですが、そこにアジャイル的な要素を取り入れることで、できるだけ柔軟に且つサイクル早くプロダクトを提供できるようなスタイルを模索しています。

後者については各チームにある程度、裁量権を持たせて動いてもらっています。この間はマーケティングオートメーション(以下、MA)機能の開発言語に、Go言語を採用したというのがありました。 MAチームのリーダーから「非同期の並列処理が多いので、Go言語を使いたい」という提案があり、いくつか議論を重ねた結果、適していると判断してOKを出しました。あとは最近、リアルタイム性の高いレコメンド機能を開発する為に、レコメンド開発チームと話し合ってKVSのCassandra入れました。

より新しい技術を、各チームでく取り入れやすくするためにも、先程も言ったとおり、マイクロサービス化は進めていきたいと思います。エンジニアとしても色々な技術にチャレンジできる方が面白いですしね。

組織の文化としては「課題解決」「ユーザー目線」というのを意識するように伝えています。 課題解決については、エンジニアはどうしても顧客からの距離が遠くなりがちで、開発作業やシステム的なリスクやコストに目線が行きがちですが、テクノロジーを用いてどのように顧客の課題を解決するか、ひいては世の中の課題を解決するのかという意識で開発を行うことが大事だと考えています。ユーザー目線についても、自分が開発したプロダクトを使う人のことを考え、ちょっとした機能の使い勝手やUIUXにこだわることで、よりよいサービスを作っていけると確信しています。

-最後に個人として、今後やりたいことは?

今、世界中に広があらゆるデータを取得・活用して、ビジネス活動の分析・予測を自動で行い、最適な施策がB→Dashを通じてレコメンドされるようなソリューションを開発していきたいです。

仕組みとしては、人工衛星の開発をやっていた時に描いていたものにとても近いと感じています。最終的に大学の研究では、「どのような目標で」、「どれくらいのコスト感で」、「どれくらいの開発期間か」を設定すれば、自動的にいくつかの充足解を提案してくれるような、開発シミュレーションシステムについて研究していました。

それと似たようなサービスを、マーケティング領域で開発できたら面白いだろうなと考えています。企業のマーケティング活動に関する課題や改善施策を全自動でレコメンド・シミュレーションすることができたら、間違いなく利用者のベネフィットになりますし、企業のマーケティングつまりはビジネスの在り方を変え、社会構造までも変革する可能性を秘めていると思っています。

「もしかしたら、この開発が世界中の企業のマーケティング活動に革命をもたらすことになるかもしれない」と考えるとワクワクします。人工衛星を開発していた時、常に思っていたことは「これだけのコストがかかっているものの、果たして社会の為になっているのだろうか」ということ。間違いなく、今の「B→Dash」の開発は社会のためになっていると実感があります。

そう考えたら、自分のキャリアを賭けてでも挑戦する価値が、このフロムスクラッチにはあると思っています。 まだまだ道半ばですが、「人工衛星をつくることに比べたら、その他の開発はとても簡単なはずだ」を信条に、これからの開発も加速させていきます。

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