リスクを見ずに失敗するベンチャー企業が多すぎる ―孫正義が教えてくれたから、僕はYahoo!を辞めて転職を決意したー

井出は大学卒業後、新卒で日立グループのシステムエンジニアとしてキャリアをスタートした。その後、当時100名程度でのベンチャー企業だったYahoo!Japanに転職し、会長である孫正義と仕事をすることとなる。その経験から学んだこと、そしてYahoo!Japan で部長職を担っていた井出が、41歳にしてなぜ再びベンチャー企業に転職することを決意したのか、日本一”堅い男”が胸の内を語る。

目次(読了時間:3分) ・自由にコードを書くことが創造性に繋がる ・孫正義に教わった、ベンチャーが忘れがちな大切なもの ・日本のために貢献するときが来た ・土台は固めた。いざ攻めよ   

― まず、フロムスクラッチという会社について教えてください。

フロムスクラッチは、ビッグデータ×人工知能を主軸に事業を展開するデータテクノロジーカンパニーです。現在は、マーケティングテクノロジー領域におけるソリューションである、次世代型マーケティングプラットフォーム「B→Dash」の開発・提供を中心に事業を展開しています。

「B→Dash」は、企業が保有する全マーケティングプロセスのデータを一気通貫して管理・統合・活用できる、類を見ないソリューションです。統合したマーケティングデータに人工知能を活用することで、収益が最大化される施策の自動分析・レコメンドを実現します。

2015年には、シリコンバレーに本拠地を構えるベンチャーキャピタルや、電通デジタルホールディングスらから、総額13億円もの資金調達をしました。ほかにも、元LINE代表取締役である森川さんに戦略顧問に就任いただいたり、世界的な経済誌Forbesの「日本の有望スタートアップ20」にも選出されたりするなど、いわゆる“成長ベンチャー”企業です。

今後は、人工知能の研究開発、海外展開、「B→Dash」の開発強化に加え、「ビッグデータの取得・統合」と「人工知能によるデータ活用」の技術を通じ、様々な領域での事業展開を予定しています。

詳細はこちらの記事をご覧ください。

自由にコードを書くことが創造性に繋がる

― まずこれまでのキャリアを伺わせてください。新卒で日立に入社された理由は何でしょうか?

就職活動では決して日立に絞っていたわけではないんです。もともとゲームが好きだった影響もあり、テクノロジーに関わる企業で仕事ができたら良いなと思っていました。でも当時は就職氷河期で、なかなかうまく進めることもできませんでした。そんな中、エプソンと日立が内定をくださったんですね。事業で捉えるとプリンタとシステム。システムエンジニアという仕事に興味があったので、日立を選ぶことにしました。

― 実際に入社されてから、どのような会社であると感じましたか? 日立ではPHSの番号管理基幹システムの開発をしていました。プロジェクトはだいたい60名くらいで、体育会系特有の上下関係があったのを覚えています。上の言ったことは絶対で、すぐに組織の隅々まで浸透する。そういう意味では内部統制が効いていたので、組織立って何かを作り上げるのには適した環境なのではないかと思いました。

ただ、これだけ規模が大きい会社だと良くないことがあります。作業の細分化です。プロダクトの機能のほんの一部分のみを担当・開発するような指示が出るので、システムのバリューをどのように提供するかという点であまり裁量があるわけではありません。それよりも、同じ作業を正確に繰り返せるような人のほうが重宝される環境だったのではないかなと思います。

私は「やっぱり自分は伸び伸びとコードを書くほうが好きだなー」と思った瞬間でもあります。与えられたことだけをこなせば良い、という開発環境だと自分である必要があまり感じられなくて。もちろん開発言語の専門性も高まりましたし感謝はしていますが、転職を考え始めるきっかけになりました。

孫正義に教わった、ベンチャーが忘れがちな大切なもの

― そうしてYahoo!JAPANに転職されました。決め手は何だったのでしょうか?

やはりエンジニアの裁量だと思っています。当時Yahoo!が抱えていたサービスは、検索とニュース、そしてローンチしたばかりのオークションとショッピングでしたが、どれも「このサービスといえば●●さん」というくらいに開発メンバーは限られていました。私はYahoo!ニュースを担当していたのですが、ひとりいちプロジェクトという感じなのでわりと好きに作ることができて楽しかったですよ。自分が作ったサービスで、シドニーオリンピックのニュースとかがその時流れてたなあ。(笑)

  それからは投資案件の技術調査、いわゆるデューデリジェンスもやりました。

あるカード会社の技術的価値をデューデリジェンスしていて、最初は300~400億円くらいだと見積もっていたんです。ただ、それをYahoo!のサービスに取り込むためには100億円~200億円くらい安く見積もらなくちゃいけなくて。どう試算しても難しかったので、その調査結果を、会長だった孫正義に伝え「買収金額が合わずディールが成立しません、撤退するべきです」と報告したら、すぐさまこう言われました。

諦めんなよバカヤロー!なんとかせい!

メンバーとしてはたまったもんじゃありませんが、この後自分の甘さを痛感することになります。

最後にこのディールを制したのはもっと安く見積もっていたとある企業だった。

お金じゃなくて、他にもっと大切なものがある

そう孫正義は教えようとしてくれていたのかもしれません。最初は一見不合理な要求にも思えますが、そうすることで不可能が可能になります。やはり素晴らしい経営者だと思いました。

― 部長職に昇格してから、人生の転機が訪れたそうですが。 そうですね、役職柄、セキュリティという領域に足を踏み入れるようになりました。 セキュリティ担当は基本「ブレーキ」という存在です。どんどん開発を推し進める中、「承認」だの「申請」だので、組織のイノベーション創出プロセスを阻害してしまっているような気がしてなりませんでした。そのため、あまり好んでやりたい仕事ではなかったんです。

ただ、セキュリティに関する考え方が一変した孫正義会長とのエピソードが2つあるんです。

1つ目は、「子会社の大規模なデータ消失事故対応」の話です。

私が担当していた子会社が、オペレーションミスが原因で顧客のデータを大量に消失させてしまうという、事故を起こしてしまいました。バックアップデータも消失していたため、復旧が不可能になったという過去に例のない大事故でした。 被害にあった顧客への対応や、事故の原因調査や再発防止策の検討、実施を行ったりしていました。 真摯に、起こしてしまった事故に対する対応にあたっていましたが、事故の対応が何週間も続いてくると、「なんとか早く収束させて通常業務に戻りたい」と自分本位な考えが浮かんできてしまうのも事実です。そんな時に孫正義会長から届いたメッセージに心を打たれました。

正直に、誠意を尽くすこと

“事故を起こした会社はつぶれるんじゃないか”、と思われる状況でも、本当に顧客を第一に考えている経営者なんだと思いました。  顧客からは消して見えない部分なのかもしれませんが、そういった部分だからこそ、決して手を抜かずに取り組む事が、顧客と真摯に向き合う事なのだと教えられた気がしました。

そしてもう1つが「適正なリスク評価」についてです。

孫正義会長はよく私たちに、「お前たち、リスクが見えているか」と口を酸っぱくして説いていました。

先が見通せる経営者ほどリスクを正確に評価します。確かに“正の側面”を見るほうが夢がありますよね。でも負の側面にこそビジネスには罠が潜んでいて、それを侮るベンチャー企業が多いからこそ10年間での生存率がわずか6%という数字になっているのだと思います。

投資案件のデューデリジェンスで数多くのベンチャー企業とも関わりましたが、このセキュリティを疎かにしている企業は多いように感じました。現状、課題が表面化していなくても、ベネッセやドロップボックスのような情報漏えいであったり、エースエンジニアの流出による専門知識の空洞化が起きるかもしれない。せっかく創り上げた事業やサービスが、つまらないことで足元を救われるのだけは避けなければならない。

セキュリティはITに限ったことではなく、オフィスの設備や会社の制度・組織など幅広くカバーしているので、いくつかの職種で経験を積まないと難しいかもしれないです。しかも、セキュリティ対策をしたからといって何かが大きく変わるわけではない。

でも、やらなかったら大きなマイナスになる。だからこそ、リスクを考えること=セキュリティは重要なんです。 そんなことを孫正義会長から教えてもらいました。

このようなエピソードもあり、セキュリティをただのブレーキ役と捉えていた自分から、「セキュリティは顧客に対する誠意だ」、「未来をつくるための土台づくりだ」と、考えを改めることができたのです。

日本のために貢献するときが来た

― それからフロムスクラッチへ転職されたわけですが、なぜ順風満帆だったYahoo!JAPANを離れることにしたのでしょうか?

ちょうど41歳の話ですね。労働年齢のちょうど半分くらいの年齢。そろそろ、これまでの得た知識や経験を社会に還元していく時期だと思ったんです。

求人を探していたところフロムスクラッチを見つけて、話を聞きに行きました。 そして社長の安部さんにお会いして、自社プロダクトである「B→Dashの成功の定義」を質問したら、10分間くらいブワーッと喋り倒すわけです。最後は話が弾んで世界征服の話になっていましたが(笑)。でもこれがすごくデジャブで、よく考えてみると孫正義ととてもタイプが似ているんです。対外的には真摯な感じでも、中ではすごく熱い。自分の思い描く未来を、よどみなく表現されていて、こんな人と仕事がしてみたいって純粋に思いました。そして私自身もこの会社が、日本が誇るマーケティングテクノロジープロダクトの「B→Dash」をもっと広め、世界中のマーケティングを変革していきたい、と心から思いました。

そしてなにより、こういった有望なベンチャー企業が競合と戦って負けるならまだしも、個人情報漏洩などセキュリティの不備によって信頼を失うことは日本にとって大きな損失に繋がると思いました。だから、私はそれを避けることのできるノウハウを持っている人間として、その責任を全うしたいと考えました。

そしてフロムスクラッチはそういう思いを受け止めてくれました。 先程も述べましたが、ベンチャー企業にとってセキュリティは手間とお金がかかる邪魔者として見られがちです。しかし安部さんは孫正義と同じように、とにかくリスクを評価していて、セキュリティの重要性を認識していました。檻に囲まれたサーバールームをセキュアルームって言うんですけど、まだこの会社には早いかなーなんて思ってたら、すぐ設置しようって仰ってくれたり。本当にセキュリティがしやすいです。 これだけ理解のあるベンチャー企業はなかなかないと思います。

土台は固めた。いざ攻めよ

セキュリティを固めることができれば、恐れることはありません。 エンジニアの方々には、どんどん“攻めの姿勢”で世界を突き動かしていくようなコードを書いて欲しいです。大企業で静かにコードを書き続けるのも良いですが、自分の表現したい世界を存分に書き出すことができる環境がフロムスクラッチにはあります。

新たな環境に飛び込むことは勇気がいることです。でも、決して才能を持っているわけではない私にでもできたことです。年齢なんて関係ありません。まだ燃えたぎるものがあるのであれば、熱量を注ぎ込みませんか。 日本そして世界のために仕事をすることはとてもやりがいもありますし、もし共感してくれる人がいればお気軽にオフィスにお越し下さい。ゆっくりお話したいです。

フロムスクラッチでは、次世代マーケティングプラットフォームを開発する実力派エンジニアを募集しています。詳しくはこちらの求人を御覧ください。

株式会社フロムスクラッチ's job postings
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