東京大学・大学院での研究に没頭した日々。卒業後、新卒として一歩を踏み出したのは、変化と刺激に満ちたベンチャーの世界でした。
OTONARIグループのD2C事業を牽引する株式会社YORISOUで、入社1年目から自社ブランド運用の中心を担う松浦さん。大学院での研究から、なぜ彼は「手触り感」のあるビジネスの現場を選んだのか。
明確な正解がない中で試行錯誤する、D2Cならではの魅力や醍醐味、そして松浦さんがベンチャーで見つけた価値について語っていただきました。
松浦 圭春
東京大学農学部を卒業後、同大学院へ進学。大学3年時に株式会社OTONARIでインターンを開始し、Instagramメディアの立ち上げや運用に従事。その後、グループ会社である株式会社YORISOUへ新卒入社。現在はD2C事業部にて、子供向けサプリメント「ニコニコ鉄分」のECモール運用、広告運用、商品企画に携わる。趣味は友人との食べ歩きや読書
ひとつの価値観に縛られたくない。研究室を飛び出し、ビジネスの世界へ
ーーまずは学生時代について教えてください。どのようなことを学ばれていたのでしょうか。
東京大学の農学部から大学院に進学し、国際開発農学専攻で主に食品関係の研究をしていました。具体的には、光を当てるだけでイチゴの硬さや熟し具合がわかる非接触の測定方法の研究です。
従来の検査は直接触れて確認するスタイルが主流でしたが、イチゴは非常にデリケートなため、検査そのものが品質を損なう要因になっていました。非接触で品質がわかればイチゴを傷めずに済み、農家の方々の助けにもなる。そんな手応えを糧に、日々研究に取り組んでいましたね。
ーー理系で大学院まで進みながら、なぜビジネスの世界やインターンに興味を持ったのですか。
ずっと勉強ばかりしてきて、大学のコミュニティだけで完結する人生になるのがすごく嫌だったんです。外の世界を知らない自分に危機感があったというか。
実は小学生の頃、自由な校風の学校に通っていてマイペースにのびのび過ごしていたのですが、その後進学した学校が、みんなで良い大学を目指すという価値観に染まっている環境で少し息苦しさを感じていました。だからこそ、既存の価値観に縛られず、外の世界で多様な人と関わりながら経験を積みたいという思いが根本にあったんだと思います。
ーー「外の世界を経験したい」という思いから、どのようなことをされたのでしょうか。
大学2年時にテレアポのインターンを経験し、そこで自分の工夫次第で結果が大きく変わるビジネスの面白さに気づきました。研究は、社会課題を解決するという意味で壮大な目標を目指す一方で、日々の成果が見えにくい側面もあると思うんです。それに対して、ビジネスは自分の工夫ひとつで、良くも悪くも結果がダイレクトに返ってくる。研究室の中では味わえなかったその感覚が、自分にとってはすごく新鮮だったんです。
その後、知人の紹介でOTONARIが新しくInstagramメディアを立ち上げるフェーズだと知り、マーケティングという新しい領域に挑戦できることに惹かれて、インターンの参加を決めました。
SNSフォロワー2万人。その成功体験を経て、あえて縦割りの大手ではなく、ベンチャーを選んだ理由
ーーインターン時代はどのような業務を任されていたのでしょうか。
入社して3ヶ月が経った頃、離乳食のInstagramアカウントの立ち上げという大役をいただきました。とにかくゼロからフォロワーを増やす必要があったので、まずはアカウントの存在を知ってもらうために、地道にインフルエンサーの方々にDMを送って、ストーリーで紹介してもらうところからスタートしたんです。
そうやって初期のフォロワーを増やしつつ、途中からはコンテンツの質で勝負する方向に切り替えました。離乳食を活用したレシピを載せるだけではなく、「冷凍庫内での小分け保存術」や「ストックを使い切るための消化スケジュール」といった、レシピ以外の実用的なノウハウをセットで提示するようにしたんです。こうしたユーザーの悩みに寄り添う工夫が実を結び、結果的に約13万人までフォロワーを増やすことができました。
そこからは、PR投稿や約2年間にわたり粗利担当として収益化にも向き合いました。自分が作った投稿から売上が立ち、社内外から評価をいただいた経験は大きな自信になりましたね。
ーーそこから就職活動を経て、なぜOTONARIグループのYORISOUへ入社を決めたのですか?
就活では「形に残るモノづくり」を軸に、メーカーのマーケターを志望していました。AIが台頭する時代だからこそ、物理的なモノづくりに関わりたいという気持ちが強かったですね。そんな時に声をかけてくれたのがYORISOUです。大手メーカーも視野に入れていましたが、一つのプロジェクトに大人数が関わり、結局は自分の役割が細分化されてしまう「縦割り」の体制に不安もあったんです。
YORISOUであれば、自社ブランドの企画からマーケティング、販売まで、いちプレイヤーとして一気通貫で携わることができる。川上から川下までPDCAを回す経験を通じて、幅広いスキルを習得できると考え入社を決意しました。
「誰に、何を、どう伝えるか」パズルを解くように市場を動かす面白さ
ーー現在、担当されている業務内容を教えてください。
現在はにこにこ鉄分という子供向けサプリメントブランドにおいて、Amazonや楽天市場といったECモールの運用、代理店と連携した広告運用やページ内のクリエイティブ改修、さらには新商品のパッケージデザインの企画まで幅広い領域を担当しています。
ーーやりがいについてはいかがでしょうか?
正解がないからこそ、自ら答えを見つけ出せる点に一番の面白さを感じています。D2Cのマーケティングは、変数が本当に多く「誰に、何を、どの画面で、どう伝えるか」というパズルの組み合わせが無限にあるイメージです。
例えば、お子様向けのカルシウム商品。最初は「カルシウム不足解消」を前面に出していましたが、その切り口では「牛乳を飲む」という手軽な代替案に負けてしまう。そこで、ビタミンやミネラルなど配合されている他の成分にも着目し「7つの成長サポート成分」という広いニーズへの訴求に切り替えたんです。すると、同じ商品なのに顧客の反応が大きく変わり、実際に購入まで至った割合は、この業界では大きな変化とも言える1.5%から2.3%へと向上しました。
他にも楽天市場のページ改修では、「セット商品の案内をページ上部に置く」といった小さな変更だけでセット注文の比率が目に見えて上がったこともあります。
「キャッチコピーを一行変える」「画像を数センチ上にずらす」など、自分の施策がハマって、大きな売上を作れたり、レビューで「ずっと探していた商品に出会えました」というお客様の声があった際には、やりがいを感じますね。
ーー松浦さんが、業務で大切にしていることについても教えてください。
「まずはやってみる」というスピード感を一番大切にしています。
D2Cマーケティングは変数が多いため、机の上で完璧な仮説を練り上げるよりも、実際に施策を投じて市場の反応を見るほうが、早く正解に辿り着けると考えているからです。だからこそ、立ち止まらずに主体的に答えを探りに行く姿勢を念頭に置いて日々の業務にあたっています。
伸びしろだらけの環境を楽しみ、自らの手で会社とブランドの未来を塗り替えていく
ーー社内カルチャーについてはいかがでしょうか?
それぞれのメンバーの意見に向き合ってくれる環境です。また、良い意味で空白地帯が多いといいますか、やるべきだけど手が回っていない領域がたくさんあります。そこに対してやりたいと手を挙げれば任せてもらえますし、結果を出せばさらに大きな裁量をもらえるのはすごく良いカルチャーだと感じています。
私自身も、インフルエンサー経由の流入を強化したいと考えた際、他部署に直接掛け合って、楽天のポイント機能を活用した施策を形にしました。与えられた業務をこなすだけでなく、枠にとらわれずに巻き込んでいく動きが歓迎されます。
ーー最後に、個人的な目標とマッチする人物像を教えてください。
今は上司にもサポートいただいていますが、将来的には企画から運営まで自分一人でも完結できるようになり、ブランド全体を統括するブランドマネージャーになりたいです。自分が手がけた商品がコンビニに並ぶなど、日常のふとした場面で自社の影響力を感じられるくらい、世の中に広く出回るブランドに育てていきたいですね。
一緒に働きたいのは、今の環境を自分たちで良くしていこうという思いがある人です。成長過程の組織ゆえに整備の余地も多いですが、だからこそ「自ら仕組みを創っていきたい」という主体性のある方には最適な環境だと思います。課題があったら自ら解決していく、そんな当事者意識を持った方と一緒に働けたら嬉しいですね。