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【社員インタビュー】『キャピタリストとしての挑戦!』

こんにちは。人事の佐藤です。

今回は、投資事業部門で働く社員インタビューをお届けします!新卒でグリーへ入社をし、人事や広報を経験した後、米国で見習いキャピタリストとして新しい領域へ挑戦している社員に一時帰国のタイミングで(!)話を聞きました!今後のキャリアを含めてどんなことを考えているのか。挑戦することで見えてくる新しい世界が広がっています!

今回も是非最後までお付き合いいただけますと嬉しいです。

プロフィール

田中 絹子
2019年4月にグリー株式会社へ新卒で入社。新卒採用担当として人事部に配属となり、新卒のビジネス職やエンジニアの採用を担当する。その後、広報部でインナーコミュニケーションチームの発足を機に異動。会社の成長と多様化に伴い、社員の結束とモチベーションを高めるための社内戦略施策の企画や、グリーグループのオウンドメディア「6 deGREEs」の立ち上げを行う。2022年からはグリーの北米子会社であるGREE Capital Partners, LLCを通じて組成されたGFR Fundにて、キャピタリストとしてアーリーステージのデジタルメディア・エンターテインメント領域のスタートアップのソーシング等に従事する。


ベンチャーキャピタル(VC)の仕事と新卒採用には共通点が多い!

ーーまずは、田中さんのご経歴を教えてください。

2019年に新卒でグリーへ入社しました。就活開始当初はあまり深く考えていなかったのですが、色々な企業の採用プロセスに触れる中で、人事や採用の業務に興味を持ちはじめました。特に、グリーの新卒採用における一人一人の候補者に対する向き合い方に、私が学生時代にHLABという学生団体での活動で大切にしていた「自分を介して他者に新たな選択肢・出会いを繋げる」ことに相通じる魅力を感じ、出会う学生一人一人のキャリアや人生において少しでも良い変化を残せたら、という思いで、新卒採用担当としてグリーへの入社を決めました。

1年半弱という短い期間ではあったのですが、新卒採用の仕事は当初感じていたよりも奥深く、社会人としてだけでなく、いち人間として学びの深い出会いや経験をたくさんさせてもらいました。コロナの影響等で一時的に新卒採用の規模を縮小することになり、同時期に広報部門で新しく立ち上がったインナーコミュニケーションのチームに異動となりました。個人的にも、採用広報の一環でコンテンツ制作の経験があったこともあり、異動を通じてよりクリエイティブな業務に携わることで仕事の幅を広げたいという気持ちもありましたし、新卒採用を行う中で、自分が思うグリーの魅力と世間からのイメージに少し乖離があること、またコロナ禍でグループ間の交流の場がさらに減ったことに課題感を持っていたため、自分が感じてきたグリー、またそこで働く人たちの魅力を社内外に発信することで、グリーをもっと好きになってもらいたい、という思いで、インナーコミュニケーションチームではオウンドメディア「6 deGREEs」の立ち上げなどに精力的に取り組んでいました。

その結果、日本のインターナル・コミュニケーション戦略とコーポレートサイトに特化した全国規模の賞である「The Corporate Website Award 2021」を受賞することもできました!https://corp.gree.net/jp/ja/6degrees/2021/01/01.html

ーーとても充実している環境のように感じますが、どうして投資部門に異動することになったのですか??

人事や広報などコーポレート部門の業務自体は好きだし自身にも合っていると思う反面、事業に携わったことが無いということに、何かコンプレックスのように感じることが時折ありました。将来的にまたコーポレート側の業務を担うにしても、事業部での仕事や業界の知識をもっと増やすことが必要不可欠であり、若いうちにチャンスがあれば挑戦したいという思いが強くなっていきました。

そんな折に、投資事業において米国拠点への派遣制度を立ち上げようとしていることを知りました。もともと前述の学生団体で、高校生向けにリベラルアートサマースクールの運営をしたり、留学での経験を通じて、海外で働くことに対して強い興味があったため、米国の、その中でも有数のテック企業が集まるサンフランシスコで働けることはまたとない絶好のチャンス!と直感的に思い、GREE Open Job Postingという新たな環境へチャレンジするグリーグループの異動制度を活用し募集ポジションへ応募しました。

応募を通じて調べる中で、VCの仕事と新卒採用には共通点が多いことに気が付きました。スタートアップ投資は、熱意を持った起業家にたくさん出会い、自分が信じたスタートアップへ投資を行い、他の投資家やパートナー企業の紹介などの事業支援を通じて一緒に事業を大きくする仕事ですが、私がもともと大切にしている考えであり、新卒採用にも相通じて魅力に感じた「自分を介して他者に新たな選択肢・出会いを繋げる」ということに共通するなと感じています!



ーー一貫した想いを実現できているのですね!現在はどのような仕事をしているのですか??


私が担っているのは、主に3つの役割となります。

1)Deal Flow (スタートアップとのコネクション作り→スクリーニング→DD→投資)
その中でも今は特にコネクション作りとスクリーニングの比重が重く、全米で行われるピッチイベントやカンファレンスに参加して、投資家やスタートアップとのコネクションを作り、ピッチ資料を送ってもらって投資対象になりうる会社と面談を行い、業界の分析や競合との比較を行いながら良い点・悪い点を洗い出して、次に進めるべきかを上長と相談するというフローを、月に10~20社程度行っています。

(ソーシングやコネクション作りのためにカンファレンスに参加。投資先が出展する際はチェックも欠かさずに。)


2)Portfolio Support (投資先支援)
既存の投資先(ポートフォリオ)の支援もVCにとっては、彼らの事業を成長させたり、次のファンディングに繋げるために大事な役割となります。北米におけるGFR Fundの強みの一つは、LP(ファンドの投資家)でもある日本のデベロッパー・パブリッシャー・IPホルダーの方々との強いコネクションです。投資先企業が日本進出のため出張に行く際には、日本企業とのミーティングを設定したり、イベントやミーティングに同席して通訳の手伝いをしたりもしています。また、GFRのLPである日本の有名IPホルダーの企業の方々が訪米した際には、一緒に投資先を回って協業や投資を見据えたミーティングを行ったりもしました。また投資先が新たな出資を募る際には、他のVCに紹介を行ったり、採用やマーケティングの支援もできる限り行っています。

(ベイエリアにいる投資先の起業家を集めて開催した交流ディナーの様子。LAやNYなど各地で年に数回開催。)


3)LP Relation(IRのファンド版)
LPと呼ばれるファンドの既存投資家に向けて、新たな投資先や業界の情報及びファンドパフォーマンスについて月次/四半期毎にレポーティングしており、そのために既存の投資先と定期的にキャッチアップのミーティングを行い、都度状況をアップデートしています。また将来の投資家に向けたアピールにもつながるため、機密情報以外を抜いて、ニュースレターとして配信をしたり、今年の3月にはGFR史上初となるLPサミットと呼ばれる、LPの方々や日頃交流のある投資家の方々を招いてファンドの近況や投資先を紹介する会も開催しました。

(今年の3月に日本で開催したLP Summitの様子)


ーー担う役割が幅広いですね!


役割の幅も広いですが、それ以上に業界のキャッチアップはいくらやっても足りないと感じます。特にGFR Fundが投資しているエンタメ・メディアの領域は目まぐるしくトレンドもテクノロジーも更新されていくため、日々の業務をこなしながら常に最新の情報にアンテナをはって勉強する必要があり、ついていくだけで必死です(笑)。

特に、赴任開始当初は既存投資先とのキャッチアップミーティングでも、業界用語や技術分野の話など、当たり前のように出てくる単語の一つひとつが分からず、内容を理解するだけでも大変でした。ソーシングしたスタートアップとの面談の際も、それぞれの企業で特有の事業や技術はあれど、技術や業界のトレンドについては知っている前提で話が進んでいくことも多く、最初は知識がないことで投資家として舐められてしまわないか不安で、その場では分かったふうに振る舞って後から調べる、ということ頑張ってやっていたのですが(笑)、それだと得られる知識にも限界があるし、何より限られた面談時間の中で適切に企業の評価ができないなと反省し、今は恥を捨てて、分からないことはその場でちゃんと起業家に聞いて事業理解をするように努めています。また、情報のキャッチアップという意味では、GFR Fundのメンバーは様々なバックグラウンドを持っており、チームでのミーティングを通じても日々勉強させてもらっています。


ーー最先端のテック企業が集まるサンフランシスコで働いているだけでエキサイティングだと思いますが、特にどんな時にそれを感じますか??


私はグリーに入社してから、ゲームやエンタメ・テック業界に携わる人たちの熱量に触れて、自分自身もこの業界が好きになったのですが、今はGFR Fundでの業務を通じて、業界の最先端で切磋琢磨する人たちと毎日新たな出会いがあり、彼らの熱量を感じ続けられることで、本当に面白い時代に、面白い業界で仕事ができているなと感じています。

また、環境という意味では、日帰りでも出張できる西海岸周辺だけでも、毎年サンフランシスコで開催されるGDC(Game Developers Conference)をはじめ、ラスベガスのD.I.C.Eなど、ゲーム・エンタメ業界における世界最大級のイベントが年にいくつも開催されるので、積極的に参加させてもらっていて、業界のトレンドを吸収するには、最良の環境だと思います。

とはいえ、キャピタリストの仕事の中で、最もエキサイティングな瞬間は、自分が見つけ出したスタートアップが、チームや周りからも認めてもらえて投資につながる時、また、事業が成功して、Exitを迎える時だと思います。今はまだ、自分が「このチーム・プロダクトがすごい!」と思ったところも、上司やチームでのミーティングの場に持っていくと、似たようなプロダクトでうまく行かなかった前例があったり、他のチームと比較して実績が足りなかったりなど、中々次のステップに繋がることが少ないのですが、その一つ一つを経て、自分の評価軸もアップデートされていると感じるので、めげずにどんどん挑戦しています。Exitは長い道のりにしろ、赴任期間中に自分が一からソーシングした会社に投資する瞬間を絶対に迎えたいと思っています!



ーーちなみに、これスゴっ!って話ありますか?

あ、佐藤さんはRTFKT(アーティファクト)って知ってます??

ーーし、知らないです。。汗(KFCなら。。)

彼らの代表作の一つのCloneXというNFTはもしかしたら誰かのTwitterのアイコンとかで見たことがあるかもしれないのですが、 RTFKTは2021年頃に新進気鋭のNFTブランドとして話題になった、デジタルファッションのスタートアップで、私も投資事業に異動する前からTwitterでフォローしていて、「CloneXかわいいな〜でも高すぎて絶対買えないなぁ」って思いながらもチェックしていたのですが、後にGFR Fundの投資先だと知った時は驚きました(笑)。

また、実はRTFKTのCOOを担っているNikhilはGFRのメンバーでもあって、最新の事業や業界の情報についても(もちろん言える範囲でw)教えてくれて、業界リーダーの話が身近で聞けるのはとんでもなくスゴイことだなと思います。

ちなみに、RTFKTには2019年に一番最初の投資家としてGFR Fundが投資しているのですが、その当時は他のVCに紹介しても、皆「デジタルスニーカーなんて流行るの?」という反応で、共同投資をしてくれるところがなかったらしいのですが、GFR FundのGP(代表パートナー)の筒井さんと古森さんの二人とも、RTFKTのチームとプロダクトに強い可能性を感じ投資をしたところ、その1-2年後にはNFTプロジェクトとして急速に成長し、Nike に買収されxx倍のリターンになるという、、これぞVCの醍醐味だなと感じさせられるエピソードの一つでした。(こちらの記事でその当時の詳細が語られています。)


ーーなるほど、本当にエキサイティングな環境なんだなと改めて実感しました。。今後のキャリアについてどう考えているか教えてください。



出向期間が終わったら日本でグリーベンチャーズ(グリーの投資事業の子会社)にキャピタリストとして戻り、スタートアップ投資に携わりたいと思っています。

帰国して活躍するためにも、GFR Fundに出向している間にできるだけ米国でのコネクションを広げ、日本に戻った後も日本の企業と米国の企業やVCを繋げたり、逆に米国の企業が日本進出する際に必要な企業や人材を繋ぐことができるようにしたいです。また、エンタメ・メディアの業界情報がキャッチアップしやすいポジションにいるので、環境を最大限に活用して業界知識とビジネススキルも高めて日本に戻りたいと思っています。

冒頭でもお話した通り、私が仕事上一番大事にしたいのは「自分を介して他者に新たな選択肢・出会いを繋げる」ということなので、VC業界でそれが最大限にできると思えるうちは、VC業界にいたいと思いますし、最終的には人事など「人」にもっと直接関わる仕事をしたいと思うかもしれないですが、どのキャリアパスにいても、新たな出会いを生めるように今、自分の能力を最大限に高めたいなと思っています。


ーーもうすぐUSへ赴任して1年が経つかと思いますが、今後の予定を教えてください。

引き続き、冒頭の3つの役割を全うし、それぞれの質を高めていけるようにしたいと思っています。特にソーシングの部分では貪欲に動いてコネクションを広げて投資に繋げたいですし、投資先のサポートについてもリソースを活用して、支援の幅を広げていきたいです。GFRで開催しているイベントや投資先の情報など、英語にはなりますが、LinkedInのページで少しずつ発信を増やしているので、興味があれば是非そちらもチェックしてください!



▼終わりに

いかがでしたでしょうか。

日本においてもスタートアップ投資界隈は引き続き活況を呈していますが、北米の方が1歩も2歩も先を歩んでいる様子を感じられるお話でした!

グリーでは、FY2024よりスタートアップ投資・ファンド投資の各ファンドにおいて、これまでLPはグリーグループのみでしたが、次号以降のファンドでは外部LPの獲得を目指しています。それに伴い、外部の事業会社や機関投資家等からのLPコミットメントを獲得するファンドレイズ活動や、ファンドクローズ後のLP投資家対応を担っていただける専門性の高い人材を募集しています。

ご興味がある方は是非ご応募をお待ちしております!

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