私が k-means の説明ができる管理栄養士になったワケ

株式会社ハカルスに入る前

私が大学を卒業後、就職先に選んだのは「在宅の食事療養のサポート」をサービスとする会社でした。個人宅へお邪魔して食事の相談をしたり、クリニックでの栄養指導で臨床現場を経験したり、営業やコールセンターの仕事もしたし、ひとつの会社に所属していながら幅広い経験をさせていただきました。 その中で管理栄養士として感じたこと。それは、大学での勉強・教科書の知識は単なるベースであり、それを実生活に結び付けた形でどうお伝えするのか、が食事療養を指導する上でかなり重要だということを実感しました。

例えば、わかりやすいところで言うと、「血糖値が高いので食べる量を減らしてまずは体重を落としましょう」とお医者様に言われたとします。だから、管理栄養士の話を聞いて食生活を見直しなさい、と。言われた言葉の意味は理解できると思います。でも、生活習慣病という名前の通り、習慣になっているからこの結果(今の場合は、肥満・高血糖)になっているのです。習慣を改善するというのは、とにかく難しい。なかなか理想通りにはいきません。

「食べる量を適正にする」と一口に言っても、そもそもどれくらいの量が自分の適正なのかを知っている方は少ないです。1日○○kcalを目安にということはお伝えしますが、そう言われたところで、カロリー計算も難しいですし。 「カロリーが多すぎるので減らさないといけない」という事実はわかっても、【何をどう改善すればよいのか】そして【それを実際にどう実行するのか】ということがイメージできなければ改善には至りません。

なので、まずは「カロリー摂り過ぎの原因はなにか」を探るために、その方の食事内容をヒアリングします。「ご飯を山盛り食べている」のか、「毎日揚げ物ばかり食べている」のか、「おやつが好きでよく食べる」のか、みたいな原因を探します。何が原因かがわかったら、次はそれをどうやって改善するのか、です。ここが難しい。「おやつをやめてください」と言うのは簡単です。でも、おやつが好きな方に「おやつをやめてください」と言ってもやめられない。ここで指導が終わったら、改善には繋がらないので意味がありません。

ここからが管理栄養士の腕の見せ所なのだと思います。本当はおやつをやめてほしい。でもやめられない。であれば、じゃあどうすればよいのか。例えば、「毎日ではなくて1日おきにする」「量を半分にする」「カロリーの低いものに変える」「食べる時間を昼間だけにして、夜は我慢する」…いろんな提案をしてみて、どれなら実行できそうか。決して押し付けではなく、自分がちょっと頑張ったら出来そうと思ってもらえる提案をすることを心がけていました。 そのためには、食事内容だけでなく、その方の生活スタイルや性格的なところも知る必要があります。いろいろとお話して、共感して、寄り添って、最後には「じゃあ、頑張りましょうか」とお互い笑顔で終われる。そんな関係が大切だと私は思っています。

管理栄養士は「栄養素」を「食べ物・食事」に直すのが仕事です。そして、「昨日よりも今日、今日よりも明日」ちょっとでもいいから改善していける、そんなその方に寄り添った提案をするのが仕事です。指導者としてはちょっと甘いかもしれませんけど(笑)、私はそれが大事だと思います。

さて、そんな私がなぜ全く畑違いのIT業界である株式会社ハカルスに入社することになったのか。それは、私がハカルスの社長の嫁の同僚だったからです(笑) きっかけは本当に単純で、ハカルスで管理栄養士を探しておられたところ、身近なところに私がいて紹介していただいた、というご縁でした。

ハカルスに入るひとつ前の職場は管理栄養士の資格を活かした仕事ではなかったこともあり、もう一度管理栄養士として働きたい、という思いから、株式会社ハカルスの門を叩くこととなります。

現在

そんなこんなでハカルスに入社し、最初に取り組んだ仕事が「人工知能の指導内容の監修、および人工知能の学習支援」。具体的に言えば、アプリに食事の記録が入った際のアドバイス内容を作ること、です。 ここから、私の格闘が始まります。

これまで私が食事指導をしてきたのは「対面」です。もちろん、指導の考え方というか、糖尿病ならこういう指導、高血圧ならこういう指導、のようなマニュアルは存在しますが、あとは前述の通り、その人の食事内容や生活スタイルなどをお聞きしてみて、じゃあこうしましょうか、のようなご提案に繋げます。

つまるところ、「会話」が基本なんです。

それを、どうプロダクトとして落とし込んでいくのか。私にはさっぱり想像がつきませんでした。だって機械は会話しないし。 とりあえず、私がやってきたことを見てもらう意味でも、社長とエンジニアさんの前で「今朝何を食べましたか?」と切り出してみて、実際に食事のアドバイスをしてみました。すると、社長が「じゃあ、太田さんは食事内容を見るときに、ざっくり言えば ①カロリー、②栄養バランス、③野菜の量 みたいなところを注目してるんですね…うん、いける!」と言い出したのです。 私の頭の中は「???」でしたが、まぁ、とりあえずやってみましょう!ということで、エンジニアさんとの二人三脚が始まりました。

注目すべき項目を食事記録から抽出し、それを基にアドバイスを生成する。 これだけ聞けば単純ですが、そこには機械学習という私にとっては訳のわからない怪物がいるわけです。恐れずに言うと、私の素人感覚的には「そこに"わざわざ"機械学習という怪物を存在させる」のです。食事内容を見てアドバイスをするということ自体は私の脳内では当たり前にやっていることで、セオリーもこれまでの経験もあります。ですが、機械にそれをやらせるということは、まず機械が食事内容を見て「これはこういう食事内容」つまり「カロリー・栄養素が足りてる・足りてない、だから良い・悪い」を判断しないといけない。私はその判断基準を作らないといけない。

もう、まさに、意味不明。どうして"わざわざ"機械学習させるために複雑にしているのか。うーん。。。

でも、私のこれまでのやり方をヒアリングした上で、エンジニアさんがこうしてみましょうかと提案してくれた方法なので、こういう機械学習とか情報分野に全く知識のない素人の私は、とりあえず言われた通りにやってみることにしました。そして、言われたことをやってみたのですが、エンジニアさん的には「何かが違う」ようで、やりたい・持っていきたい方向に進むことができなかったのです。 ということで、やりかけていた方法はいったん白紙に。振り出しに戻る、です。

その後も、あーでもない、こーでもない、と議論を続けましたが、「なんだか噛み合わない」とおそらくエンジニアさんは思っていたのではないかと思います。そこで、彼がやりたいこと、つまりどういう考え方をしていきたいのかを話してもらうことになりました。

この時、私は初めて「k-means」に出会うこととなります。

食事内容を判断するために、どういう項目に着目するか、だけでなく、その後どういう作業をしてどういう結果を得たいのか、というところまで想像ができていなかったために、私はそれまでの考え方だけで作業を進めてしまっていたのだと今ならわかります。私は私の考えをエンジニアさんにお伝えしていた「つもり」だったし、エンジニアさんの考えていることを「なんとなくわかった…気がする」で理解できていなかった。その原因は、コミュニケーション不足。

そう、やっぱり「会話」が基本なんです。

そこから、怒涛の解説が繰り広げられます。私は私で、どういうことかわからないと思ったら聞くようにしましたし、エンジニアさんも素人の私にもわかるように色々と言い方を考えながら必死に伝えてくれました。そして、お互いに、どういうことがしたいのか、どういう結果を目指しているのかを共有した上で、食事指導のアルゴリズムを一緒に作っていきました。「クラスタリング」やらの横文字にも、だんだんと慣れていくものですね。今ではすっかり免疫がついています(笑) ひとえに彼のおかげです。

「k-means」についてもしっかりとは解説することは出来ません。そこの分野のプロではないので。でも、イメージとして掴んではいると思っています。 とりあえず空間に、考えたいものをばさーっとばらまいて、その空間には基準となるものもいくつか存在していて、これとこれは中に含んでいる要素的にこの基準に近いな、だから同じグループ、みたいにしてグループ(クラスタ)を作っていく手法。私の「k-means」のざっくりとしたイメージはこんな感じです。

こうして、私は、エンジニアさんのおかげで「k-means」を(ざっくりと)説明できる管理栄養士にレベルアップしたというわけです! エンジニアでもないし、どちらかといえば機械や情報分野に疎い私が、少し機械のキモチを理解できるようになりました(笑)

彼だけでなく、エンジニアの皆さんの視点は面白いなー、と思います。私が当たり前に感覚的にやってきたことを、違った視点で捉えているというか。 別のエンジニアさんが「メニューに足し算と引き算を定義したい」なんて言い出した時には、この人の頭の中はどんななんだろう?と笑いそうになりました。疑問、というよりは、どういうこと?教えて!みたいな感じです。

一年前の私だったら、「意味不明」としか思えなかったと思います。 もう、そこには感謝しかないですね!地道にいろいろと教えてくれたエンジニアさんに感謝です。

株式会社ハカルスについて

ハカルスには全然バックグラウンドが違う人たちがいます。エンジニアさん率はもちろん高いのですが、私は管理栄養士だし、運動面のプロとして健康運動指導士の資格を持つ人もいます。たぶん、私はこのハカルスに入っていなかったら、健康運動指導士には出会える可能性があったけど、エンジニアには出会わなかった。

ハカルスの特徴は、まさにここだと思います。

全然違うバックグラウンドということは、普通に会話していても話が通じないわけです。だからこそ、お互いがお互いにわかるように説明するし、理解しているかどうかを確認しあいながら、お互いの考えを尊重して共有していけます。その考え方や価値観の違いが、新しい発見を生み出すし、私だけで考えていたら出会わなかったであろう発想にたどり着けたりもします。

くどいようですが、私はやっぱり「会話」が基本だと思っているので、これからもちゃんとお互い顔を合わせて、思っていることを話して、寄り添って共感して、理解しあって、前に進んでいきたいと思います。 苦手分野だからと言って向かい合わないと理解はできないから、とりあえず喋ってみる。こういう考え方は、ハカルスに入って身につけられたかなーとも思っています。そして、みんなであーだこーだ言いながら一緒に何かを作っていくというのは、本当に楽しいし刺激的ですね!

今後どういうことをしていきたいか

せっかくこうやってプロダクトを創り上げるというチームにいるので、これからもエンジニアの皆さんと熱い議論を交わしながら、世の中のお役に立てるものを作っていきたいと思っています。 そして、出来る限り、私たちのサービスのユーザさんに寄り添ったものにしていきたい。

健康管理は食事と運動と休養が大切です。でもそれらは生活に密接に関係していることなので、なかなか変えることは難しい。だからこそ、「昨日よりも今日、今日よりも明日」ちょっとでもいいから改善していける、やってみようかなと前向きになれる、そんなユーザさんのキモチに寄り添った、健康への「きっかけ作り」ができるプロダクトを作っていきたいですね。

株式会社ハカルス's job postings
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