「イマジン・グローバル・ケア」代表取締役 木下 弘貴
早稲田大学 政治経済学部 卒。 東京大学 大学院 医学系研究科 卒。
現在ヘルスケアベンチャー「イマジン・グローバル・ケア」以外にも教育事業としてインターナショナル・プリスクールや飲食店経営など幅広く事業を行う実業家。
起業家精神の原点は?
僕は頑固で人見知り、さらに集団行動が大嫌いで、、子供のころは親を困らせてばかりでした。親の仕事は自営業で不動産業を営んでいました。仕事が上手くいったときは数百万円も稼いで、そうでない時は親戚からお金を借りるほど。このままじゃ年を越せない、みたいな・・・でも、それが当たり前のことだと思っていました。
大学を出てからは銀行に就職し外為を担当していましたが、働いている人も働いていない人も給料をもらっていることに、正直違和感を覚えていました。確かにサラリーマンも楽しいことはありましたが、当たり前のようにいつかは起業をしたいと考えていました。
調剤薬局経営のきっかけは?
銀行を退職した後、家業の不動産業を引き継ぎましたが、3年ほど経った頃、当時医薬分業の波がきていて直感的に調剤薬局事業へ参入しました。
薬局経営をはじめてからは、毎日病院の周辺に行って立地の良い店舗を探していました。ここだ!と思った物件へ行っては「こちらで薬局をさせてくれませんか?」ってお願いするわけです。最初はほとんど話を聞いてもらえず、追い返されたり、塩をまかれたりというのが当たり前でした。
でも毎日通っていると、だんだん変わってくるんです。少しずつ話ができるようになると、こちらの考えを伝えることができる。想いを伝えると「それなら木下さんに任せるよ」って言ってくれるようになって。最終的には薬局が110店舗まで広がりました。
でも薬局チェーンの経営をしていたとはいえ、僕はもともと文系出身で薬学の知識もありません。当然、薬剤師と対等に会話なんてできない。これではいけないと思って、薬局経営の傍ら30歳の時、東京大学医学部大学院を受験しました。願書をとりに行ったときは「あなたが入るの?」と受付の人にバカにされた態度をとられました。それで火がつき、勉強のかいがあり1番の成績で入学しました。
それからは昼間は薬局経営、夜はレポートを書いたりと、経営者と学生の二足のわらじ生活でした。
なぜ、薬局事業を手放したのか?
医療現場にいたからこそ肌で感じた「薬ができることは非常に限られている」ということ。血圧を下げるとかコレステロール値を下げることはできても、薬を飲んだからといって病気が完全に治るわけでもない。薬の副作用まである。それなら「もっと予防に力を入れて、そもそも病気にならなければいいのに」と思いはじめました。例えば食物から新しい成分を発見するとか、機能性食品の開発をすることで、人の健康を守ることができる事業を模索していました。
あと、この薬局経営事業はただの競争だとも思ったからです。僕が薬局を出さなければ他の誰かがそこに出すだけ。それよりも人が本来持っている免疫力を高めて「健康寿命を延ばすための会社をつくりたい」という想いがどんどん強くなり、立ち上げたのがイマジン・グローバル・ケアです。
イマジン・グローバル・ケアは何をやっているのか?
イマジン・グローバル・ケアでは機能性食品の研究から、製造、販売まで一貫して行っています。僕たちのミッションは、人が寝たきりで長生きするのではなく、世界の人たちが元気に暮らせる健康寿命を延ばすことです。
2011年に発売した健康食品「ブロリコ」は東京大学と共同研究開発・特許取得しており、累計150万個を売上、のべ20万人に届くまでに拡大しています。今となっては「ブロリコ」は主力事業であります。多くの会社で機能性成分を含む商品を販売していますが、それは原料をどこかから買い付けて、他の会社も販売しているものをマーケティングの力で競って販売しているもの。そういったことにはあまり興味はありません。
当社はオリジナルの成分にこだわり、カイコをつかったユニークな手法を用いて自社で研究します。販売する商品はエビデンスがしっかりしたものをつくるため、社内で臨床試験ができる体制も整えています。こだわり抜いた機能性成分を含んだ商品を販売することで、他にはない唯一のイノベーティブな商品ができます。
三菱東京UFJ銀行の主催するRise Up Festa において「先端医療・医薬品・医療機器部門」の最優秀賞を受賞。
これからやっていきたいことは?
今ある「ブロリコ」「ゴーヤミン」そして発売を控えている新商品をどんどんグローバル展開していきます。今はまだアメリカに子会社、韓国に支店のみですが、アジアや欧州にも広げていきたいと思っています。
これからも「革新的な商品を世に送り出し、世界の人々の健康寿命を延ばす」
この軸をぶらさず、理想の未来を目指していきます。
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