キャッシュレスのその先へ。お金のデジタル化から広がる社会全体のイノベーション(前編)

インフキュリオンデジタルは、最新の技術を駆使して世の中にまだないプロダクトを生み出すテクノロジーカンパニーです。「事業をつくる、人をつくる」をミッションに、新しいサービスやシステムを開発しています。今回は、インフキュリオンデジタル設立の経緯や将来像について、当社代表取締役社長の丸山弘毅のインタビューを前後編でお届けします。

キャッシュレスは必然の流れ
決済前後の行動のデジタル化も目指す

―ご経歴を教えてください。

新卒でクレジットカード会社に入社し、最初は今で言う「ビッグデータ」や「AI」を活用した不正使用・与信判断の施策を担当していました。マーケティングや新規事業立案、大型の投資、ベンチャー企業への出資などの経験を経て、「面白いことで世の中を変えたい」と思い、友人たちと一緒にインフキュリオン(現インフキュリオン・グループ)を創業しました。その後、会社も順調に拡大し、現在ではインフキュリオンデジタルを含め複数のグループ会社を運営しています。


―最近、世間では「キャッシュレス」が話題になっていますが、インフキュリオン・グループは創業以来、社会の「キャッシュレス化」を目指していますよね。

キャッシュレスやお金のデジタル化というのは、必然の流れだと思っています。私はちょうどインターネットが普及してきた1990年代後半にキャッシュレス業界に飛び込んだのですが、その時期にさまざまなことが変わりました。メディアが新聞やテレビからインターネット中心になり、ECサイトの登場で物流や小売の世界でも変革が起きた。物や情報が動くと、対価=お金も動きます。ところが、お金は依然として現金のままという状況です。

―確かに、これだけ色々なものがデジタルになっているのに、支払いは現金のことが多いです。

お金がデジタル化しないと、今後インターネットを使ったビジネスは成り立たなくなってくるでしょう。また、現在グローバルレベルでインターネットとリアルの一体化が進んでいます。そのような中で、現金をベースに金融システムを考えるというのは無理がある。やはりここでも、お金のデジタル化は必要です。

―インフキュリオン・グループでは、現在コンサルティングや決済端末の提供、自動貯金アプリ「finbee(フィンビー)」の運営など、さまざまな事業がありますが、その中で新しくインフキュリオンデジタルを立ち上げた理由を聞かせてください。

我々は今まで、お店や消費者目線でサービスの提供を行ってきました。しかし、決済業界はお店と消費者の間に銀行や決済事業者といったプレイヤーもいます。そうした人たちへのアプローチが足りていなかった。そこで、中間にいる銀行や決済事業者にも、デジタルをベースとした技術基盤によって、今までにない便利なプロダクトを提供したいという思いが芽生えたことがきっかけです。

―金融機関とお店、消費者をデジタルでつなぐイメージでしょうか。

そうです。また、決済というのは消費行動の一場面でしかありません。そこだけデジタル化しても、あまり意味がないわけです。例えば家電量販店などで買物をすると、まずポイントアプリを立ち上げ、支払いではクレジットカードを出し、最後に紙のレシートをもらう。この一連の動作が一つのアプリで完了したら、すごく便利じゃないですか?このような決済の前後の行動もデジタル化したいという考えもあり、インフキュリオンデジタルを立ち上げました。

自社で企画から運営まで
“サービスが実現した姿”を見せる

―消費行動全体のデジタル化も目的にあったのですね。

金融機関にとって最適な方法で、決済以外のところもデジタル化していく。そのために、技術を提供するだけではなく、まずは新しいサービスを自社で企画し、技術によって実現していくところから始めました。先にコンセプトからプロダクトまで作って、「この技術を使えば、こんなことができます」というのを見せるんです。我々は、自分たちだけでサービス提供を行って1,000万人に使ってもらうより、10億人にサービス提供できる企業に当社のサービスを使ってもらう方が、世の中を便利にしていけるという考えで事業を行っています。そのため、当社のサービスやシステムを使いたいという企業には、ホワイトラベルで提供しています。

―まず自分たちで作るというのが重要なのですね。

その重要性はすごく感じています。流通でも、小売でも、金融でも、既存のシステムをベースに新しいことをやろうとすると、膨大なコストがかかります。そこで、「こんなサービスを作るなんて無理」となってしまう。しかし、今の技術環境を活用すれば、大幅にコストダウンできます。そこを実際に自分たちでやることで、「技術で実現できる」ということを見てもらうわけです。

お金をデジタル化すれば、あらゆる産業が変革する

―今後、インフキュリオンデジタルではどのようなプロダクトを作っていく予定ですか。

まず、視点としては社会の課題解決と新しい消費体験の創出という2つの軸があります。社会の課題解決というのは、お店目線での話で、例えば少子高齢化による人手不足です。スーパーのレジをなくせば、その分人手を試食コーナーなどに回せたり、余ったスペースを売り場にできたりする。レジ行為そのものをなくすことで、効率化が図れるし、売り上げアップにもつながるんです。

―なるほど。新しい消費体験の創出というのは?

こちらは、消費者目線での話です。例えば病院って、診察でも待たされ、さらに会計でも待たされるじゃないですか。そこで、診察券に銀行口座やクレジットカードをひも付け、そのまま帰宅して後日引き落とし、ということができれば、財布もいらないし会計の待ち時間を解消できる。このように、消費体験全体が便利になれば、消費者も「現金よりキャッシュレスの方がいい」となるわけです。そういう意味で、お金をデジタル化するためには、消費者に新しい消費体験を提供することも重要です。

―お店と消費者、どちらの視点からもアプローチを考えているんですね。

グループとしてお店目線、消費者目線、どちらのサービスも提供してきたので、この2軸の視点を持った提案ができます。この点は、当社ならではの強みだと思いますね。

枠に囚われない取り組みで
キャッシュレスの先を見据える

―丸山さんは、「キャッシュレスのその先へ」というメッセージも発信しています。丸山さんが描く「その先」のビジョンをお聞かせください。

まず、将来的にキャッシュレスは当たり前になると考えています。お金を扱わない産業はないですから、お金をデジタル化すれば、あらゆる産業が効率化でき、サービスの在り方自体が変わります。そのため当社では、金融以外の領域でも、消費行動全体を変革する取り組みを始めています。

―キャッシュレス社会が実現しても、会社として新しい取り組みを続けていくと。

グループ全体のバリューとして、「INFINITE CURIOSITY(=無限の好奇心)」というものを掲げているのですが、キャッシュレスが達成されてもその理念は変わりません。また次の目標を定めて、新しいものを創り続けていきます。


―キャッシュレス社会になると確かに便利ですが、反面、“お金のありがたみがなくなる”といった懸念の声も聞きます。

そうですね。お金がただのデータになってしまうと、お金のありがたみや、お金を通したコミュニケーションがなくなってしまう。一生懸命働いて稼いだお金と、たまたまギャンブルで儲けたお金って、意味が違うと思うんです。何か大切な物を買うなら、自分で働いて稼いだお金を使いますよね。


―同じ1万円でも、どうやって稼いだのか、何のために使うのかといった前後の行動によってお金の意味が変わってくるわけですね。

我々は、そうした“お金の意味付け”をデジタルで表現していこうとしています。グループ企業で開発・運営している自動貯金アプリ『finbee(フィンビー)』もその一環で、例えば「1万歩歩いたら500円貯金」という設定ができます。ただ歩くだけだと辛かったり、苦しかったりするだけですが、それが貯金につながるとなると喜びに変わります。消費体験がデジタル化しても、「貯金のために頑張って歩いた」という行動そのものが喜びになる。こうした意味付けがデジタルの世界でも大事だと思っているので、キャッシュレスの一歩先の課題として、現在取り組んでいます。


―最近は、決済データを活用したビジネスを行おうとする企業も増えています。インフキュリオンデジタルでも、その領域での取り組みは考えていますか。

そうですね。ただ、我々が活用するのは、今までデータになっていなかった情報です。決済だけでなく、お店の予約、滞在時間、どのような商品を買ったか。こうした消費行動全体がデータになることで、データ間の因果関係が分かります。


―データ間の因果関係というのは、これまでは分からなかったのですか?

これまでのデータ解析は、いつ、どこで、いくら使ったか、というものでした。それだと、「このデータとこのデータに相関関係があるのは分かるけど、因果関係があるかは分からない」という状態です。我々は決済前後の行動もデータ化することで、なぜその行動に至ったかというストーリー的なデータの溜め方をしているので、因果関係まで分析することができます。


―買物をする際の、お店に行く前から商品を買った後まで、行動全体がデータとして蓄積できるわけですね。

さらに、先ほどご紹介した「finbee」では「何を買うために貯金しているのか」といった将来の消費予測のようなデータも取得できます。また、当社では1週間単位で支払い時期をずらせる『SLiDE(スライド)』という後払いサービスも提供しているのですが、そのデータも活用すれば、「何の支払いをどのくらい延ばしたか」も分かります。


―未来視点のデータまで取得できると。

そうです。このように、時間を超えてデータをつなぐプラットフォームのような取り組みも始めています。例えば、ある店舗でどのような人が来店して、その内の何割がリピーターなのかといったことは、現金で決済していると分かりません。しかしキャッシュレスになると、そうした部分もデータになるので、店舗の改善点も明確になります。実は、こうしたお店向けのデータビジネスにも既に着手しています。

―これまでのお話だと、インフキュリオンデジタルは金融や決済業界だけでなく、より広い領域にも飛び出していく企業のように感じます。

イメージとしては、金融/決済ベンチャーというより、世の中のプラットフォームを作るベンチャー企業に近いかと思います。先ほども言いましたが、お金というのはあらゆる産業に関わっています。そこがデジタル化すると、すごく巨大なインフラになるのですが、インフキュリオン・グループはまさにそのインフラの構築を行っています。その中で、インフキュリオンデジタルはグループの中核を担う企業として、Fintechやキャッシュレスという枠組みに囚われずに、社会全体の課題を技術によって解決することを目指していきます。

後編では、インフキュリオンデジタルの職場環境や仕事のやりがい、どんな人に一緒に働いてほしいか、などについてお届けします。

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