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The Roots vol.1「プラモデル」前編

ルーツ:週にひとつは作る。小学生時代の思い出「プラモデル」

ルーツとの出会い

“作る”楽しさを教えてくれたプラモデル

小学校の1年生から3年生くらいまでは、プラモデル作りに没頭していました。300円から500円くらいのプラモデルを週に1つは作る。プレゼントも「何が欲しいか?」と親に訊かれれば「プラモデル!」。しかも、「大きいの1つか小さいの3つ、どっちがいい?」と訊かれて、迷わずに「小さいの3つ!」と答えていました。とにかく数を完成させたかったんです。“完成品のフィギュアを買ってポージングで遊ぶ”ということには興味がなく、“作る”ことに興味がある。上手い人のまねをして、部品の細かい箇所をニッパーで切ったり、やすり掛けをしたり、きれいに作ることに夢中でした。そんな自分が後に本物の戦車設計に携わることになろうとは、その頃は思いもしませんでした。また、後に配属された車の部品の量産設計も、今から思えばプラモデル作りに似ている。誰が作っても同じものとして出来上がるパーツと説明書は、つまりは量産設計ですよね。技術の道に進む第一歩となったのは、“作る”楽しさを教えてくれたプラモデル。少年の頃の懐かしい思い出です。

初めてのステージ

出来上がった部署に配属されるより、自分で部署を立ち上げるくらいがいい

学級委員やバスケットボール部のキャプテン、大学時代にハマったバンド活動でもベースを担当する傍らライブイベントを計画するなど、人をまとめることに興味がありました。だから、就職を考えた時も「出来上がった部署に配属されるより、自分で部署を立ち上げる位がいい」という思いがありました。同じ技術の道でもアウトソーシングを選んだのはその思いからです。まずは顧客からひとりの技術者として認められ、やがて、ひとつの部署をアウトソーシングとして任される。その達成感を得たいと思いました。最初の会社では硝子の計測業務、次の会社では戦車の潜望鏡の設計。そしてその次の会社では自動車部品の生産設計(量産設計)を担当。この頃には50名のチームを任されるリーダーになっていました。技術者として知識と技術を吸収するだけでなく、メンバーをまとめることを学ぶ。大学では光工学を学びましたが、仕事の現場では技術だけでなく、「人対人」で何を起こせるのか、ということが大きなテーマとなっていきました。技術、そして「人対人」。これはどんな職場でも共通の、永遠のテーマのように思えます。


転機

“伝える”、そして“共感”。そこから始まる

次の職場では自動車メーカーでCAD講師を任されました。受講する方全員が「CADを学びたい」と思って来ているわけではない。会社の命令で半ば強制的に来ているだけ、という方もいる。そんな中、考えたのは“共感”の大切さです。授業の導入で「この1本の線を5等分にして下さい」という課題を出す。すると、三角定規やコンパスといった、これまで皆さんが学んだ方法論が出て来る。でもCADなら「“5”と入力して→コマンド→ワンクリック」で完成。しかも線の長さが変わっても、いくらでも対応できる。この導入で「CADを覚えてみたい」という“共感”が生まれるわけです。授業中、下を向いたままでも、わかった人は頷いている。これも「できた」という“共感”。“伝える”、そして“共感”。そこから始まる。考えてみれば、50名のチームのリーダーとして、一人ひとりと向き合っていた時も同じことをしていたように思えます。CAD講師での経験でこのことを強く意識するようになりました。今もこのことは、「人対人」の場で常に活きています。

WATとの出会い

信念のとおりに歩きたい。だからWATを選んだ

当時私が在籍していた会社は社員数1万人規模の会社でした。50名のメンバー一人ひとりの育成や査定、個人的な背景に向き合う毎日。「やりたいことをやろうとしていることに間違いなどない」。それが当時の私の信念。だから希望を会社にあげる。でも2か月待っても、3ヵ月待っても答えは返って来ない。同じ頃、ある研修の先生にこんな話を聞きました。「ひとりの人と向き合う時、その背景にはご両親やお爺ちゃん、お婆ちゃん、家庭があるなら奥さんや子供たち、全部で10人くらいの人がいる。その人ひとりが困れば、その背景にいる10人が困ると思いなさい」。ものすごく感銘を受けました。でも当時のその会社では、自分がどんなに声をあげても、中枢には届かない。そんな時、WATに行った以前の上司が誘ってくれたんです。「うちは小回りも効く。ちょうど支店も拡大するところだし、来ないか?」。信念のとおりに歩きたい。それに自分が信頼している人が自分を信頼してくれている。もうその時点で即決でしたね。



福舘 淳のインタビューは後編へ続く

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