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KeepAliveのデザインシンキングフレームワーク「コンテキスト・ウィービング」のご紹介(前編)

どうもこんばんみ!KeepAlive代表の成田です。DX専業コンサルのKeepAliveでは事業構造の変革や新規事業の戦略立案に関する案件が非常に多く、世の中一般的な方法論を踏襲しながら我々独自のフレームワークを開発して案件で活用しています。今回はその中から2回前の記事「iPhoneにはなぜ体温計がついていないのか?」で最後に触れた弊社のデザインシンキングで活用しているフレームワークの一部についてお伝えしようと思います。その名も「コンテキスト・ウィービング」です!プロダクトデザインにおける設計思想フィロソフィー、製品や事業のバリュープロポジションを策定する上で非常に役立つメソドロジーです。それではいってみましょう!


コンテキストってなぁに?

まずはプロダクトに纏わるコンテキストというものの前提を整えたいと思います。コンテキストという非常に多義的で解釈が曖昧な用語は用法・用例をルール化しないとなかなか検討の視座や視野が合いません。いったんここで整えましょう。

コンテキストは英語で「Context」と書き「文脈」や「環境」と訳します。例えば、「桜を見る会」問題は、「公職選挙法」や「政治資金規正法」上の「有権者の買収」であり、いわゆる「汚職」。絡めて旧安倍政権時代の「政治と金」全般、「公文書管理法」上のシュレッダー問題など様々な問題が紐づいています。ここで「桜を見る会」を上位コンテキストと呼んだり大文脈と呼んだりします。上位コンテキストに紐づく各種問題を下位コンテキストと呼んだり小文脈と呼んだりします。

つまり、大きなテーマに別のテーマが関連する場合、それらを紐づけて整理した固まりが「一連のコンテキスト」となるわけです。

コンテキストの構造は主体となる上位コンテキストがあり、ニュースや話題に纏わる「時事的関心事」、主体が晒されている状況や内部・外部を取り巻く「環境的関心事」、主体がどのように解釈されているか・見られているかという「マーケティング的関心事」、そしてそれらが向き合っている「社会課題」に分かれます。デザインシンキングではプロダクトを主体として「一連のコンテキスト」に整理するところから始めます。


プロダクトデザインの「今、ここ、自分」

最近とある方に教えてもらったのですが、禅の教えで「即今・当処・自己」=「今、ここ、自分」という考え方があるそうです。自分が置かれている現在の立場、状態を所与として、できることは何かを見つめ直すことだそうです。

新規事業や新製品開発においても同じですね。今、この社会において、この製品がどのような影響を誰に与えるのか、あるいは今後の社会において製品や事業が生きていくためにどのように変わらなければならないのか。これを整理して事業戦略を立てる必要があります。

事業や製品の場合、コンテキストを整理した結果ネガティブな要素が多く、ポジティブに変革するのが難しいと思うことがあるでしょう。ここで大切なのは「できることは何か」を身の丈に合わせて考えることです。社会課題には、国や大企業が向き合う所謂ハイアジェンダ自治体や中小企業が向き合うミドルアジェンダ個人や小規模グループが向き合うニッチアジェンダがあります。身の丈に合わない社会課題に向き合うと自分の無力さを露呈するだけで先に進まないので、検討の風呂敷のサイズを「自分ができる範囲」に合わせることが重要です。

言いたいことも言えないこんな世の中じゃポイズン」ではなく「言いたいことを言えるこんな世の中のためのメディスン」で思考しましょう。はい言いたかっただけです。


プロダクトに纏わるコンテキストを整理してみよう

ではコンテキストを整理してみましょう。今回はKeepAliveのアパレル関連新規事業「Nexingプロジェクト」の第一弾、「Onemiler&Detrans(※以降ワンマイラー)」を例に考えてみます。※ワンマイラーのご紹介については別途記事書きます。

ワンマイラーは鞄や財布などを扱う革小物ブランドです。以下のようにざっと整理しています。


■上位コンテキスト
革小物プロダクト
■下位コンテキスト
・社会課題(ミドルアジェンダ)
COVID-19禍におけるニューノーマル生活の楽しみ方、鬱屈とした在宅ワークと運動不足の解消
・時事的関心事
GoToキャンペーン、ニューノーマル、リモートワーク、ワーケーション、コロナ鬱、夫婦喧嘩・DV、5G通信網とiOS14、DX…など
・環境的関心事
(外的)アパレル業界の経済動向、リモートワーク普及率、DX成功事例…など
(内的)KeepAliveの資金・財務、KeepAliveの本業(コンサル)、デザイナーの確保…など
・マーケティング的関心事
感度の高い人に届けたい、シンプルだけど上質なモノを作りたい、テックと融合してDXのモデルケースとして成立させたい、あわよくばバズりたい…など

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■この整理から生まれたワンマイラーのコンセプト
 Withコロナでリモートワークの多いこの社会、生活の中心となるのがワンマイル圏内つまりご近所。自宅作業の気分転換に近くのカフェでちょっとお仕事。いざお着換え。とはいえ、ちゃんとしたオフィス街に出向くわけでもないのでメイクやファッションはサボりがち、というかご近所散歩でバリバリのオシャレしても浮くよね。逆にダサいわ。でも手持ちの普段着はダルダルすぎて全然お出掛けに気合入らないわ。という意識高めな男女に向けたユニセックスブランド。
 利用シーンは近所のスーパーでお買い物、図書館やカフェでお仕事、自転車でランチなどワンマイル圏内の生活全般。自分の住んでいる街のことはコロナ以前はよく知らなかったけどワンマイル生活を楽しんでいるうちに少しずつ知るようになった。だんだんこの街のことが好きになってきた。


こんな感じでコンテキスト整理しています。これは実際はワークショップ形式かつ、コンテキストマップという手法でマトリクス化して整理しています。※コンテキストマップに関するワークショップの進め方については別途記事書きます。

ここまででコンテキスト整理からプロダクトの基本的な設計思想、哲学が生まれました。とはいえこれだけでは単一プロダクトとして終わってしまいます。お待たせしました。本記事のメインである「コンテキスト・ウィービング」の作業はここからです。長くてごめんね。


長くなりそうなので後半へ続く!「コンテキスト・ウィービング」に向けたインタフェース開発、プロダクトにテックを纏いレセプターを開発しよう

KeepAliveではプロダクトとプロダクト、コンテキストとコンテキストをテクノロジーで繋いで新しいプロダクトやコンテキストを生み出す手法により所謂「コト商材」を作ることにより事業のスケーラビリティを担保するコンサルティングを行っています。その一つが「コンテキスト・ウィービング(Context Weaving)」です。コンテキスト・ウィービングの前作業としてプロダクトに対して「テクノロジーを纏わせる」ことと、別のコンテキストを吸着させるための「レセプターを開発」する必要があります。

次回、「コンテキスト・ウィービング(後編)」ではそのやり口について詳述しようと思います。乞うご期待!ではまた!KeepAlive成田でした!

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