サブスクリプション型ビジネスと呼ばれる、利用期間に対して対価を支払う定額サービスが近年拡がりを見せています。トヨタ自動車も2019年2月5日に毎月定額でレクサスを含めたトヨタ車を乗り換えられるサービスKINTOの開始を発表しました。従来の音楽・動画配信サービスといった非リアル店舗型のサービスを扱う業態だけでなく、リアル店舗型のモノを扱う業態へもあらゆる分野において導入が進み、注目も集まっています。
そこで今回は、拡大を続ける定額サービス型ビジネス(以下、「サブスクリプション型ビジネス」という)について、新たな導入事例をご紹介していきます。
世界各地の住居に住み放題「HafH(ハフ)」
株式会社Kabuk Styleが運営する、「HafH」は毎月定額で全世界の住居、働く場所、地方のシェアを提供しています。特徴的なサービス名は、英語で「第2のふるさと」を意味する「Home away from Home」の頭文字をとったものです。
サービス内容としては、毎月定額で(敷金や光熱費といった諸費用込み)世界各地の提携住居に住み放題というものです。
住居として利用したい人、旅行時に利用したい人、仕事場として利用したい人など様々なニーズに合わせてコースを用意しており、それぞれの目的に合わせて有効活用できるようになっています。
2019年1月には第1号店を長崎に出店した同サービスは、今後業務提携を行いながら、国内外の提携店が増えることが期待されています。
また、同様のサービスを「ADDress(運営:株式会社アドレス)」が2019年4月より展開予定です。米国においても、WeliveやOpenDoorといったサービスが提供されており、世界中でこの分野のサービスは拡がりを見せています。
ビジネスウェアのトータルサービス「着ルダケ」
株式会社レナウンが提供する、ビジネスウェアの月額定額制トータルサービスは、月額4,800円から利用可能です。
春夏と秋冬の2シーズンごとにスーツが提供され、クリーニングや保管、引き取りといったサービスが一括して受けられます(上位プランでは、スーツだけでなく、シャツ、ネクタイの提供もあり)。
また、2年ごとに新商品と交換でき、自分だけのものとして利用可能で、気に入ったスーツがあれば買い取ることも可能です。コーディネートについても、オンライン上でコンシェルジュが対応し、悩みや質問にも答えられる仕組みとなっています。
アパレル分野におけるサブスクリプションサービスの老舗株式会社エアークローゼットが展開する「エアークローゼット」は、登録会員数は既に20万人を超えており、今後その拡大は続くと予測されています。
株式会社フードリヴァンプが運営する「野郎ラーメン」が月額8,600円で1日1杯食べられるというアプリ「1日一杯野郎ラーメン生活」をリリースしたことは、多くの人がご存知ではないだろうか。
首都圏の1都3県に16店舗(2019年1月31日現在)を構える同店で利用可能で、仮に毎日食べた場合は、一杯当たり309円となり、同サービスで食べることができる最高価格のラーメン 味噌野郎880円を、571円もお得に食べることができます。
こうした飲食店におけるサブスクリプションサービスは、一店舗だけで利用できるサービスだけでなく、複数の異なる飲食店にまたがって提供するサービスも広がっています。月額利用料を支払うだけで、登録されている加盟店を利用すれば、ドリンク1杯や1食分を利用できるというものです。
株式会社GUBITの提供するGUBITはその一例で、月額980円で一日1杯、加盟店のアルコールドリンクが利用可能です。
サブスクリプションモール「subsc(サブスク)」
ここまでは個別の商品やサービスごとにサブスクリプションサービスを展開している企業をご紹介してきましたが、最後にご紹介するのは、サブスクリプション(定期・定額購入)専門のECモール「subsc」です。
毎月定額料金を支払うことによって、毎月野菜やお米、精肉、ご当地グルメ、お酒、花など多種多様な商品を受け取ることができます。毎月中身が決まっているものではなく、サービス事業者が季節やおススメによって選んだ商品を受け取ることができるというのも一つの魅力となっています。
単純に商品を購入するのではなく、「次は何が届くのだろうか」といった期待感を消費者に与える同サービスは、所有から利用への消費者の価値観の移り変わりを代表しているものといえます。
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