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理想と現実の狭間で迷っている貴方に。

こんにちは、株式会社ピュア設計部の和智です。いよいよ求人活動も夏まっさかりですね。最近毎週水曜(たまに木曜)に更新するのを意識してます。笑 それはさておき、中々理想と現実の差って埋めにくくないですか?今回は、図面と施工の話から夢と理想の埋め方を具体的に考えてみたいと思います。

※ちなみに私は事務なので、設計メンバーの話や建築情報サイトを参考に今回の記事を書いてます。

(私は前職でFAD図面を作成した程度です。)

現実と理想の差が埋まらない?

この記事を見てくれた貴方は大なり小なり夢や理想をお持ちではないでしょうか?私は理想や夢がないとモチベーションが下がって仕事にならなくなるので、夢や希望は本気で大切だと思っています。現実は厳しいし、そんなに甘くない。そんな中でも強く生きていくには、やはり自分の中で夢や希望、行動の目的を色々持っていることが重要だと思います。ただ、それを持っていたとしても、理想との距離がどれくらいあるのかわからないと、その差は中々埋まりません。というわけで、巷で推奨されるのはこれを紙に描きだしていくことかと思います。真っ白な紙にペンか鉛筆で自由に書いていくのがよいとされていますね。つまり、頭の中にある見えないアイデアを2次元に落とし込んで可視化しようということです。そして、それを行動に移すことで3次元化、現実化する流れをたどります。が、実際には能力的な部分やゴールまでの道のりをどう選ぶかで結果が変わってきます。理想を短期間で達成する、時間はかかったけど達成する、あと一歩及ばず達成できず、予想外の事態に見舞われて達成できず、全然違ってて達成できず。じゃあ、上手く順調に進めて達成するにはどうすりゃいいの?と思いますよね。この、理想を現実に実現させる際に2つの項目があるのではないでしょうか。

①知識、情報、ある程度の予測、確実性

②実務経験、経験値、技術力、リカバリー

この2つに分けられると思います。知識があっても現場を知らず、理想のみに目が行きがちになるとあたまでっかちになってしまいます。現実で失敗しても、反応が遅れて修正が難しくなります。そこで必要になってくるのが、経験や技術力になります。自分の持つ力や実際の行動が現実でどのように作用するのか?を知っていることが大切になります。この両方が揃った時、物事は上手く回り始めるようです。

例えば、図面と施工の場合。

設計業務には図面作成と店舗施工管理があります。図面が夢の設計図だとすると、施工は実力を試される現場になります。基本的に設計士の設計に沿って、業者の方と一緒に皆で協力して施工して建物を建てます。が、工事進めて行くにあたって、図面ではこう書いてあるけど実際には出来ないといった、図面通りに行かないことが多く起こります。図面の精度もあるかもしれませんが、分業が進んでいる昨今、図面作成する人は施工をする人ではないということもあるので実際にやってみたら上手く収まらないということも起きたりします。わたしたち設計部は、設計メンバーが最初から最後まで担当して現場も行きつつ図面作成をするので割とそんなことは無いのですが、他部署から仕事を振られるとそうも言ってられなくなります。引継ぎは簡単なものですし、図面を見ると明らかに余白が取られておらず設計メンバーが動揺します。「え、これ本当に入るのかな?」「いや、無理でしょ」「なんでこんな図面になったの」「知らないからじゃない?」「うーん、これは手戻りになるかも」「先に言っておいた方が良いんじゃない?」「でもこれで行こうと思うって言ってましたよね」「今やり直しが厳しいとなると後々手戻りになるね」といった会話がされていたりします。図面は、書こうと思えばいくらでも書けてしまいます。これは破綻しますよ、不可能ですといったブザーの機能は作図ソフトにありません。つまり、図面作成者が現場を想定した図面を作成しないといけません。しかし、作図に集中すればするほど現場に行ったり現場の声を聴く機会は減ります。結果、図面と現場にズレが生じて現場で上手くいかず何度もやり直しが起きます。

図面ソフトは正確に線が引けるし狂いません。しかし、現場では人がやることなので多少の誤差が生じます。その誤差があまりにも大きいと現場が図面通りには収まらなくなってきます。最終的には建物全体に影響します。じゃあ、どうするのか?

設計図にすきまを入れておく。

この隙間とか余裕を建築業界ではクリアランスと呼ぶようなのですが、ベテランの設計士や施工管理者はこのクリアランスの取り方が絶妙です。きっちりすぎると少し歪んだだけでも収まらなくなりますが、全体のバランスをみて余裕を見ておくとちょっとの誤差なら何とか収まるようになります。誤差の許容範囲の見極めが現場の収まり具合を決めます。たとえば、図面に描いてある数字があります。でも、実際にそれを目指すとぴったり行くときとそうでないときがあります。例えば、壁にスプレーで吹き付けるという場合、その厚さにムラが出来ます。なので、数字に足りない箇所が出来たりします。しかし、1㎜や2㎜は誤差の範囲だし、影響もそんなに出ないのでは?と思いますよね。それだとダメなんです。想定している機能性が下がります。となると、ぎりぎり狙いに行く数字より、多めに書いた方が安心ですよね?でも、その数字をそのまま図面に描くと、それはそれで問題になるかもしれません。なので、想定の部分にさらに足す形で数字を描きます。見る人が見れば、「ああ、クリアランスね。」となります。

しかし、毎度毎度適切なクリアランスを入れられるわけでもありません。

そんな時は、実際に施工する方が実力を発揮してくれます。どうすれば上手く収まるのか?を1番よく知っているのは施工する人です。なので図面を見て「あーこれ、だめだね。辞めといたほうが良い」と言われることもあります。それは、設計側が見えなかった現実の部分を考慮して言っている言葉です。逆に「こういう方向性なのでこうかもしれないがこれはこうしてください」と設計メンバーが話すこともあります。それは、こちらの理想や作ろうとしている物を施工の方に伝えているのです。設計段階で分からなかったことが判明して相談に入る、ということは良く起きます。そこからどう、良くしていくのかを双方で考えます。図面と違うこと自体が悪いわけではありません。手続き上の手間や予期せぬハプニングがあるかもしれませんが、逆に最初より良くなることだってあるのです。施工側も、設計図を守って再現しつつ、もっと良い納め方がないか、試行錯誤しています。

最初に出来る事は、現実に成り立つか考えながらつくること

最初の段階に出来る事で、図面を作成するのに必要なことは、その図面が現実に成り立つのか?を考慮した、現場寄りの図面作りだと思います。そのためには、実際の建物がどんな造りかしっかりと見て知っておく必要があります。現場で何を見てどこを確認するのかを知っておかないと現場にただ行くだけではあまり意味がありません。しかし、最初はどこを見れば良いのかわからないと思います。何事も経験です。

理想と現実の差の埋め方

最初の話に戻ると、理想は図面と一緒でいくらでも好きに描けます。実現不可能かどうかなんて関係ありません。しかし、色々な理想の中から現実に実現できるものは内容にもよりますが、おそらく全てではありません。そして、理想を実現する為には、現実にはどんな形になるのかを考えます。現実の形がわかれば、次にやり方を考えます。このやり方は、誰でもできるとか他人がやったことがあるとかは関係なく、自分が出来るかどうか?を踏まえて現実的に考えます。

<例えば、私がかっこいい椅子のデザインを思いついたとします。>

理想:思いついたかっこいい椅子のデザインを忘れる前に何らかの形にしたい

現実での理想の形:小さいミニチュアの椅子を作ってみる

現実1:型はありません。探すと時間かかる

現実2:不器用なので、寸法通りに素材をカットしてパーツを作ることはできず歪むと予想。

現実3:実物が歪んだら理想のイメージが歪むかも。それは避けたい

現実的なやり方:既製品のミニチュアの椅子を買ってきて、そこに着色や布張りをする。シール貼る。

こんな感じで実際に出来る範囲で理想の実現を考えていきます。地味に普通かもしれません。でも、こうなります。やり方は普通でも、無理なく理想を実現出来るならこれはアリではないでしょうか。この話でのポイントは、理想が現実にどのように表れるのか?を考えることです。現実可能なことだけをするのは面白くないですが、到底不可能なことに挑戦するのはハードルが高いのでくじけやすいです。だから、うまくハードルを下げて理想に少しずつ近づくのが良いかなと思います。


面倒な事だからやりたくない?

面倒だからやりたくないし、さほど考えずに行動移せるような楽な方法ないの?となるかもしれません。でも、面倒だからこそ誰もがやることではありません。誰もやっていないことをやる事に意味があります。また、最初に少しでも詰められればその後のタイムロスを減らせるかもしれません。楽をしたいから、できるのにやらないというのはもったいなくないでしょうか。ここは手間を惜しまずやるべきです。そして、それは何の為なのか?と思われるかもしれませんが、「やるのが正しいから」と言うつもりはありません。むしろ正しいとか間違っているとかは別として、頼まれた仕事をしっかりこなし、誰がどうでも少なくとも自分は可能な限り誠実にまともに仕事をやったと言えるだけの仕事をしないと、自分の身を守れないからです。安全性を確保するために、面倒でもちゃんとやるのです。


*補足:自分用の資料

貴方は自分用の資料を作ったりしているでしょうか?私は結構、調べもの担当なので様々調べる際に、同時進行で作っています。提出する報告と別に、フリーフォーマットのネタ集を突っ込む専用フォルダを作っており、そこに写真もデータも情報も突っ込みまくっています。カテゴリでなんとなく分けていますが、基本的にはここに突っ込んでから構成を考えて提出用の報告書やレポートを作ります。提出した後は、報告書やレポートの原本は手元に残りませんが、この元ネタ集があればいつでも引き出せます。lineで試したことも有るのですが、lineの場合は単発の画像を連投すると一定期間を過ぎた後見れなくなるので確実性に欠けます。なのでPC上につくると良いかもしれません。最初は覚えていればいいと思って記憶していたのですが、いざというとき思い出せず探すのに時間が取られることが多くありました。そこで自分専用の資料を作るようになりました。やる前は手間がかかるし面倒だと思っていましたが、作るようになってからは意外と出番も多く、探し直すことが減ってこれはこれで便利です。長く続くコツは、なるべく自由にやることです。


自分がやらないことについてもある程度の周辺知識は持っておく

色んな物事を上手く進めるためには、周辺のことも少しはわかっていないといけません。何の役割がどこにあって、自分は接点があるのか?ないのか?なども知っておいた方が上手く話を運びやすいし、自然に立ち振る舞えます。また、話をする際には相手が使う言葉もわからないといけません。どこまでの知識を持っていればいいかというのは難しい話だと思いますが、周辺知識は作業を進めるための検討の時に結構役立ちます。自分がやるわけではないから知らないしそれでいい、という人が大半だと思います。そうなると、相手の人がこちらがわかるような表現で話をしないといけないのですが、わかっている人というのは往々にして自分が知ってることは相手も知っていると思って話をします。何を知らないかわからないのでレベルを合わせる事ができないのです。しかも、相手側は何を知らないのかな?と思っていますが、こちら側は実際には何も知らないので意思疎通は大変です。


今回は、夢と現実の差をどう埋めるかを考えてみました。いかがでしょうか?出来る事から始めるのが大切だと思います。理想と現実は全く違うかもしれませんが、可能な事は何かを考える事が夢の実現に近づくコツかと思います。


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設計部一同、貴方にお会いできる日を楽しみにお待ちしております。

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