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【CEOインタビュー】外資コンサル出身・ロジカル経営者が仕事で一番大切にしていること。

佐々木 文人(株式会社ノットワールド 代表取締役)

1983年愛媛県松山市生まれ横浜育ち。東京大学経済学部卒業後、損保ジャパンに就職。自動車保険開発や営業に携わる。その後ボストン・コンサルティング・グループに転職し企業の業務効率化や売上拡大に貢献。結婚して会社員を卒業後、夫婦でハネムーン世界一周へ。36カ国周遊後、佐々木純子・河野有(コウノ ユウ)と三人でノットワールドを起業。


ーノットワールド立ち上げ前の経歴を教えてください。

3歳の頃に松山から横浜市青葉区に引っ越してきて、大学まで横浜に住んでいました。中学受験して、中学高校完全一貫の駒場東邦に進みました。共同創立者の(河野)ユウとは中学で出会って、大学まで同じです。

大学卒業後は損保会社に就職しましたが、本当は商社に行きたかったんです。モテるし、英語を使えるし、給料もいいし、経営スキルを早く身に付けられると思って。でも、主な商社は全部落とされて、心が折れました(笑)。
最終的に、商社に行きたいと言っても受け入れてくれた損保ジャパンに入社することになりました。入社当初は自動車保険の開発部署配属され、その後営業部署に転属しました。組合活動や部活動、同期後輩先輩との飲み会や社外異業種交流会企画など、仕事外も全力で楽しんでましたね。

仕事面でも楽しんではいたのですが、もっと働きたいのに働かせてもらえない、というフラストレーションを抱えていました。21時にはオフィスの電気が消えるため、”あと2時間あればもっといい形でクライアントに提案できるのに。もっと働けるのに。”と不完全燃焼感がありました。

独立を目指すにあたり、保険分野での仕事はは遠回りに思えましたし、10年後の自分のイメージがもてなかったので、転職を考えはじめました。

ーいつ頃から独立を考えていたのでしょうか?

大学時代から独立は考えていました。学祭やサークルみたいに、みんなで楽しくワイワイ何かをやるのが好きで、気の合う人たちと何かできたらいいなぁと思っていましたが、肝心な「何か」がゼロの状態だったんです。

自分で裁量をもって、楽しくできることがやりたい。そう思って一時期は農業も選択肢にいれていました。「何か」がまだ白紙の状態だったのもあって、外資系コンサルティング会社に転職することに。そこで身につく「考える力」は普遍的だし、独立に役立つだろうと思ったからです。
コンサルティングファームへの転職は、大学に学びにいくような感覚でした。

損保会社で働いている時は、自分はロジカルな方だと思っていたんですが、コンサルの中では全然ロジカルじゃないねと言われる。そこで学ぶことは多かったです。


ー日本にもいくつかコンサル会社がありますが、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)を当時転職先に選んだ理由を教えてください。

なんとなくこの会社となら、はまる気がしたからですね。
ここは「多様性からの連帯」を掲げていて、色んな人が集まったら楽しいよね、という感じの会社で、右向け右的な社風ではなく楽しそうだなと。

実は大学4年の時に一度就職試験を受けて筆記で落とされています。社会人2年目のときも、BCGの講演会を聞きに行ったら実は採用試験だったことがあり、その時は「社会人3年経ってまた来たら」と言われました。
社会人3年を終え、4年目に差し掛かったタイミングで再度門をたたきBCGに入社しました。

BCGでは、極論、24時間働きたいだけ働かせてくれました。働きたいのに働かせてもらえないというフラストレーションがなくなり、思い切り仕事ができる環境がうれしかったです。

9時出社23時退勤がデフォルトで、睡眠は移動時間にのみとるというような時もありましたが、どれだけたくさん働いても大変という感覚は一切なかったですね。自分がやっている仕事に意味があるのかさえあればよかったんです。量質転化で、たくさんやるからこそ見えてきたこともありました。

大変だったのは転職1年目。自分がチームに貢献できているかわからない、仕事の進め方がわからない、何をやっていいかがわからないという自分の無力さを痛感した時期は辛かったです。
外資系コンサルって ”UP or OUT”、昇進かクビか、二択のみなんですよね。いつまでも同じ場所にいる”STAY”は存在しない。3年目でようやく、辞めてもいつでもコンサルには戻れるというくらいには自信がつきました。

(BCG時代。前列右から3番目)


ーBCGを辞めたあと、ハネムーン世界一周に出たんですよね。旅行したいと思うきっかけは何でしたか?

最初のきっかけは、大学三年の時にいった兄とのタイ旅行だったかな。そこで入ったバーで、6ヶ月間ハネムーン旅行しているというオーストラリア人に出会いました。そんなに長期間旅行する世界があることを知り、衝撃を受けました。その後高橋歩さんの『Love&Free』を読んで、日本にもいるんだなと思いました。

もともと海外コンプレックスがあったんです。外資系コンサルで働いているのに、自分は英語を使わずに仕事をしている。海外にいくといえば海外大学に留学する人が周りに多かったのですがそれだと面白くないなと。海外にはいつか行きたいなぁとは思っていました。

(@スペイン / 左から佐々木文人・純子、河野有)

純子(佐々木純子・同取締役)とハネムーン世界一周中、ブラジルで合流したり一部行程をユウも一緒に行っています。その間に帰国してからのビジネスプランについて色々と話し合っていました。

ユウとは卒業後も共通のグループで、週1回は楽しく飲み会をやっていました。将来一緒に「何かやろう」とは話していたのですが、飲み会ばかりをしていても何も生まれないことに6年目でやっと気づいて(爆)、さすがにこれはまずいなと思いました

何かを変えようと思い、夜の飲み会に加えて、スタバでの朝コーヒー会も追加。ただ、朝コーヒー会をやってみて、実現したのはバーベキュー企画1回だけ(笑)。

起業して何をするかはやっぱり白紙で、とりあえず旅行いってみてから考えようか、と。


ー帰国後すぐにツアーでの起業を考えていたんですか?

最初は、ゲストハウスを運営して、宿泊者に近隣のツアーを売ることを考えていました。

というのも、世界一周中は都度現地でツアーを見つけて参加していましたが、日本には訪日旅行者向けの現地発着ツアーがとても少ない。そこでまずはゲストハウスをはじめようと、品川にあるゲストハウスでバイトをしながら、自分たちの物件を探しました。でもなかなか良いと思う物件がみつけられず・・・。理想的な物件を手にいれるにはお金も時間もかかりすぎると判断して、2015年1月からツアー事業を先にスタートさせました。

最初は留学生やMeetup(インターネット上でイベント参加者を募るウェブサービス)で集めた外国人を無料で案内していました。僕もユウも観光業界やガイドの経験もありませんでしたが、お互いにガイディングのフィードバックをしながら、ツアーのノウハウを溜めていきました。未だに英語は得意ではありませんが、当時は今の2割くらいの英語力で、それでもゲストに楽しんでもらいたい一心で、必死にやっていたのを覚えています。

この業界での集客は口コミが大きく影響していて、旅行業界の最大手口コミサイトであるトリップアドバイザーでのエクセレント評価の獲得が、次の集客につながります。当初はユウがメインでガイドを担当し、毎回「絶対にエクセレント評価をとってくる!」という意気込みでツアーに臨んでいました。そうやってトリップアドバイザーでの口コミやエクセレント評価を少しずつ溜めていきました。

立ち上げ当初から現在も活躍してもらっているガイドさんにも協力いただいて、ツアー造成や仕組みをつくっていき、インバウンド専門の媒体で募集をかけたりして徐々に協力頂けるガイドさんも増えていきました。

今では2,000件以上の参加したゲストからのエクセレント評価を頂いています。


ーインバウンド他社との違い、ノットワールドにしかないものって何でしょうか?

『愛』ですね。

観光ってお金儲けの道具ではないんですよね。観光に関わるには、地域の人も、旅行者も、ガイドさんも、うちのメンバーも、みんながハッピーになることが大事だと思ってます。

どうしてもゲスト(旅行者)が最優先させてしまいがちだけど、優先させすぎて続かないものよりも、持続可能なものにしていきたい。そこは誇りをもってやっていきたいと思っています。もちろんビジネスを成り立たせることも前提ですが。

ゲストも、街も、ガイドさんも、うちのメンバーも、お金だけではなく思いやりで明るくしていきたい。そういうのが『愛』だと思ってます。


ーチームをつくる上で一番大切にしていることを教えてください。

『愛』です!

具体的にいうと、メンバーとのコミュニケーションだったり、目的共有だったりします。

会社全体を1つのチームとしたとき、向かっていく目的を共有することが一番大切だと思っています。目的を共有して、全員守備&全員攻撃のチームにしたい。

インバウンド他社との違いの話がありましたが、一人一人が考えられるチームにしないと、ノットワールドにしかないものというのは作れない。だから何度でもみんなと話をして、ノットワールドの文化を伝えて、浸透させていかなきゃなぁと思っています。

ー五年後、十年後にどうなっていたいですか?

海外から日本にくる旅行者にとって、”Japan Wonder Travel”が第一選択肢として頭に浮かぶようにしたいです。

「JWTは愛にあふれてるよね!」と言われるようになりたいし、旅行者にとっても、ツアーガイドとして働く人にとっても「JWT=当然の選択肢」になるようにしたいと思っています。

そのためにも日本全国を網羅したネットワークをつくりたい。会社のロゴあるように、東京・京都だけじゃなく、地方含めた日本の各地の素晴らしさに触れてもらい、日本全体を活性化してきたい。それこそが持続性だと思っています。

5年後は、日本全国どこにいってもJWTでなら楽しい旅ができる、という状態にもっていきたいです。そして10年後はそれをもっと深めていきたいですね。

10年後には、現在の高校生が25歳〜27歳の大人になります。都市に憧れる地方の高校生もいますが、彼らに地方の美しさに気づいてもらいたい。そして彼らが主体となって発信し広めていけたら素敵だなと思います。

現在も関東地方で、高校生が外国人ゲストを案内する学生ツアーをやっています。学生はこの経験を通して、英語が喋れる・プレゼンが上手になる・そして地元や日本のことを知ることができます。これ以上の教育はないんじゃないかなと。今後はもっとエリアを広めていければいいなと思っています。

(母校・駒場東邦高校で講演会)

個人としては、今ユウとやっていることは、誰かに継ぎたいと思っています。僕達がいつまでも同じことやってる組織は健全ではないですし、自分たちを脅かす存在を育てたいです。

10年後には今の業務は完全に誰かに継げるようにしたい。必要であればサポートとして関わるのでもいいですし、僕たちは僕たちで新しいチャレンジを続けていく必要がある。これからも旅には関わっていたいなと思っています。

あとは家族でもう一回世界一周したいかな。南極とか北欧とか、行ったことのないところに足をのばしてみたいですね。


ー将来的に会社に取り入れたい制度はありますか?

3か月〜6か月位の長期休暇制度や、1ヶ月海外リモートワーク制度が実現できたらおもしろいなと思っています。3ヶ月くらいが旅を楽しんだり充電するにはちょうど良い期間だと思いますし、旅行会社なので旅心を忘れずに仕事をしていきたいです。

また今後はもっと旅と生活の境界線が薄くなってくると思うので、働く場所がたまたま旅行した先だったっていうのも楽しそうだなと思ってます。例えば日本とは違う場所で働いて、2週間くらい有給をくっつけて旅して帰ってくるとか。そこで気づいたことをその他のメンバーにシェアしてもらえれば、会社にとってもプラスになります。

入社後すぐはチームでのコミュニケーションが必要なので、皆と同じ場所で働いてもらう必要がありますが、チームに認めてもらえて成果も出せる人ならリモートでもいいんじゃないかなと思ってます。


ー どんな人と一緒に働きたいですか?

「仕事ができる、熱くて良い奴」と働きたいですね。そして愛にあふれている人。

みんなで人生を楽しもうとするチームをつくって行きたいと思っているので、仕事とプライベートを分けきらず、サシで飲みに行きたいと思える楽しい人と一緒に働きたいです。
うちは旅行会社だけど旅好きというだけではだめで、作業効率が良くて、イノベーティブな改善ができて、チームプレイヤーとしても活躍できる人。

そして「問い」を考えるところから始められる人に来てほしいです。業務を効率化すればするほど、問いが立てられない人には単純な作業を与えることになってしまいます。問いが与えられた状態で働くと、人って段々と作業が嫌になって来ると思うんです。長い目で見た時に、個人にとっても会社にとってもそれはマイナスかなと。作業のみをやる人には会社的に給料を上げられないし、個人にとっても給料があがらないということになってしまう。

コミットしなくていいと考える人・できない人と、コミットできる人とでは、次第に差が出てくると思ってます。一緒に働く人には、コミットできる人であってほしい。自分がやってることに価値を出せる人、自分で考えて動ける人であってほしい。
単純な作業ひとつするにしても、目的をどこにセットするかで違ってくるので、視座を上げて問いを自ら考えて作る力を持つ個人が集まるチームを作りたいと思っています。
頑張ってコミットしたら、日本や旅行業界、そして自分の生活にどんな良いことが起こるのか、皆で目標共有していきたいですね。
メンバーみんなが、他の会社からもスカウトされて「うちで働いてくれ!」とひっぱりだこで、でもここで働いてくれているっていうふうになるのがいいなぁと思います(笑)

それから、ノットワールドの社風と合うかどうかは大事。たとえば作業効率がイマイチでもチームプレイヤーとしては抜群とか、色んな人がいると面白いなぁと思っています。

興味をもってもらえたら一度ぜひ会いましょう!

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