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【心地いい場所?】樹の家こころ舎の日常をまとめてみた【悪い場所?】

地方の小さな工務店というと、仲のよいスタッフがみんなで昼ご飯を食べながら牧歌的な日常を過ごすというようなイメージを持たれる方もいるかもしれない。大分にある私たち樹の家こころ舎も社員13人と大きくはない工務店だ。ご多分に漏れず、メンバー同士は和気あいあいとしており、誕生日が近くなってくると毎回サプライズでケーキが出てくるのが恒例だ(出される側はサプライズをされなければならない)。しかし、工務店というと多くの職種が入り交じる場所。そういった業務が異なる組織で心地よくにはどうしたらいいのだろうか。「心地よさの追求」を経営理念に掲げる樹の家こころ舎が取り入れている工夫について聞いてみた。




「何もしないと、他人同士になってしまう」

ーー本日も金子さんにお話を聞きたいと思います。いつも金子さんですね。他のひとにもインタビューをしたいのですが…。

僕だって、そんなことを言われたら悲しくなります。一応社内のコーポレート機能をほぼ担当している状態なので、今日も僕がお相手をさせていただきます。

ーー冗談です!お願いします!今日は樹の家こころ舎がどのようにコミュニケーションを取っているのかというのを教えていただきたいと思っているのですが、実際のところ社内の雰囲気はいかがですか?

そうですね。全体としてアットホームな雰囲気だと思っています。ただ、コミュニケーションを保つためには一筋縄ではいきません。そのことを理解いただくために、まず、私たちの業態と担当毎の役割分担について説明をしたいと思います。私たちは注文住宅を専門に扱う地場の工務店です。日本全国の凄腕の建築家の先生方と協業を行い、自社で施工を行います。

役割としては、広報がイベントを企画し、お客様との出会いの場を創出します。そこから営業がお話を進めて受注に至ります。ここからが協業のはじまりです。お客様によって異なりますが、この時点で当社のインテリアコーディネーターがチームに入り、お客様のデザイン的なご要望について擦り合わせを行っていきます。そのうえで建築家の先生とプランニング(間取りの設計のこと)を行い、施工を行うための申請関係や各種図面作成、構造のチェックを自社の設計部門で実施します。そのうえで、工務部門が現場を管理し、施工を行うという流れです。

ーーなるほど、様々な職種が入り交じるのが特長ということですね。

はい。ですから、特に工事の現場と営業の現場がはなれないように工夫をすることが必要です。

ーー工務の現場監督は工事現場にいることが多いでしょうし、営業担当もお客様対応をしていると顔を合わせる機会は少なそうですね。

そうなりがちです。休日も当然全社で同じになることはなかなかありませんし、自分の業務が繁忙になるほど、「自分だけが忙しいのではないか」と疑心暗鬼になりがちなんですね。何もしないと他人同士になってしまいます。そこをなんとか工夫をしているところです。

光吉の事務所では、ショールームスペースでコーヒーブレイクをしながら、考え事をすることも。

ショールームの一部は社員の手で塗装を行ったもの。写真は光吉店営業の宇都宮。


「小さいことが不利だとは思わない」

ーー具体的に教えてください。

はい。まず社内で共通のスケジューラーを利用しています。スタッフはお互いの業務予定を確認することができ、お互いの業務内容や予定を確認することができるようになっています。なかには休日の予定を「休日」とだけでなく、「映画」や「喫茶店」といれるメンバーもおり、プライベートの予定まで一括で管理しているものもおります。

ーーまずお互いの予定がわかるようになっているんですね。

はい。これは結構重要なことで、お互いに予定が分かっていたら、忙しいであろうときに気遣うことができるんですね。なかには緊急の用事があるのに、話しかけられると断れないというメンバーもいますので、効果的に機能していると思います。また、代表の予定がわかるので、会議予定を組んだりするのも楽ですね。ただ、これだけでは残念ながら、コミュニケーションが十分だとはいえません。スタッフ一人ひとりの繁忙感や優先順位、困っていることまでは明らかになってこないからです。

ーーやっていることはわかっても、どういう気持ちでやっているのかがわからないということですね。

そうなんです。そこで最近になってですが、「朝報・夕報制度」を取り入れました。

ーー日報というのはよく聞きますが、「朝報・夕報」とはどういった制度でしょうか?

はい。まず朝業務が始まったら、その日一日の業務と優先順位を30分刻みで全体に対してビジネスチャットで報告してもらいます。その際に気になっていることや進めていきたいこと、頑張りたいことなどを書いてもらっています。上長はそれを見て優先順位のチェックができますし、案件のボトルネックになっている部分に対して助言をすることができます。そして夕方の終業時に、その日一日の業務報告を行ってもらいます。これが夕報です。この際にはその日の業務内容と気づきについてもあわせて記入をしてもらっており、これも全体に対して報告をしてもらっています。ここではプライベートなことを書いてくれるひともいますね。そのひとの人柄がわかったりして面白いです。

ーー上長に対して個別で報告をするというのはよく聞きますが、全体に対して報告するというのはどうしてでしょうか?

はい。これもお互いの業務に対して敬意をもってほしいということに主眼を置いています。もちろん、それぞれがプロフェッショナルなので、自分の業務には誇りを持っていると思うのですが、僕たちは複数業種が協業することではじめて機能するチームです。お互いがお互いに自分ができないことをやっているメンバーに対しての信頼と尊敬があってこそ、いい仕事ができると考えています。その際に、お互いの業務について心情面も含め知り合うということが重要だと考えています。導入して1ヶ月ほどですが、社内のコミュニケーションが促進された感覚があります。

ーーありがとうございます。他に工夫をされていることはありますか?

スタッフが集まれるときには、みんなでわきあいあいと楽しめるように心がけています。盆前と年末には本社で料理を囲むことが恒例になっていますね。また、代表やマネージャーとの個別面談も最低月1ペースで行います。この時間は個別の業務のことではなく、社員の仕事上の悩みやキャリアプランを考える時間として取っていますので、そこで色々な話をしてくれることもあります。若手のメンバーだと週に1回ペースで行うこともありますね。

年に2回御盆と年末年始は全社員共通の長期休暇となる。営業、コーディネーター、設計、工務が一同に集まり、鍋を囲む時間は年々スタッフが増えるこころ舎にとって大事なコミュニケーションの時間だ。


樹の家こころ舎の新卒2期生現場監督の濱口もこの表情だ。

ーーそうした工夫のなかで、一人ひとりのプロをチームにしているんですね。

まさにそうですね。また、月に一回程度の定例会議では自分たちが目指す姿とそれに向かって現在どのようなアクションをしているのかを共有するようにしています。同じ方向を向いているんだということを感じ、安心して仕事に取組んで欲しいという思いからです。僕たちは確かに小さな組織ですし、工夫をしなければ社内の人間関係も固定的になりがちです。ですので、お客様の期待に応え続けるために「理想に向かって変わり続けていくんだ」という意思を共有することで、社内の固定化を防ぐ狙いもあります。また、変わり続けることが求められるのであれば、小さいことはデメリットではなく、むしろメリットとして捉えたいと考えています。

ーーなるほど、コミュニケーションを促進し、チームとしての一体感を保つ工夫をしていることを知ることができました!本日も長時間ありがとうございました!

こちらこそありがとうございました!

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