pixivってすごいね!オンデマンド販売のプラットフォームが楽しい件
オンデマンドビジネスは良いね
こんにちは、KSRの徳永です。@toku168
私は週一で「旅と鉄道」という雑誌を作る出版社に顔を出しているのですが、最近、POD(プリントオンデマンド)という会社と提携し、鉄道Tシャツのオンデマンド販売を始めました。
https://t-od.jp/item/?brand_id=A00021
オンデマンドの名の通り、デマンド(需要)=注文 があれば1枚から印刷して購入者に届けることができます。
在庫を持たなくてよいビジネスというのはグッズを置く場所の維持費用や管理費もかからないので様々な利点があります。
何よりも私は無駄なものを保管したり所有したりすることが嫌いなので、これは非常に好感が持てます。
同人カルチャー×オンデマンドを実現したpixiv
ところで、pixivという会社をご存知でしょうか?
アニメキャラなどを検索するとよく上位表示されるあの会社です。
mixiなんかと同じく日本のソーシャルネットワークの草分け的な割と昔からある会社ですが、最近のpixivは見ていて本当に楽しい会社です。
pixiv エコシステム
pixivは持ち前の二次元コンテンツや人気絵師の画像が集まるプラットフォームとしてのポジションを生かし、近年はCtoCのプラットフォームを積極的に作っています。
個人が新書のようなものを電子書籍のみで24時間程度で作り、自らのフォロワーに販売するという「マッハ新書」というムーブメントを作り出したBOOTHは、ココナラやアマゾンが電子コンテンツの販売手数料として3割程度をとるところをなんと4パーセントしかとらないという衝撃の手数料を打ち出し、自分で売る力を持っているインフルエンサーが好む強力なプラットフォームとして存在感を強めつつあります。Booth ではハンドメイドグッズや同人誌、電子コンテンツなどがよく取引されています。
https://booth.pm/ja
電子コンテンツを売る場合はもちろん在庫はデジタルなリアル世界に存在しないものを扱うので在庫管理の心配はいりませんが、例えば缶バッジのようなアナログなコンテンツ(?)を売る場合、もちろん管理コストが発生します。在庫が自宅にある場合は梱包、配送の手配も必要です。
ここに一石を投じたのが「pixivfactory」なのです(この話がしたかった!)
pixivfactoryはTシャツやマグカップ、マスキングテープまで簡単にオリジナルグッズが作れ、しかもオンデマンドで販売できるのです。
これは本当にすごい。
https://factory.pixiv.net/
メルカリ、ココナラが「モノ」と「コト」のCtoCを文化として普及させましたが、これは「モノ」のCtoCが自動化するという新しいムーブメントの萌芽であるように私には思えます。
何が言いたいのかというと、物流で扱うもの自体がデジタルデータという非物質的なものに代替されてきているのです!
むすび
出版社では流通倉庫というところや印刷所、取次という会社に大量の本の在庫を預け、その管理コストが事業を大きく圧迫します。
kindleが普及し電子が進みましたが、リアルな本を買う人と電子を買う人は別、なので本の在庫は減りません。出版社は常に不要な在庫に頭を痛めています(これは取次という日本独特の業種が本の物流に介在することに起因するが論旨を逸れるので触れない)
もしもオンデマンド技術がさらに進化し、本は読者の分だけ刷られる、グッズはほしい人の分だけ生産されるという時代が来たら、それは身軽でスマートなエコシステムの到来となるでしょう。
ただ、そのいわば贅肉のような産業プロセスが業務となる事業が存在する以上、そのダイエットの過程はかなりディスラプティブな性質のものになることも容易に想像できます。
とはいえ、個人的にはそんなスマート社会の実現の第一歩を踏み出したpixivをこれからも注目していきたいと思う次第です。
おわり