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【レッジ社員紹介】「ブラック企業」な育児で芽生えた当事者意識と仕事への責任感〜育休明けのライター菊田さんインタビュー

※この記事は2021年6月16日にnoteで公開した記事をそのまま転載しています。

こんにちは!レッジでインターンをしている田守と申します。

レッジでは今月からnoteを活用して、新しくオープン社内報を始めます。それに伴い月1回程のペースで、ひとりの社員にフォーカスを当てインタビューを実施した社員紹介記事を作成していきます。

記念すべき第1回目にインタビューさせていただくのは、AI関連メディアのLedge.ai、データサイエンスメディアのDa-nceでライターとして働く菊田千春さんです。菊田さんは今年5月に産休、育休から復帰されたばかりです。

今回は菊田さんに、育児休業(※)期間中の過ごし方や職場復帰後の変化についてお話を伺いました。

※詳細には、菊田さんは2020年6月から9月頃までは産前・産後休業、以降2021年4月末までは育児休業を取得されました。今回は総称して育休と表現します。

出版社や制作会社、オウンドメディアの編集を経てレッジへ

ーーはじめに菊田さんの過去の経歴を踏まえ、自己紹介をお願いします。

菊田です。32歳です。

新卒で小さな出版社に入社し、ビジネス系雑誌の編集を1年半程しました。その後Web系でもっと書きたいと思い、2社目でWebメディアの立ち上げに関わりました。3社目は制作会社で、いろんな企業のWebメディアの企画や記事づくりを中心にやっていました。4社目は人材系の会社で、オウンドメディアの企画や編集をやっていました。

今はLedge.aiの企画や編集を担当しています。たまにマーケティング周りを手伝うこともありますね。

ーーレッジで担当されている分野と今までされてきたお仕事の分野は結構変わってきますね。

もともとWebプログラミングや技術系といった分野は3社目の制作会社で初めて担当して、そういう分野に対して面白いなという思いはありましたね。


▲緊急事態宣言下ということもあり、インタビューはリモートで実施

育児はある意味ブラック企業 その中で芽生えた本当の当事者意識

ーーではここから育休についてお伺いしたいと思います。育休に入る前に仕事から離れる不安などはありましたか?

そんなになかったです。経験者として休業前も比較的裁量が大きく、復帰後もそれほど変わらないと考えていました。ライターとして記事づくりも企画もできるのでなんとかなるだろうと割と楽天的でした。

育休期間は忙しいのもあってAI界隈の動向をつかめていませんでしたが、復帰すれば勘は取り戻せると思っていました。

ーー育休期間はお仕事のことを考えるより、子育てに集中されていたんですね。

考える余裕がなかったのもあります。それよりも育休は100%子供にコミットできる貴重な期間なので、仕事のことを考えるよりはその貴重な時間を大切にしていました。

ーー育休期間は自分の時間がないとおっしゃっていましたが、具体的に何に時間を取られていましたか?

本当にずっと子供の世話しかしていなかったです。赤ちゃんは胃が小さくて一回にミルクを飲める量も少ないので、3時間おきにミルクをあげないといけないんですよ。生まれてしばらくするまでは夜中の1時にミルクをあげて朝の4時にもあげて、その間にオムツを変えて、泣いたらあやす……という一日の繰り返しでした。

ーー睡眠時間も確保できないですね……。眠れない辛さみたいなものはないですか?それとも自然と母親の意識が芽生えて、短時間睡眠でも子どもの世話をできるものなのですか?

できるできないで言うとできますが、やっぱり眠いです。辛いけど自分がやらないとやる人がいないし赤ちゃんも辛いので、やらざるを得なくなって結果的にできるようになりました。

母親としての意識が芽生えるというより、やらないと子供が死んでしまうからやる、という義務感ですね。

ーー過酷な育児ですが出産前に想像していたものとのギャップはありましたか?

育児に関しては想像を超えていましたね。とにかく時間がなくて、隙間時間があれば寝たいと思っていました。やってみて初めてわかりました。

ワーママ、「正直舐めててすみません」という感じです(笑)。

ーーどんなブラック企業よりブラック企業ですね(笑)。

本当にそうです。赤ちゃんが生まれた瞬間から「君、今日から週7・24時間勤務、時々差し込み業務入るからよろしくね。休憩時間はないから適宜取ってね」と言われたようなものです。しかもそれに終わりはないですからね。

ただその中でも見えてきたものがあって、価値観が変わったり仕事の見え方も変わったりしました。

ーー具体的にどんな変化でしょうか?

一番大きかったのは、当事者意識を持つということです。恥ずかしながら、今までは、当事者意識について考えたことがありませんでした。複数回転職してきたのもあって、正直自分になにかがあっても会社は回るし、なんとかなるだろうと思っていました。社会人として良くないんですけどね……(笑)。

でも子供に何かあった時に立ち向かえるのは自分と夫しかいないし、替えがききません。「逃げたい。どうしよう」と思っても自分で考えて前に進むしかありません。そういった中で、初めて本当の意味で当事者意識が芽生えました。

ーー「自分がいなければ子供は死んでしまう」という経験が仕事への見方も変えたのでしょうか?

そうですね。仕事も今まで以上に責任を持って最後までやり通す、全力でやる、という意識が持てるようになりました。

ーー旦那さんは育休を取得されましたか?

していないです。基本リモートワークで家にはいたので、隙間時間に面倒を見てもらったり、ご飯を作るのを手伝ってもらったりしました。夜中の授乳が辛いという時は手伝ってもらうこともありましたし、今もお風呂は交互に入れてます。

ーー「子供が生まれて育児をしない夫に不満を持つように」といった話をよく聞くのですが、菊田さんの場合はどうでしょうか?

そういうのはなかったですね。前から「産後うつというのがあるらしいよ」とは伝えていました。私に何かあった時に子供の世話ができなくなるのはリスクだから、そういう意味で子育ては一緒にできるといいね、と話し合ってもいました。

2人で育児日記もつけていて、睡眠時間やミルクをあげたタイミングを記録しています。私と夫のどちらかに何かあった時にこれを見れるように、病院にも持っていけるようにしていました。


▲菊田さんと旦那さんでつけている育児日記

ーー旦那さんがリモートワークというのは新型コロナウイルスの影響でしょうか?それともコロナ関係なしにリモートワークという働き方を選択できるのですか?

コロナ前からリモートワークはできていましたが、あくまでサブの位置づけで、できても週2、3だったと思います……。良くも悪くもコロナ禍でリモートワークが普及したから、夫もリモートワークで一緒に子育てできたと思います。

ーーコロナ禍で児童館や母親教室がない中で、母親同士のコミュニティ形成は難しかったと思います。コミュニティで悩みを打ち明けることができない環境の中で、菊田さんはどうされていましたか?

私はTwitterをして、ほかのママさんたちと情報交換をしていました。Twitterは情報源として有用だと思います。

母親教室や育児書には良いことばかり書いてありますが、Twitterではリアルな育児の様子を知ることができて救いになりました。「こんなに頑張らなくていいんだ」と早い段階で気付けたのは良かったですね。

夜中の授乳中にタイムラインが動いている時には、「私だけじゃない。頑張っている人は他にもいる」と連帯感も感じました。

ーー具体的にTwitterで得たノウハウを教えていただきたいです。

離乳食を始める時期や、冷凍して作り置きすると便利なメニュー、気温と赤ちゃんの服装(今日は暑いから子供にはこの服を着せた方がいい)、といった情報を得ていました。

家族や友人に育児の悩みを相談することももちろんありますが、Twitterだとちょっとしたことでも聞きやすく、レスポンスも早いし、複数人から回答を得られますね。

聞くだけでなく、自分の経験を話すことで誰かの役に立ってると思うと、嬉しかったです。

▲菊田さんから送っていただいたTwitterでのやりとりを文字起こししたもの

仕事と子育ての両立 残業が許されない環境でメリハリがついた

ーーここからは育休を終えて職場復帰した後のお話について伺いたいと思います。菊田さんが育休に入られる前と比べて社内の体制は大きく変わりました。職場の印象や働き方に変化はありましたか?

産前からリモートワークだったので、働き方に大きな変化はなかったです。会社の変化に対しても「そうなんだ」くらいでした。

上司が変わったこともあり、ついていけるかどうか若干の不安はありましたが、会社として成長しているということだと思いました。柔軟に変化できる組織は強いと思います。

ーーお子様の変化はいかがですか?

保育園に行くようになって、グッと成長スピードが上がりましたね。喃語(なんご)ですがおしゃべりが増えたり、はいはいのスピードも上がったりしました。最近はつかまり立ちもします。

急に「赤ちゃん」から「子供」に近づいてきたなと成長を感じました。

コロナ禍で児童館などに遊びに行けなかったので、保育園で初めてたくさんの同じくらいの歳の子供たちと触れ合うようになりました。保育園という社会に揉まれていますね。

ーー菊田さんが職場復帰されて約一ヶ月、お仕事と子育ての両立はいかがですか?

いざ仕事と子育ての両立を始めて、メリハリがついたとは思います。

8時に子供を保育園に預けて9時から18時まで仕事、そこから保育園に子供を迎えに行くスケジュールなので、良くも悪くも残業ができません。決められた時間の中でどう行動するか、どうやって価値を見出すか、改めてよく考えるようになりました。

「もう少しで終わりそうだな。頑張りたいな」という時も物理的に残業ができません。この状況は大変ですが、割り切りが前よりできるようになりましたね。

ライターや編集が育ちにくいWebメディアで後進育成を 子供との時間も大切に

ーー今後のことについて伺っていきたいと思います。今後の働き方やキャリアで目指すことはなんでしょうか?

働き方は、このままフルタイムでやっていきたいと思っています。子供が成長すれば出社もできればと思っています。

キャリアはそうですね……。今は企画や連載など記事単位では自分でできるという自負はあるので、今後はメディア全体、マーケティング全体まで手を伸ばせたらいいなとふんわりとは考えています。

そして後進の育成にも力を入れたいです。「Webメディアはライターや編集が育ちにくい環境にあり、質の低い記事が上がってきて困る」とよく同業者から耳にします。

私も先輩方に鍛えていただいた分、自分が無理なく関われる範囲で、若い方々にノウハウやエッセンスを伝えたいなと考えています。

ーー今の菊田さんのキャリア観は、出産前後で変化はありましたか?

方向性は大きく変わっていないです。

ただ出産前まではキャリアについて考える時、「自分がどうしたい。自分がどうできる」と常に主語が「自分が」になっていました。子供が生まれてから、自分の選択が夫だけでなく子供にも影響するので、自分の行動によって子供や夫がどうなるのかを考えるようになりました。

もちろん仕事は頑張りたいし、勉強もしたいこともいっぱいありますが、子供と過ごす時間を考えて、ある程度の取捨選択をして集中していきたいなという風に変わりましたね。

ーー自分の行動がお子さんや旦那さんに影響することを前提に行動するようになったんですね。

子供の親は自分と夫しかいないので、しっかり子供と向き合う時間が欲しいです。

親は自営業だったのですがレジャー業だったので、休みの日に遊ぶことができなかったんです。起業したのは中学生くらいである程度成長していましたが、少し寂しさを感じていました。

仕事は頑張りたいですが「寂しい。もっと見て欲しい」という感情を味わわせるのは可哀想だなという気持ちもあります。きっとどんなに子供と触れ合う時間を作っても、数年後に振り返った時に「もっと子供と触れ合っておけば良かった」と思うはずなので、後悔のないようにできるだけ子供と関わる時間は増やしたいです。

▲菊田さんとお子さん

子供に読んでほしい本は世界一周の体験記

そうですね……。反応が気になるかなという意味で世界一周の体験記『WORLD JOURNEY』(※)ですかね。

※『WORLD JOURNEY』(2005) 著者:高橋歩 著者の高橋歩と妻のさやかの世界放浪の経験をもとに、格安航空券の買い方から宿泊先の探し方、旅先で注意するまで使える情報をまとめた本。この他13人の世界一周体験記も掲載されている。

私の出身は結構田舎で、幼い頃は閉塞感を感じていたのですが、この本を読んで世界って案外簡単に行けるんだな、環境は自分で変えられるかもしれない、と思いました。これをきっかけに大学生の時に上京もしたしひとり旅もしたので、ある意味自分の価値観が変わった本ですね。

田舎に住んでいた自分と都会で育つ子供では感じ方も異なってくると思うので、この本を読んで子供はどう感じるのか気になります。

ーー実は、私の父は若い頃に読んだ本をすすめてくれることがあるのですが、それが結構自分に活かされていると思うことが多いんです。だから親にすすめてもらった本というのは、子供に影響を与えるのではないかなと思っていてこの質問をさせていただきました。

いいですね。すごく羨ましいです!(笑)電子書籍だと子供がアクセスできなくなることも考えて、紙媒体で本を購入していきたいですね。

あとがき

今回私は初めてインタビューをさせていただいたのですが、菊田さんの明るい雰囲気もあり、楽しくお話を伺うことができました。

菊田さんの育児エピソードやお子様に対する思いを聞き、純粋に親ってすごいと思ったのですが、すごいという言葉でまとめてしまうのは安直ですよね……。だからまず、私をここまで育ててくれた両親に改めてお礼を伝えたいと思います。お父さんお母さんいつもありがとう!

菊田さんはキャリアについてのお話で、子供が生まれる前は主語が「自分」だったけれど、生まれてからは自分の行動がお子様や旦那様に影響することを考えるようになったとおっしゃっていました。

私は将来子供を持つのかまだわかりませんが、ある意味、家庭のことを考えず、自分のやりたいことを思いきりできるのは今だけなのかもしれません。とりあえず、今の私は主語を「自分」にして、積極的にやりたいことに向かって突き進んでいきたいと思います。

菊田さん、改めてありがとうございました!

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