最近がっかりしたこと、、、

こんにちは。リーウェイズCFOの國井です。

タイトルのぱっと見、

今朝、犬のフンを踏んじゃったんだよね

みたいなノリのタイトルですが、少し真面目に「最近がっかりしたこと」をお話しするので、がっかりしないでくださいね。

ところで、私は現在「公認会計士」ではなく、「日本公認会計士協会準会員」というちょっぴりダサい肩書きなんですね。


両者の違いを簡単に説明すると、会計士試験に合格すると「日本公認会計士協会準会員」になることができます。

そこから2年間の実務経験と、実務終了後の筆記試験に合格し、金融庁と会計士協会に登録申請をし、煩雑な手続きを完了し、晴れて「公認会計士」となることができます。

要は研修医と医者みたいな関係です。

私は現在その申請手続中なのですが、金融庁に実務従事の証明書を発行してもらう申請書類を送付し、かれこれ3ヶ月が経過しようとしています。

あまりに遅いため、心配になったので、金融庁に電話したところ


「手続は滞りなく進んでおります。現在審査中です。」


との回答がありました。親切丁寧に経過報告有難うございます。


民間企業でA4一枚の紙ペラ出すのに3ヶ月以上かかっていたらクビですよ、普通。


ですが、私が「がっかり」したのは何も手続が遅いからではありません。(そんな心の小さい人間ではありません。)


私が「がっかり」したのは、金融庁の承認を得ないと公認会計士と名乗ることすらできず、金融庁の匙加減一つによって、公認会計士の存在意義を否定できる公認会計士制度の儚さと脆さに対してです。


そもそも現在の公認会計士の社会的意義が認められているのは、監査業務が公認会計士の独占業務だからです。

監査業務は公認会計士の資格を持つ者しか行うことができません。

だからこそ公認会計士の社会的地位は高く、社会的意義のある職業であると認識されています。

(意外かもしれませんが別に会計の知識があるからではないですし、公認会計士より会計に精通しているビジネスマンはたくさんいます。)

この監査制度、つまり監査業務を公認会計士の独占業務であると定めているのは、仕事が死ぬほど遅い「金融庁」です。(なんたってA4の紙切れ一枚出すのに3ヶ月はかかる連中です。)


つまり金融庁が仮に

「明日から監査業務は税理士でも司法書士でも行うことができます。」

と宣言した瞬間、公認会計士は、会計について人より少し詳しい存在に成り下がるわけです。

と言うより、ほとんどの会計士は、私含め、普通のビジネスマンと比較し、コミュニケーション能力や社交性が著しく劣っている傾向にあるので、まず間違いなく就職活動という市場競争に晒された瞬間、内定0の人が続出することでしょう。(コミュ力のある会計士のみなさまはどうかご容赦ください。)


これって会社名や肩書きのみを拠り所に、会社にぶら下がっている寄生虫気質のサラリーマンと何が違うのでしょうか?


金融庁という皇帝は、公認会計士という民衆の生殺与奪の権を握っているわけです。(別に私は国の犬に成り下がるために会計士を目指したわけはありません。)

別に公認会計士になったからといってモテるわけでもないですし、だったら合コンで女子に大人気の総合商社に入社した方がマシだったのではとすら思えてきます。(今更手遅れだ・・・)


最後に、公認会計士登録の手続きの渦中で、もし金融庁審査官の機嫌を損ねたら登録すらできない会計士制度にどれほどの社会的意義があるのだろうと葛藤する中で、私が思う会計士制度の限界について個人的見解を以下述べたいと思います。


1 監査制度の限界

会計は過去の取引の結果を財務諸表に数字に落とし込んだものですが、そこには「事業の将来性」や「事業にかける経営者の思い」「実現したい世界観」と言ったような目に見えない価値は原則的に載せることができません。(会計は、「客観性」や「比較可能性」を重視しているので、当たり前と言えば当たり前ではあるのですが、事業を行う側からするとそれが逆に「比較可能性」を歪めているように思うことがあります。)

理論上は、「のれん」や「無形資産」という形で表現することはできますが、実態がない以上、監査人も測定が困難であるため計上を否定されることがほとんどであるため、会計制度を駆使して企業の実態をどこまで正しく評価できているかは疑問が残るところではあります。

また、監査人である公認会計士は「会計基準」に照らし、企業が適切に会計処理を行っているか否か、これまた「監査基準」という規則に従い判断していきます。

監査人の判断基準は監査基準上、「職業的専門家としての判断による」と記載されているものの、実質的には監査基準や各社が出しているガイドラインに従って判断することがほとんどです。各監査人のオリジナリティの介入する要素は皆無と言っても過言ではないでしょう。

そういう意味において、規則に従い判断するという行為は、既にディープラーニングといった技術が急速に進化している昨今の社会においては、近い将来、人工知能に置き換わるのではないでしょうか。


2 事業環境の理解の限界

監査をする上で最も大切なことは「事業環境の理解」と監査の教科書には記載されています。

「事業環境の理解」をする事は当たり前のことなのですが、今思えば、自分が関与するクライアントの事業環境を本当に理解している人が、そもそもどれほどいたのだろうと思います。(理解されている優秀な会計士の皆さまには謝罪して回ります。)

と言うのも、事業を作る側である企業は、自分の事業を理解していないはずがありませんが(事業を作りながら理解すると言った方が正しいのかもしれません)、公認会計士という外部者からすれば、その事業が成功しようがしまいが、自分たちの生死が決まる訳ではないので、事業環境の理解を本質的にするにはどうしても限界があると思います。

結局のところ、事業家サイドに立たない限り、事業は他人事の域を出ない点で、事業環境の理解の深さに限界があります。それは自分が事業をする側に回って肌身をもって感じました。

そういう意味において、事業環境を自分より理解していない第三者である公認会計士が、企業実態を評価することにどれほどの価値があるのか、疑問を拭えないというのが正直なところです。


最後に

公認会計士登録の手続きを発端に、ここまで私が公認会計士制度への疑問を書きましたが、私は決して公認会計士という存在が不要だと言いたいわけではありません。

公認会計士に限らず、規制業種と言われている業種はどこも同じ問題を内包していますし、制度の限界についても法制度然り、医療制度然り同じことが言えると思います。

この世に完璧な制度など存在しないのですから当然でしょう。

ただ、今の時代は、高度経済成長のただただ反復的、規則的に経済基盤が拡大する時代とは違って、経済環境やビジネスモデルが高度に複雑化してきているため、全ての事象の個別性が強まっている以上、あらかじめ作られた制度では対応しきれないことが増えているので、法制度や資格制度の重要性は今後低下の一途を辿るのではないかと思います。

そのような環境下で、今の公認会計士制度がこれからも社会から必要とされるのか、私自身も一公認会計士(今はまだ準会員ですが)として見守っていきたいと思います。


そういえば、この記事を書いた日に髪を切ったのですが、友達に「金正恩みたいな髪型だね」と言われたことが一番がっかりしたことでした。

リーウェイズ株式会社 國井 大地

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