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「上場はしたくない」上場企業グループの元社長が語る、幸福度の高い働き方とは?

こんにちは。LSI採用担当です。

宮崎を拠点にしながら全国各地のお客様と取引を行う当社は、創業から売上・粗利ともに順調に成長しています。

当社の特徴は、会社単位でも、担当者単位でも、売り上げ目標がないこと。過去に上場企業グループで子会社の代表取締役を務めた石川さん(LSI代表)が、当時の経験から「予算よりも大切なものがあるんじゃないか」という考えにいきついた結果、当社には創業当初から担当者への予算振り分けがありません。

そんな考えが生まれた背景には、どのような出来事があったのでしょうか。そもそも、代表の石川さんは何者なのか。この機会に話を聞いてみました。

石川 知佳さん

株式会社Life style innovation 代表取締役。飲食店での店長や、JCBグループや広告代理店での営業を経験後、株式会社レントラックス(東証グロース上場)の現会長から誘いを受け、グループ会社(株式会社Anything)の代表取締役に就任。その後、上場を経験。退任後は、宮崎市と商工会議所が主催するMIYAZAKI STARTUP HUBの誘致を受け、宮崎を視察。想像以上の住みやすさに惹かれて移住を決断。移住後、株式会社Life style innovationを創業し、今に至る。

父の難病診断、店での寝泊まり生活、借金生活…必死にもがいた20代

ーー年表を見て初めて知ったんですが、学生時代はバンドをやってたんですね

中学の先輩がバンドのボーカルを担当してて、その人がめちゃモテていたんだよね。バスケ部のエースで、かつ陸上の短距離でも県大会に出るぐらい多才で。そんな先輩のバンドに入りたくて、ちょうどドラムがいなかったら「今がチャンスだ!」と思って自分からメンバー入りをお願いしたのが、バンドを始めるきっかけだったかな。だから先輩がモテてなかったら、バンドやってなかったかもしれないね(笑)

ーーバンドは何で辞めちゃったんですか?

インディーズでCDデビューして、ツアーを回れるほどになっていたんだけど、父親が筋萎縮性側索硬化症(ALS)という難病になって、介護に注力する母親を支えながら、父親に代わって稼ぐことになったんだよね。いわゆる三足の草鞋を履くような状態で、寝るときも2時間ごとに父親の介護をして、睡眠時間を削りながら働いてたから体力的にもしんどかった。

もともとバンド活動はサラリーマンになりたくなくて消去法でやってたんだけど、家族を食べさせるためには現実を見ないといけなくて。「このままバンド活動を続けても大きく稼げないのでは…?」とも思っていた中で、色々なことが重なった結果、辞めちゃったんだよね。

稼ぐ場所としては父親が経営をしていた東京の大田市場の仲卸の会社に入ったんだけど、野菜の仕入れ・仕分け・配達という毎日同じことの繰り返ししかない仕事にやりがいを感じられなくて、正直やる気はなかったと思う。父親が倒れちゃって、母親が付きっきりで看病しているから、自分が働かなきゃいけない状況で、仕方なくやってるって思ってたのかもしれない。

ーー大変な状況だったんですね…そこからレインズインターナショナルに転職してますが、どういう経緯で出会ったんですか?

自分に何ができるか分からなかったから、転職エージェントに行ったんだよ。丸の内ビルに作業服を着た状態で入っていったから、大分浮いてたと思うな(笑)

そのときに飲食店でのバイト経験とか、父親の会社での経験を活かして働ける会社はないかって相談して、エージェントが見せてくれた候補の中にあったのがレインズインターナショナルだった。正直、できる仕事なら何でも良かったんだけど、当時の社長が同じ名前で親近感がわいてきて。「僕と同じ名前の人がこんなに大成功してる、すごい…!」という気持ちから、「この会社で働いてみたい」っていう動機に段々と変わっていったのが転職の理由かな。

ーー転職先では飲食店の店長候補として入ったんですか?

そう。土間土間っていう居酒屋でね。店長になってからはメニュー開発とかも自由にやらせてもらってた。そのときは飲食店で独立できないかを考えるぐらい飲食に熱中してたけど、その分がむしゃらに働きすぎてたと思う。14時〜翌7時までを週に6〜7日働いて、月の休みは2日程。店で寝泊まりして洗い場で体を洗う毎日で。振り返ると壮絶な日々なんだけど、若いからできてたんだろうね(笑)

そんな日々が数年続いたある日、外の景色が見える非常階段で、閉店後に従業員と談笑しているときに、不意に朝日を見ながら「ずっとこんな働き方はできないな…」って思って。そのときから将来を真剣に考えるようになってた。

ーーその後は大手クレジットカード会社とITの広告代理店を渡り歩いてますが、このときは営業職として働いてたんですか?

どっちもインセンティブ制の営業職で、なかなか成約が取れない低迷期もあったんだけど、段々稼げるようになってきて、収入が月100万円になることもあったかな。「意外と稼げるじゃん」って思ってた。

そんな調子に乗ってたときに投資詐欺に遭っちゃって、数百万円規模の借金を抱えたんだよね。当時は父親が亡くなったことも重なって記憶が曖昧で。どうにか借金を返済しなきゃと思って、ひたすら働いてた。正社員の仕事を毎日遅くまでやりながら、週末はフルタイムのアルバイトで働いて忙しい印象のほうが強いかな。「絶対に再起してやる…!」ってずっと思ってた。

素晴らしいメンターに出会い、人生が好転し始める



ーー20代は浮き沈みの激しい生活だったかと思いますが、ここからどうやって上場企業グループの社長になったのか気になります

クライアントから「取引先にとっても素敵な経営者の方がいるよ」って、当時のレントラックス社長(現会長)の金子さんを紹介してもらったのがきっかけ。当時、レントラックスは未上場だったんだけど、金子さんが笑顔で上場を目指してると言ってて、最初は冗談だと思って聞いてたんだよね。そんな中で「広告部の人材として入ってくれないか」と言ってもらったんだけど、選択肢のひとつとして、軽い感じで聞いていたんだよね。

何度か金子さんと会って食事をするたびに、「この人は本気で上場を目指しているんだ」と分かった瞬間があって。このまま一人で独立して、仕事を始めるかという選択肢と、金子さんと仕事をするかを比べたときに、「この人と一緒に仕事をすることで、見たことがない景色を見れるかもしれない」という期待とワクワクが、自己での独立よりも勝って、細かい条件面をすり合わせする際に、「休眠会社があるから、社名も代表者も変更して、やってみませんか?」というお話を頂いて快諾したんだよね。

ーーちなみに石川さんはオファーの話があった後、どこに惹かれて代表になろうと決めたんですか?

金子さんが理念経営(ビジョナリー経営)を大切にしてて、そこが良いなって思ったんだよね。今でこそ社会課題に向き合って協力していこうとする会社が多いけど、自分が今まで経験してきた会社では、理念よりも利益を大事にしている会社が多くて。理念って形骸化されるものだし、そんな綺麗ごとで仕事なんてできないと思っていたんだよね。まわりの友人も会社も理念はとりあえず掲げて、結局お金のためにみんな働いていると思っていた。

でもレントラックスでは、理念に基づいて事業が行われていて、判断軸がお金や利益じゃなかった。何かを決断するときは、理念に基づくか?が基本指針で、収支計画はその後。

そういう判断軸で毎日の仕事を行っていたら、仕事も人生も楽しくなるなと心の底から思えて。そこにとてつもなく衝撃を受けて、同時に強く惹かれる自分がいたんだよね。

それがきっかけでAnythingの代表になって、仲間を集めながら着実に成果を出していって、数年後にグループとして無事に上場できて。順調に成長していけてたんじゃないかな。

ーー見事に再起できている印象ですけど、代表の座を退いたのにはどんな理由があったんですか?

上場してから、会社の方向性と自身がやりたい方向性が少しずつ変わっていったのが大きかったと思う。会社が上場すると、予算計上を立てたり、計画を達成するための会議が増えたり、利潤を追求するための行動目標も立てていく必要があって、ステークホルダーが増えたから当たり前なんだけど、それに納得できない自分がいて。「会社が上場するって、もう自分たちだけのものではなくなってしまうんだ」という当たり前のことにやっと気が付けたというか。

上手く表現できないけど、「大切にしていた理念経営に対する価値観と、会社の成長スピードを合わせていくことが難しいじゃないかな」と感じていくようになっていったんだよね。

そんなとき、金子さんから「本当に自身がやりたいと思っていることと、今の会社で行っていることの足並みが揃ってないんじゃないか」と言われてハッとして。そこで初めて、僕は自分自身がやりたいことや、自身の理念を追求できていないことに気付いたんだよね。その後も金子さんと対話を続けた結果、仕事の向き合い方を見つめ直そうと思って、「代表を退任させていただきたい」と伝えて、受領してもらえたんだよね。

その後に羽休めで宮崎を訪れて、気づいたら住み着いてLSIを立ち上げるんだけど、レントラックス時代に学んだ理念の大切さがLSIに活きているんだよ。

理念ファーストで、利益を出せることを証明できる会社でありたい


ーー石川さんが社名に込めた想いについて、改めて聞かせてください

人生に小さな革新を起こすという想いを込めてます。人生の幸福度は、「経済的自由(お金に縛られない)」「空間的自由(時間と場所に縛られない)」「人間関係の自由(一緒にいる人を選べる)」が重要だと考えていて、それを満たせる会社でありたいと思ってる。

ーーLSIはBtoB向けのWebマーケティングを主力事業として展開していますが、石川さんが思う当社の強みって何でしょうか

予算の必要性から考えることじゃないかな。一般的な広告代理店はお客様の予算を把握して、それをどう上手く使うかに注力するから、コンバージョン数とか利益に直結しない成果指標で勝負するんだよね。

でも、僕らは「マーケティング活動を利益につなげるためには、どのくらい予算が必要なのか」っていう最上流から考えることが癖づいてて、だからこそ本質的な課題解決ができる。そのやり方を実行に移すことは大変だし、何百億っていう大きな事業にはスケールしないかもしれないんだけど、お客様にご満足していただける関係性を築くという意味では、うちはすごく信頼されていると思う。ここが評価されて継続率は90%以上で、複数の上場企業とも取引が続いていて、大手代理店を使う側に回ることも出てきてる。

ーー本質的な課題解決の考え方は、経営5指針にも結びついてますね

人生の幸福度の話と通ずるところがあるんだけど、しごとって主に3種類あると思ってて。まず土台に「私事」っていう生き方があって、その上に「仕事」がきて、そのさらに上に「志事」がくる。仕事には志がないと何のために働いているのか分からなくなっちゃうし、プライベートを犠牲にして働きたい人はまずいない。この考え方が組織に浸透しているから、みんなが顧客第一主義で動いてくれてると思うんだよね。

ーーLSIには予算計画がないという特徴もあると思うんですが、これは何か狙いがあるんですか?

先ほど話した3つの自由を追い求めていった結果かな。レントラックス時代に上場を経験してみて思ったのが、上場って資金調達とかで良い面もあるんだけど、その分色んなステークホルダーの思想が入ってくるものだと思っていて、それが勿論良い循環を生むことだと思っている反面、株主に利益を還元するために会社が持続的に成長しないといけなくて、それを分かりやすく示すには株式会社である以上は一定の利益は必要。それも分かってるんだけど、会社の主役は働いている従業員であるべきだと思っていて。

会社の成長は個人の成長の集積であって、それは数値目標や利益目標ではなく、個々の成長のために必要なものを与えることが本当に必要な目標や計画で、その個人の成長やビジネスの結果として、利益という数値が還ってくるものだと思っている。

でも、そんな抽象的な目標を設定することはとても時間がかかって骨が折れることだから、普通の企業はまずやらない。上場企業や、数百人規模の企業では利益目標とか、行動目標という数値で目に見えるもののほうがお互い楽に管理できるから、本当に必要な計画に向き合わなくていいんだよね。これが利益経営の企業が多い理由だと思っている。

でも、この考えには僕の信念がある。だからやり通したいんだよね。

とはいっても、自由にやってて利益が出てなかったら「あいつ、口だけじゃん」ってなると思うんだよね。だからこそ、予算は持たないけどちゃんと成長できるんだってことを証明したくて。会社を立ち上げてから6年間、ずっと右肩上がりで成長できているから、今後もキープしてこの考え方が間違っていないことを社会に投げかけたいと思ってる。

ーー石川さんはどんな人と一緒に働いてみたいですか?

仕事を楽しめる人。その人は、仕事を楽しむとはどういうことかを言語化できると思っていて、そういった論理的思考力がある人はWebマーケティングのプランナーやディレクターに向いてる。

実際、今働いているメンバーはバックボーンこそ違うけど、お客様から評価されることが楽しいと思える方が集まってる。そういう考え方を持つ方であれば、ポテンシャル採用で入ってからスキルを身につけても十分に通用すると思う。

ーー最後に、求職者の方にメッセージをお願いします!

副業転職も推奨しているので、「まずは副業で関わってみてから、転職を考えたい」という方も大歓迎です。一緒に働ける日を楽しみにしてます!


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